先日は表参道のGYRE GALLERYに行ってきました。
こちらでは現在、“ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展”が開催されています。
本展の主役はもちろん、この人↓
ドイツが生んだ伝説的アーティスト、ヨーゼフ・ボイスです。
戦後の美術界において最も重要な存在の1人で、
「人は誰もが芸術家である」という言葉を残したことでも知られています。
特にイケメンというわけではないですが、
そのカリスマ性は高く、熱狂的ファンに神格化されているほど。
改めて、そのお顔をよく見てみると、
昔の長渕剛にどことなく似ている気がします。
なるほど。こういう顔立ちが、カリスマ性を生みやすいのですね。
さて、展覧会の冒頭に展示されていたのは、
ボイスの代表作の一つである《カプリバッテリー》。
黄色く着色した電球とレモンをソケットで結合したものです。
いわゆるレモン電池があるように、
レモンには電気を通す性質があります。
ならば、電球にも光は灯るはず。
でも、表面を黄色く塗っているので、見えんけど。
知らんけど・・・とでも言うような、どこか人を食った作品です。
本展には、こちらの作品以外にも、
カスヤの森現代美術館が所蔵する作品の中から、
ボイスに関するアイテムを「ヴィトリーヌ」スタイルで紹介しています。
ヴィトリーヌとはガラスケースの意。
いうなれば、ガラス標本箱のように展示されていました。
・・・・・と、これだけなら、ただのボイス展ですが、
今回の展覧会は、“ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展”。
ボイスと日本の現代作家がダイアローグする形式の展覧会です。
「いまなぜヨーゼフ・ボイスなのか?」
そんな問いかけに対し、
6人の現代作家が作品を通じて答えます。

例えば、磯谷博史さん。
彼は、《花と蜂、透過する履歴》という作品を出品しています。
ねっとりとしたような光を放つ美しいオブジェ。
その正体は、集魚灯の中に100㎏近くの蜂蜜を入れたものです。
スケール感こそ違いますが、どことなく、
《カプリバッテリー》と通じるものがありました。
また例えば、AKI INOMATAさん。
本展には彼女の代表作にして出世作でもある、
《犬の毛を私がまとい、私の髪が犬をまとう》が出展されていました。
こちらは、INOMATAさんの髪の毛と、彼女の愛犬の毛を、
長年に渡って集めてケープを作り、お互いが着用するというもの。
アイディアとしてはシンプルなのですが、
種族を越えた友情を感じたといいましょうか。
不思議な感動がありました(犬はただやらされただけでしょうがw)。
なお、ボイスも生前、動物と伝説的なパフォーマンスを行っています。
その名も、《私はアメリカが好き、アメリカも私が好き》。
ドイツからアメリカにやってきたボイスは、
空港から直で救急車に乗ってとあるギャラリーへ。
その中で、アメリカの野生を象徴するコヨーテと1週間生活しました。
そして、それが終わるやいなや、ドイツへと戻ったのです。
・・・・・それはアートなのか??
『いきなり!黄金伝説。』と大差が無いような。
他にも、電車のシートを展示室に再現した、
武田萌花さんによるインスタレーション《Day Tripper》や、
カスヤの森現代美術館の創設者で、ボイスと深い交流のあった現代美術家、
若江漢字さんが、ベックリンの《死の島》から着想を得た新作《時の光の下にⅡ》、
ボイスが生前一度だけ来日した際に、
写真家の畠山直哉さんが撮影した彼のポートレイト、
《ヨーゼフ・ボイス イン トーキョー 1984》などが紹介されていましたが。
個人的にもっとも印象に残っているのは、
画家の加茂昂さんによる2点の最新作です。
加茂さんは、2011年の東日本大震災以降、
自分が絵を描くことで、社会に対して何ができるかを考えるようになったそうで。
以来、福島を何度も取材し、作品を制作し続けています。
本作は、除染が終わったばかりの帰還困難区域を描いたものなのとのこと。
離れて観ても十分に、その表面のテクスチャーが変わっていることに気が付きます。
可能な限り近づいてみると、このように一部がボコボコしていました。
キャプションによると、堆肥顔料で描かれているようです。
・・・・・堆肥顔料?
初めて目にする画材なので、調べてみることに。
すると、その正体が判明しました。
“加茂自らの排泄物を分解させたもの”とのこと。
可能な限り、近づいちゃったじゃねーか!!













