かなり狭いスペースながら、
貴重なアンティークカメラやフジフイルムの歴代カメラが、
みっちりと展示されている密度の濃ゆ~い博物館です。
そんな写真歴史博物館の中のささやかなスペースで、
たった15枚の写真が展示されているだけの “ユーサフ・カーシュ作品展” という写真展が開催中です。
これまで観てきた、どんな展覧会よりも、ささやかな規模ながら、
これまで観てきた、どんな展覧会にも、負けずとも劣らない感動を得た展覧会でした。


実に素晴らしく濃密な時間を過ごさせて頂きました。
しかも、無料。
さてさて、恥ずかしながら、この写真展を見るまで、
ユーサフ・カーシュという写真家のことは、存じ上げませんでした。
ユーサフ・カーシュ (1908-2002)
トルコ生まれのカナダの写真家で、
「カーシュに撮られることが世界のセレブリティであることの証である」
とまで言われた肖像写真家です。
彼の出世作にして代表作となるのが、
1941年に、 『ライフ』 誌の表紙を飾ったこちらの一枚↓

©Estate of Yousuf Karsh
当時のイギリスの首相ウィンストン・チャーチルの肖像です。
めっちゃニラんでます (笑)
もちろん僕は、チャーチル本人と面識はありませんが、
この写真から、どんな感じの人間がわかってしまったような気がします。
今回の展覧会では、このチャーチルの写真を筆頭に、
肖像写真の名手ユーサフ・カーシュのベストof肖像写真15点が展示されています。
パブロ・ピカソに、モハメド・アリに、
アルベルト・アインシュタインに、ヘレン・ケラーに…etc
ベストof肖像写真だけあって、被写体も超豪華。
15点だけで十分お腹いっぱいになるのも当然という感じでしょう。
本当に、どれもこれも素晴らしかったのですが。
僕の中でのベストof “ベストof肖像写真” は、
スペインの天才チェリストパブロ・カザルスを撮影した一枚。

©Estate of Yousuf Karsh
この写真に関しては、こんなエピソードが添えられていました。
何年も後の話だが、この写真がボストン美術館で展示されると、毎日やって来てはこの写真の前に立ち尽くして時を過ごす年配の紳士がいたらしい。「なぜ、あなたは来る日も来る日も、この写真の前に立ち続けるのですか?」、好奇心を抑えられなくなったある学芸員が、思い切って尋ねてみると、彼はきつい目をして叱りつけたそうだ。「しっ、お若いの、静かに。わからんかね?私は音楽を聴いているのだよ」。
確かに、この写真の前に立ち尽くしていた時、
僕にも、音楽が聞えてきたような気がしました。
・・・気のせい?
©Estate of Yousuf Karsh
もう1点挙げるとすれば、マルク・シャガールの肖像です。

「あ~、わかるわかる!シャガールって、こんな感じ!」
会ったことはないですが、妙に納得のいく一枚でした。
・・・てか、どことなく、楳図かずおっぽくもあります (笑)
肖像写真に、こんなにもストレートに人間性が出るものなのだとは。
改めて、写真というアートの深さの一部を知った気がします。
僕は、自他共に認める写真映りが悪い人間なのですが、
これまでカメラのせいにしていましたが、きっと人間性に問題があるのでしょうね。。。
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