この夏、皇居三の丸尚蔵館では“いきもの賞玩”が開催中。
同館のコレクションの中から、“いきもの”をモチーフとした、
あるいは、“いきもの”が描かれた作品を紹介する展覧会です。
展覧会は全3部で構成されています。
まず第1部の「詠む・描く」で紹介されていたのは、
“いきもの”が詠まれた和歌や、“いきもの”が描かれた絵画の数々。
それらの中には、皇居三の丸尚蔵館が誇る国宝、
伊藤若冲の《動植綵絵》のうち《芦鵞図》も含まれていました。
ガチョウが1羽だけ描かれたシンプルな絵だけに、
全30幅《動植綵絵》の中では、かなり地味な印象がありましたが。
(1点しかなかったので、)改めてじっくり観てみたところ・・・・・
裏彩色も施されており、羽根の表現がハンパなかったです!
全然、地味な絵ではありませんでした。


なお、第1部の冒頭では、平安時代の書の名品、
伝 源俊房の《七徳舞(白氏文集巻第三断簡)》が展示されています。
パッと見、どこにも“いきもの”が描かれていないようですが、
その隣に、この書を収納するための漆箱も併せて展示されていました。
なるほど。鳳凰が2羽描かれていますね。
でも、これだけではなく!
実は、書が書かれた絹地自体にも・・・・・
鳥や蝶が描かれていました。
“いきもの”をテーマにした本展でなかったら、気づけなかったはず。
そういう意味でも、“いきもの”というフック、
取っ掛かりがあることで、美術鑑賞がグッと気楽になった気がします。
さて、続く第2部は「かたどる・あしらう」。
“いきもの”をモチーフに取り入れた工芸品の数々が紹介されていました。
中でも特に印象に残っているのが、
象牙製の《羽箒に仔犬》という彫刻作品です。
とても象牙で出来ているとは思えないほどのモフモフ感。
そして、羽箒のフワフワ感。
なお、そのお顔はどことな~く、
細かすぎる実況解説でお馴染みの増田明美さんに似ていました。
印象的だったといえば、こちらの衝立も。
昭和9年に作られた《磁石応用四季草虫図衝立》です。
合金製のカタツムリやテントウムシが、
磁石で取り付けられており、自由に動かすことができたそう。
おそらく、こちらが作られた頃はまだ、
日本にそこまで冷蔵庫が普及していなかったでしょうから、
冷蔵庫にマグネットを付けるという文化は浸透していなかったはず。
当時は、こういったものでマグネット欲(?)を満たしていたのかもしれませんね。
それから、個人的にどうしても気になってしまったのが、こちらの工芸品です。
川本栄次郎による《鯉置物》。
立身出世を意味する「登竜門」の語源にもなった、
急流の滝を登る鯉をモチーフとした陶製の置物です。
この工芸品を誰がどういうつもりで、皇室に贈ったのでしょうか??
もうこれ以上、立身出世しようがないのに。
さてさて、展覧会のラストを飾るのは、「いろいろな国から」。
公務を通して、さまざまな国と交流がある皇室。
そうした中で、各国から伝統工芸品や、
その国を代表する作家から美術品が贈られることがあります。
それらの中から、“いきもの”をモチーフにしたものが紹介されていました。
もちろん素敵なものもたくさんありましたが。
もし、自分がもらったとしたら、
ファーストリアクションに困ってしまいそうなものも、少々ありました。
その筆頭が、こちらのカトラリーセット。
シルバー製で、造形力も素晴らしいのですが。
トカゲ型って・・・。
テーブルの上には、なるべく爬虫類を置きたくないところです。
(注:個人の感想です)


















