第百九十八話 国宝ハンター、裏切られる! | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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前回までのあらすじ~

日本全国の国宝をハンティングする。

そんな壮大なチャレンジに挑む国宝ハンター・とに~。

何かを得るには何かを失うのが常。

これまで1144件の国宝を目にしてきましたが、

その対価に、労力や時間、金銭などいろいろ失ってきたような。

国宝が人を狂わせる。

狂った彼は、今日も国宝を狙い続ける。

「最もフィジカルで最もプリミティブで、

そして、最もフェティッシュなやり方で、

国宝をハンティングさせていただきます。」

 

 

春到来。

毎年この季節になると、

増えて困るのが、花粉と国宝です。

今年の春も、4件の美術工芸品が国宝に指定されました。

これで国宝の総数は、1144件から1148件に!

もうええでしょう。

 

とはいえ、4件も増えても、実はそんなに焦ってはいません。

なぜなら、東京国立博物館(トーハク)で、

毎年、“新指定 国宝・重要文化財”が開催されるから。

新指定されたばかりの国宝は基本的に、

その展覧会に行けさえすれば、コンプリートできるのです。

 

 

・・・・・・が、しかし!

 

今年はなんと、トーハクでは開催されず!

代わりに、京都府京都文化博物館で開催されるそうです。

 

 

 

その理由は、文化庁が京都に移転したから。

まさか文化庁の移転が、こんな形で国宝ハンターに影響を及ぼすとは!

期間中に、何としても京都府京都文化博物館に行かねばです。

 

ただ、よくよく調べてみると、新指定された国宝4件のうち1件は、

トーハクの所蔵品で、金・土曜日に限定公開されているとのこと。

早速、その新国宝がある法隆寺宝物館に行ってみることにしました。

 

 

 

新国宝が飾られているのは、展示室3。

 

 

 

この部屋を埋め尽くすように飾られている、

全31面の《伎楽面》(ジャンル:彫刻)が、このたび国宝に昇格しました。

伎楽とは、日本の伝統演劇のひとつ。

推古天皇の時代に大陸より伝わったようで、

8世紀に盛んに行われるも、その後オワコン化てしまいました。

記録が少なく、わからないことだらけ。

今では“幻の芸能”と呼ばれています。

そんな伎楽で使われていたお面が、伎楽面。

 

 

 

能面や神楽面と似ているようですが、

もっとも大きな違いは、頭にすっぽりかぶるタイプであること。

 

 

 

初期の伎楽面はクスノキ製で、

最大のものは1.5キロにもなるのだとか。

重すぎて踊りにくかったのでしょう。

時代が経ると、より軽い素材になっていきます。

そして、その後、能面や神楽面のように、

顔の前面だけを覆うスタイルに変化したのでしょう。

 

なお、現存する伎楽面は世界的にも少なく、

国宝に指定された法隆寺伝来のもの以外では、

正倉院や東大寺に伝わるものくらいしか無いのだそう。

その中でも最も古い7世紀飛鳥時代の作とされるのが、

国宝の31面の伎楽面のうちの「酔胡従」や「呉女」なのです。

 

 

 

なお、トーハクのコレクションには、

これで計90件の国宝が含まれることになりますが、

彫刻のジャンルでの国宝は、この伎楽面が唯一とのこと。

これからトーハクが猛プッシュする可能性が大です。

本格的にブレイクする前に、推しを見つけておきたいところです。

個人的に推したいのは、こちらの「酔胡王」。

 

 

 

なんとなく、南海キャンディーズの山里さんに似ていました。

しずちゃん。それ、どこの国の伎楽だい?

・・・・・とか言ってそうです。

 

なお、国宝の伎楽面の中には、

なだぎ武みたいな顔のものものありました。

 

 

 

今、伎楽を踊っているぞ。
間違いなく伎楽を踊っている。
よ~し、右に周った~。
無事に周ることができた。
そして、無事に真正面に戻ることができた。

・・・・・とか言ってそうです。

 

 

ちなみに。

トーハクといえば、3月16日まで、

平成館で開催されていた特別展“旧嵯峨御所 大覚寺”では、

《後宇多天皇宸翰御手印遺告》(ジャンル:古文書)をゲットしています。

というわけで・・・・

 

今現在の国宝ハンティング数 1061/1148(1144改め)

 

 



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