百花繚乱―桜・牡丹・菊・椿― | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

現在、山種美術館では、四季折々の “花” が描かれた名画たちが咲き乱れております。

“百花繚乱―桜・牡丹・菊・椿―”

6月5日までです。会期は、あと僅か。

花の命は短いのです。


今の新生・山種美術館になる前、九段下に山種美術館があった頃は、

近くに桜の名所・千鳥が淵があることから、 “桜” をテーマにした美術展を毎年行っていたそうですが。

(2年前の桜さくらサクラ展

今回の百花繚乱展は、


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-醍醐



《醍醐》 を筆頭に、山種コレクションが誇る桜の名画だけでなく

牡丹や菊、椿などなど、様々な花を愛でることが出来るのが特徴です。

より会場が、色鮮やかな印象でした。

星星

花より団子な方も、たまには団子よりも花を楽しみましょう。



さてさて、美術展の会場には、

小さい花や大きい花、一つとして同じものはなかったわけで。

どの花も特別なOnly Oneだったのですが。

どうしてこうも比べたがる僕は、

会場の中でどの絵が一番か、つい探してしまいました。


その候補をいくつかご紹介しましょう。

第二展示室にて、牡丹の絵の小特集があったのですが、

そこでダントツに心を奪われたのが、福田平八郎の 《牡丹》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-牡丹



裏彩色の技法を使われているため、

どことなく幻想的な世界感が漂っていました。

この世の風景ではないような。

もし僕が生死を彷徨うようなことがあれば、

きっとこの牡丹が咲き誇る世界に辿りつけるはず。



もう一枚、福田平八郎の作品を。

《芥子花》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-芥子花



先ほどと同じ画家が描いたとは思えない、

なんともデザインチックな芥子の花の一枚。

僕が福田平八郎と聞いてイメージするのは、先ほどではなく、こちらのタッチ。

こののほほんとした画風の方が好きです。



続いての一番の候補は、これからの時期にピッタリの花の絵。

山口蓬春の 《梅雨晴》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-梅雨晴



この絵に関しては、どこがどういいかを説明する必要はありますまい。

王道の美しさ。



他の日本画とは一線を画しているところが、一番の候補?

西田俊英さんの 《華鬘》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-華鬘



スノードームのような空間 (?) の中に、

ヒマワリやユリなど様々な花や小物が閉じ込められています。

どこか寂しいような、

それでいて、懐かしくて胸の奥が温かくなるような、不思議な世界観を持った作品です。

ジョゼフ・コーネルの箱のアートを彷彿とさせました。



ただ、散々悩みましたが、

今回の一番の作品は、こちらでしょう。

速水御舟の 《桃花》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-桃花



この画像では、本物の持つスゴみの10%も伝わらないでしょう。

あしからず。

小さいし、派手さもない作品ながら、

他のどの絵よりも、そこに花が実際にある感じがしました。

この絵の中に手を入れれば、

桃の花を摘み取ることが出来るような気さえしました。

もはや、トロンプ・ルイユ (=騙し絵) の域の作品。

速水御舟の卓越した腕が光っていた一枚です。





ランキングで1位が取りた・・・言わぬが花です。
Blogランキングへ   にほんブログ村 美術ブログへ