手塚治虫「火の鳥」展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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2023年、六本木ヒルズ森タワー52階にある東京シティビューでは、

手塚治虫の『ブラック・ジャック』をテーマにした展覧会が開催されました。

あれから2年―

現在、同会場では、手塚治虫の最高傑作と名高い、

『火の鳥』をテーマにした“手塚治虫「火の鳥」展”が開催されています。

 

 

 

今でこそ一人のマンガ家に焦点を当てた展覧会は珍しくないですが、

1作品のマンガだけで展覧会が開催されるのは、かなり異例のことです。

しかも、『ブラック・ジャック』に続いて、2作品目。

さすがは「マンガの神様」です。

 

ちなみに、展覧会の正式名は、

“手塚治虫『火の鳥』展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡=宇宙生命の象徴-”。

ドン・キホーテのPB商品名ばりに長い展覧会名です。

サブタイトルの中にある「動的平衡」とは、

生物学者の福岡伸一さんが提唱している概念。

「動的平衡」についての説明は門外漢なので、割愛しますが。

本展は、福岡さんが企画監修を務めるもので、

「動的平衡」の視点から『火の鳥』を読み解く内容となっています。

 

会場に入るとまず目に飛び込んでくるのが、

プロローグとなる「火の鳥 輪廻シアター」です。

 

会場風景より © Tezuka Productions

 

 

東京の眺望を背景に、『火の鳥』の名シーンが、

複数のモニターや床面にびっしりと紹介されています。

なお、中央のメインモニターに映し出されているのは、

“動的平衡=宇宙生命として輪廻転生を繰り返す火の鳥の飛翔を、

無限の光の粒子の流れとして表現したコンセプトムービー”とのこと。

自分が訪れたのは日中でしたが、

夜景をバックにしたほうが、火の鳥感をより感じられたことでしょう。

 

・・・・・と、それっぽい感想を抱いてはみたものの、

ぶっちゃけ、これまで一度も『火の鳥』を読んだことはなし。

もちろんその存在は知っていましたが、

いつ頃描かれていたのか、どんな内容なのか、

そもそも、主人公が誰なのかさえも知りません。。。

 

そんな自分みたいな人でも本展を楽しめるように、

本展の第1章にあたる「生命のセンス・オブ・ワンダー」では、

『火の鳥』の基本についてちゃんと解説されていました。

 

『火の鳥』が誕生したのは、昭和29年のこと。

学童社の『漫画少年』で「黎明編」の連載がスタートしました。

学童社が倒産すると、『少女クラブ』や『COM』へと掲載誌を変更。

 

「COM」創刊号 表紙 ©Tezuka Productions
 

 

最終的に、1988年に手塚治虫が亡くなるまで、

足かけ35年にわたって連載が続けられたそうです。

紀元前から西暦3000年までの壮大な年月を、

「黎明編」や「未来編」など全12編で描く『火の鳥』』

その壮大で複雑な物語は、未読で理解するのはほぼ無理ゲーゆえ、

本展では、『火の鳥』の世界を年表にしたものも用意されていました。

 

会場風景より © Tezuka Productions

 

 

さて、本展の目玉はなんといっても、

手塚治虫直筆の『火の鳥』の原画の数々です。

 

『火の鳥』ヤマト編 ©Tezuka Productions

 

『火の鳥』未来編 ©Tezuka Productions

 

 

その数、実に約400点!

それらを各編ごとにまとめて展示。

あまりに膨大な量のため、壁だけでなく、

床面に展示していたのが何よりも印象的でした。

 

 

 

なお、原画だけでもボリューミーで充実感がありましたが、

本展ではさらに、編ごとに福岡さんによる深読み解説が用意されています。

 

 

 

これらの解説がどれも目からウロコで、

『火の鳥』の魅力がさらに深まりました。

実際は『火の鳥』を読んだことないのですが、

本展のおかげで、3周くらい読んだ感覚になっています。

星

 

 

ちなみに。

手塚治虫の死により、未完に終わった『火の鳥』。

一体どのように終わらせるつもりだったのでしょうか?

本展のラストでは、その最大の謎について、

福岡さんの名解説、名推理が繰り広げられます。

答えが知りたい方は是非、会場へ!

 

 

 ┃会期:2025年3月7日(金)~5月25日(日)

 ┃会場:東京シティビュー

 ┃https://hinotori-ex.roppongihills.com/

 

 

 


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