ハンブルク浮世絵コレクション展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

ドイツ有数の博物館・ハンブルク美術工芸博物館。

ここには知る人ぞ知る、世界有数の浮世絵コレクションがあります。

その数、実に5000点 (!) 以上。

日本の美術館よりも所蔵数が多いと言っても過言ではありません。


その大勢のハンブルク浮世絵コレクションの中から、

AKB48ばりに選抜された200点のメンバーが、日本に里帰り。

“ハンブルク浮世絵コレクション展” にて、お披露目されています。

この後は、福岡市美術館、相国寺承天閣美術館と巡回しますが、

11月28日までは、東京の太田記念美術館にて開催。



歌川広重の 《浅草田圃酉の町詣 ( 『名所江戸百景』 より) 》 や、


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《浅草田圃酉の町詣 ( 『名所江戸百景』 より) 》



葛飾北斎の 《百物語 さらやしき》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-百物語 さらやしき  © MKG Hamburg



…をはじめ、写楽・国芳・春信など、

人気の浮世絵師の作品が多数展示されています。


これだけでも、必見の浮世絵展であることは間違いなしですが。

今回の浮世絵展は、さらなる浮世絵の世界が垣間見える、よりディープな浮世絵展。

浮世絵ファンは、特に必見のプログラムです。



今回紹介されているコレクションの中核を担っているのが、

ハンブルクのコレクター、ゲルハルト・シャック氏の浮世絵コレクション。


と、このシャック氏。

なかなかに癖のある人物。

彼はその生涯をほぼ自宅で過ごし、 (←ヒッキーです)

浮世絵のコレクションと研究だけをして人生を終えたのだとか (←ニートです)

何でも、外に出る必要がなかったことから、

持っていたジャケットは、たったの2着だけだったという逸話があるほど。


そんな男が集めた浮世絵のコレクションが、

オーソドックスなものであるわけがありません!

そのコレクションは、一言でいうと、マニアック。

浮世絵専門の学芸員さんをもってしても、


「どうして、そんなのを集めた?」


と、驚愕をせざるを得ないほどなのだとか。



例えば、こちら↓


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-冨嶽三十六景 東都駿台  © MKG Hamburg



モノクロの世界のようなカッコイイ浮世絵…と思ったら、これは校合摺と呼ばれるもの。

僕も初めて耳にした校合摺という言葉。

それは何かといいますと・・・


 1.浮世絵師は絵を描いたあと、その絵を彫師に渡します。

 2.彫師は、その絵を版木に貼り付け、正確に彫りあげたのち、一旦、墨一色で摺ります。

 3.その摺り上がったものを基に、浮世絵師は色を指定していきます。


と、この墨一色で摺り上げられたものが、校合摺

今で言う、アニメの絵コンテのようなものでしょうか。


ちなみに、上の浮世絵に色が入ると、こんな感じに↓


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-冨嶽三十六景 東都駿台元



そんな珍しい校合摺だけでなく、

ほぼ完成に近い下書きである版下絵も展示されています。

シャックさんのオタク魂が爆発しているマニアックな珍品は、一見の価値アリです。



また今回の見ものの一つに摺物というものがあります。

この摺物もまた初耳の単語。

これは、一般大衆向けに作られた浮世絵 (←いつも見てるヤツ) とは違い、

個人的な贈り物や宣伝用に作られた浮世絵のこと。

当然、普通の浮世絵と比べて数が作られていないから、希少も希少。

主に、狂歌師が、自作の狂歌を贈答する時に作られたのだとか。

その際、見栄 (おそらく?) で、一流の絵師に絵を依頼したり、

一級の画材を贅沢に使ったり、様々な趣向を凝らすことが多かったそうです。

レアな上に、作品としても超一級品。


今回は、そんな摺物も多数展示されています。

《三十六禽続 猫》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-三十六禽続 猫 © MKG Hamburg



確かに、普通の浮世絵と比べて、発色が良い感じがしました。

紙も、いいものを使っているのがわかります。


ちなみに、摺物は、普通の浮世絵のように長方形でなく、ほぼ正方形なのが特徴です。



浮世絵の名品だけでなく、珍品 (?) も拝めるという守備範囲の広い浮世絵展。

2ツ星です。

星星



では、最後に個人的なオススメ作品を2点ご紹介。


まずは、桜川慈悲成 《七代目市川団十郎の暫》



アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-七代目市川団十郎の暫  © MKG Hamburg


“七代目市川団十郎といえば、蝙蝠”

というくらいに、蝙蝠とは切っても切り離せないお方。

それだけに、目立つくらいに蝙蝠が描かれているわけですが。

これが、可愛すぎるのなんのって。

このままサン○オのキャラクターにしてもいいくらいです。



それから、思わずズッコケたくなる一枚。

北尾重政の肉筆画 《久米仙人と洗濯美人》 です。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-久米仙人と洗濯美人 © MKG Hamburg



こちらは、飛行中の久米仙人が、

洗濯をしている女性の白い脛に見惚れて、落下したという場面

キン肉マンにも、こんなような場面があったような (笑)

考えることは、江戸の人も、ゆでたまごさんも同じなのですね ( ´艸`)





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