今回紹介する美術展は、
“ベルナール・ビュフェ展 「木を植えた男」 の著者ジャン・ジオノとの出会い” 。
目黒区美術館にて、4月11日まで開催されています。
さて、目黒区美術館。
過去、このblogで、取り上げるたびに、
「目黒区美術館は、とにかくマニアックだ」
ということを、言及してきましたが。。
(前回 → ‘文化’ 資源としての <炭鉱> 展 )
今回は、いたってオーソドックスな感じ。
何せ、ベルナール・ビュフェは、僕が好きな画家の一人。
ビュフェがマニアックならば、
僕自身もまたマニアックだということになってしまいます。
そういう意味でも、オーソドックスな美術展と言えましょう。 (←自分に都合のいい意見)
僕が、ビュフェの作品に、心を惹かれたきっかけは、
数年前に観たこちらの一枚。
《学者犬》
学者なのに犬。
もしくは、犬なのに学者。
何なのでしょう、こいつは (笑) ??
題材もさることながら、
可愛いような、怖いような、独特のタッチと色遣いに、目が釘付けに。
今風の言葉で言うならば、ヤバい (=カッコいい) 一枚です。
この日以来、
“ビュフェをフィーチャーした展示が開催されないものか”
と、心の底で願っていただけに、
今回の展示は、まさに僥倖!
今回の展示を通して、改めて思いましたが、
ビュフェ作品は、やはり、どれもヤバかったです!
ただ。
ビュフェの作品を、 「ヤバいよ、ヤバいよ」 と表現するだけだったら、
アートテラーでなく、出川哲郎ですから (←?) 、
どこがどうカッコ良いのか、ちょっと分析してみました。
まず第一に、直線的な黒く鋭い線。
よくロックな奴を、
“エッジが効いてる” とか、 “とんがってる” と言いますが、
ビュフェの描く線は、まさにそんな感じ。
彼の手にかかると、
静物画もこの通り、とんがってる作品に↓
《パンと皿の静物》
© ADAGP,PARIS & SPDA, Tokyo,2009
かつて、ここまでロックテイストの静物画があったでしょうか。
食卓なのに、安らげる気がしませんし、
パンも、全然美味しそうには見えません。
第二に、無数の引っかき傷のような線。
《化粧する女》
© ADAGP,PARIS & SPDA, Tokyo,2009
画像では、伝わらないですが、
実物には、無数の引っかき傷のような線が描かれています。
ビュフェ自身は、
どんな狙いで、このような線を描いたかはわかりませんが。
僕は、この線は、あえて、絵を汚すために描いたのではないかと推測しています。
そうすることで、退廃的な美を演出しているのではないでしょうか。
例えるならば、普通のデニムに、あえてダメージ加工を施したようなもの。
それから、第三のカッコよさは、ビュフェのサインです。
普通、サインは、絵の中であまり目立たないように描かれているものですが。
ビュフェのサインは、他の画家のサインよりも主張度が高い気がします。
《風景》
© ADAGP,PARIS & SPDA, Tokyo,2009この作品では、まだそこまででないですが、
年を経るにつれ、主張度は高くなっています。
ぜひ、絵よりも、その度合いに注目して頂きたく思います (笑)
主張しすぎにもほどがあります。
もはやサインというよりも、まるでブランドのロゴマークのよう。
STUSSYのロゴにも見えます。
ちなみに、彼のサインは、
名前の後に、制作年も記載されています。
“Bernard Buffet51” や、“Bernard Buffet69” のように。
こんな風に、制作年がわかりやすいのは、
ベルナール・ビュフェか、 『北の国から』 くらいなものです。
さてさて、今回一番感動した絵を、最後にご紹介。
・・・と言っても、画像はありませんが。
その作品のタイトルは、 《赤い鳥》。
241×282cmというビュフェには珍しい大作です。
この作品、その大きさにも、もちろんですが、
コールタールのような黒い線で描かれた赤い鳥と、
その下に横たわるクールな目をした女性との対比に、強烈なインパクトを受けました。
心が震えたとは、まさにこのこと。
2010年暫定一位の感動作品です。
こうした油彩画だけでなく、
《版画集 「純粋の探求」》 (ジャン・ジオノとのコラボレーションの挿画本) も展示されていましたし、
文句なしにビュフェを堪能できる展示でした。
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そうそう。
紙面の関係で、詳しい感想は、割愛しますが、
今回、目黒区美術館では、同時開催として、
“藤田嗣治―東京・ニューヨーク・パリ” も開催中。
同時開催があるなんて、まるでドラえもんの映画のようです。



