9月の3連休の最終日となる先日。
人生で2度目、このブログで取り上げるのは初となる練馬区立美術館へと足を運びました。
池袋から、西武新宿線に乗って向かったのですが、
その車両が、999仕様となっていたことに、軽く衝撃が。。。
最寄り駅である中村橋駅からは徒歩5分ほど。
こちらが、今回お目当ての練馬区立美術館です。
外観は、かなり地味目な美術館。
しかし、ホームページにて…
「エキサイティングな美の世界がお待ちしています」
「今後も美術ファン必見の意欲的な展覧会を矢継ぎ早に開催します」
と、高らかに (?) 宣言しているように、
美術展そのものは、決して地味ではありません。
しかし、別に “矢継ぎ早” に開催しなくても。。。 (笑)
さて、そんなエキサイティングな練馬区立美術館では、
現在、 “稲垣仲静・稔次郎兄弟展” が開催されています。
10月24日まで。
こちらは、京都国立近代美術館からの巡回展。
兄である稲垣仲静は、京都画壇のホープと期待されながら、25歳で亡くなった夭折の天才画家。
そして、弟の稲垣稔次郎は、型絵染 (ステンシルのようなもの) の人間国宝。
この芸術家兄弟にスポットを当てたエキサイティングな美術展なのです。
ちなみに、稔次郎は、ことある毎に、
「兄貴と二人展をしたい。兄貴には負けへんで」
と語っていたのだとか。
何とも兄弟愛を感じるエピソードです。
しかし、稔次郎が亡くなってから、かれこれ50年弱。
今頃になって、ようやくその念願が叶えられることになるとは。
では、早速、会場へ。
まずは、兄・仲静の作品群が紹介されています。
確かに、京都の画壇のホープと期待されていただけあって、
どの絵も、ただ巧いというだけでなく、それ以上にスゴみのようなものを感じました。
まず紹介したいのは、
次回の 『美の巨人たち』 (9/25放送回) で取り上げられる 《猫》
ポスターにも使われている今回の目玉作品です。
猫の絵なのに、ほぼ可愛くはないです (笑)
顔も能面のようだし、ハト胸、いかり肩だし、尻尾は腕に巻き付いているし。。。
可愛くなのに、何故か目は釘づけになってしまう。
そんな妖しげな魅力に満ち溢れていました。
目に焼き付いてしまったせいで、
今夜、この猫が夢に出てきそうで怖いです。
出てこないで下さい。
お次は、9/14~9/20までの限定展示の 《豹》 です。
最終日に観られてラッキーでした。
豹柄の表現が細部まで行き届いていました。
それから、猫のようなしなやかな筋肉の描写。
ここに放り込まれたら一たまりもありません。
日本画の画題の王道である鳥。
それも仲静の手にかかると、妙な怖さと迫力が生まれます。
《三羽の鷺》
足が妙にメカニカルな鷺です。
伸ばしたり曲げたりするたびに、
「シャキーン」 とか 「ピシャーン」 とか音が鳴りそうな。
続いては、さらに怖い鳥の絵。
僕が、今回の出展作品の中で一番印象に残った絵です。
《軍鶏》
何と男前な軍鶏!!
強そうです。というか、このオーラ、強いに決まってます。
「グラップラー刃牙」 や 「北斗の拳」 クラスの強さでしょう。
あまりに強そうでカッコイイので、
誰かに、この軍鶏を主人公にした漫画を書いてほしいものです。
「時は200X年―
地球は核の炎に包まれた。だが、軍鶏は死に絶えてはいなかった。
暴力がすべてを支配する世界となった核戦争後の大地で、一羽の軍鶏が激闘を繰り広げる」
こんなプロットでいかがでしょう??
動物ですら、ここまで怖く描ける (?) 仲静。
そんな彼が、京美人を描くと、エライことになります。
《太夫》
決して美人でないことはないですし、
妖怪やお化けに見えたりするわけでもないのですが・・・。
何か怖いです。。。
岸田劉生が追求した 「デロリとした美」 。
それに通じるモノがあるような。
とりあえず、お願いですから、
あなたも猫同様、僕の夢には出てこないで下さい。
さてさて、ここからは、弟の稔次郎作品を。
“兄が兄だけに、弟もなかなかパンチが効いているんだろうなァ。。。”
と、思いきや。
《野草村落模様着物》 や、
《木綿地型絵染 野草笹匹田模様着物》
などなど。
美しくて、なおかつデザインが斬新な洒脱な着物がたくさん。
自分は男ですが、
“お、ちょっと着てみたい!” と思える作品ばかりでした。
しかも、さらに驚くべきことに気付きました!
それは、図柄のモチーフ。
野草に藁ぶきの家、田んぼ、他にも苔柄の着物なんかもありましたが、
どれもこれも、普通は図柄にしないような美とは対極的なモチーフばかり。
桜や松、梅、菖蒲、鶴や雁など、いくらでも美しい伝統的なモチーフがあるでしょうに。
そうではないモチーフを用いて、
伝統的な着物を越えるような美しい図柄の着物を完成させるという驚異の技。
稔次郎のそのチャレンジ精神に、兄とはまた違ったスゴみを感じました。
大山兄弟の兄でアートテラーの僕が、
自信を持って、この美術展をオススメします。
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ただ、美術展の壁の至る所で、
染みを発見したのには、萎えました。。。
そういうことも差し引いて、2ツ星。
ちなみに、同時開催として、
“一点だけの特別観覧 「初公開!池大雅の水墨山水画」 ” も行われています。
小説家の五味康祐さんの遺品の中から、
半世紀ぶりに発見されたという池大雅作の貴重な水墨画です。
こちらも、この機会に是非♪









