坂本龍一|音を視る 時を聴く | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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2023年3月に惜しまれつつ、

この世を去った「世界のサカモト」こと坂本龍一さん。

そんな彼の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、

日本では初となる最大規模の個展が現在、東京都現代美術館で開催されています。

その名も、“坂本龍一|音を視る 時を聴く”です。

 

 

 

実は、坂本さんは生前、都現美での個展を構想していたそうで。

本展はその構想を軸にしたもので、未発表作を含む、

10点あまりのサウンド・インスタレーション作品で展開されています。

なお、本展で展示されている作品のうちの半数が、

「ダムタイプ」のメンバーの一人、高谷史郎さんとのコラボレーション作。

それらの中には、“AMBIENT KYOTO 2023”の出展作、

《async–immersion 2023》を本展用にブラッシュアップしたものや、

 

 

 

笙奏者の宮田まゆみさんや舞踊家の田中泯さんも参加した新作《TIME TIME》も。

 

 

 

さらには、数ある2人のコラボ作品の中でも、

とりわけ代表的な《LIFE–fluid, invisible, inaudible…》も展示されています。

 

 

 

約20mの高さを誇る都現美の吹き抜け空間。

そこに浮かんでいたのは、全部で9つのアクリルボックスです。

それぞれボックスの中には、水が張られており、

その水面からは霧のようなものが発生していました。

 

 

 

音楽に合わせて、照明も変化。

 

 

 

変り続ける霧の動きは、まるで踊りのよう。

坂本龍一さんの音楽と相まって、

舞台やショーを観ているかのような気分になりました。

なお、アクリルボックスも幻想的な光景でしたが。

 

 

 

床に映し出された水面の様子もまた同じくらいに幻想的。

このコラボ作品が観られただけでも、

十分にこの展覧会を訪れた甲斐がありました。

 

また、もう一つ印象的だった2人のコラボ作品が、《water state 1》

2021年に開催された音楽とアートのフェスティバル、

「隅田川怒涛」で事前予約制で公開され、話題となった作品です。

 

 

 

空間の真ん中に設置されているのは、水面が張られたテーブルのようなもの。

その上を見上げてみると、何やら謎の装置があります。

 

 

 

こちらは、山口情報芸術センターの「YCAM InterLab」が開発した装置とのこと。

水滴をコンピューターで制御し、自在に落下させることができるのだとか。

気象衛星の画像から抽出した地球上の降雨データをもとに、

この装置から雨を降らせ、それに合わせて音も変化するという作品です。

 

 

 

音楽を作る=曲を作るものだと思っていましたが。

坂本さんは、もはや曲に飽き足らず、音そのものを作っていたのですね。

普通の音楽家の一歩も二歩も先を進んでいたことに、改めて気づかされました。

今やスマホやパソコンで簡単にネット上で音楽が聴ける時代。

しかし、坂本龍一さんが作ったこの音を聴くには、

東京都現代美術館の現地を訪れるしかありませんよ。

星

 

 

ちなみに。

本展では他にも、カールステン・ニコライとのコラボ作品や、

ピアノ演奏する坂本さん本人の映像を使用した岩井俊雄さんの作品も。

 

 

 

《water state 1》以外は、暗い空間に、

映像などが浮かび上がるタイプの作品だったので。

 

 

 

一瞬、暗がりの向こうに浮かんだ空間も、

誰かしらとのコラボレーション作品なのかと思ってしまいました。

(ただの消火栓でした)

 

 

 

 

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