千葉市美術館では先日まで、2人組アーティストユニット、
Nerhol(ネルホル)による大規模な個展が開催されていましたが。
決して狙ったわけではないそうですが、
続いて現在開催中の展覧会もまた、2人組アーティストユニットによる個展。
2009年に結成されたザ・キャビンカンパニーは、
阿部健太朗さんと吉岡紗希さんのご夫婦によるアーティストユニット。
お二人の活動は多岐にわたりますが、
中でも絵本作家としての活動が知られており、
すでに40冊以上の作品を発表しています。
なお、『だいおういかのいかたろう』で日本絵本賞読者賞を獲得、
昨年には『ゆうやけにとけてゆく』で2つの絵本賞をWで受賞するなど、
今もっとも注目を集める絵本作家の1人(組)と言っても過言ではありません。
本展ではもちろん、お二人の代表的な絵本の原画の数々が紹介されています。
とりわけ圧巻なのが、実際の絵本の原画をフレームに入れ、
壁一面を埋め尽くした《玉虫色の窓》というインスタレーション作品。
絵本の原画展というと、なんとなく全体的に、
ほっこりと穏やかな気分になるイメージがありましたが。
本展に関しては、いい意味でそのイメージが裏切られます。
ほっこりどころか、その物量に圧倒されてしまいました。
また、物量に加えて、絵のテイストそのものも圧が強いため、
この空間が目に飛び込んできた瞬間、ちょっと恐怖すら覚えたほどです(笑)。
なお、本展ではこれ以外にも、お二人による、
さまざまなインスタレーション作品が用意されています。
例えば、影絵をモチーフにした映像インスタレーション《オボロ屋敷》。
また例えば、お二人がアトリエとして使用している、
湯布院の廃校となった小学校の備品とのコラボ作《廃校のコラージュ》。
極めつけは、一室まるまる使ったインスタレーション作品《アノコロの国》です。
段ボール製の大小さまざまな作品約2000個で構成されています。
足元にある初期の草間彌生作品みたいなの(?)は、
黄金色の草原をイメージして制作されたものだそうです。
さてさて、本展では他にも、ザ・キャビンカンパニーが、
さまざまなお相手とコラボして生まれた作品も数多く紹介。
それらの中には、こどもの読書週間ポスターや、
コープおおいたの情報誌『おさんぽコープ』の連載、
『おかあさんといっしょ』の大人気コーナー「しりたガエルのけけちゃま」も。
意外なところでは、あいみょんの2021年の弾き語りツアー、
『傷と悪魔と恋をした!』のパンフレットも原画と併せて紹介されていました。
結成15年目にして、この仕事量の多さ&多彩さ。
ザ・キャビンカンパニーの20年、30年目が、
どうなっていくのか気になって仕方ありません。

ちなみに。
展覧会のクライマックスを飾るのは、
本展のタイトルにもなっている《童堂賛歌》。
本展のために制作された新作で高さ3m、全長14mに及ぶ超大作です。
千葉市美術館のこの場所で制作されたわけではないそうですが、
作品の下に目をやると、まるで描き終わったばかりであるかのように、
ペンキが床へと流れ、カラフルな塊となって落ちていました。
なお、《童堂賛歌》を描いた際にできたこれらのペンキの塊は、
その一部が欠片として、本展の図録にランダムに同封されています。
欠片付きは、初版限定4000部のみ。
正直なところ、会場で目にした時は、、
ただのペンキの塊にしか思えませんでしたが(笑)
こうして自分のものになってみると、
不思議なことに、欠片が愛おしく思えます。



















