第12柱  はじめまして、ヘベです。 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

「私、ヘベ。永遠の16歳。
 青春の女神をしている、ちょっぴりおっちょこちょいな女の子。
 いい加減なところが玉に傷の優しいパパ (=ゼウス) と、
 美人なんだけど、怒るとすっごく怖いママ (=ヘラ) と、仲良く暮らしています。
 皆さん、よろしくお願いしますね。

へーベー
アントニオ・カノーヴァ 《ヘーベー》


 あ、これは私をモデルにした彫刻です。
 私のトレードマークであるお酒の壺も、ちゃんと持ってます。


 ・・・・・違いますっ!
私がお酒を飲むんじゃありませんっ!ぷんぷん!

 

 私は、まだ未成年のか弱き少女。
 お酒は20歳になってから、なのです。

 う~ん?
 でも、確かに、改めて聞かれると、すっごく変よね!
 どうして青春の女神なのに、お酒の壺を持っているのかしら、私?

 あーっ!もしかして…あれかしら?!
 よくパパの友達の神様たちが、オリンポス山で宴会をするんだけど、
 その時、いっつもパパに頼まれて、私がお酌係をしているからかも?
 うん。きっとそうだわ!
 私、こう見えて、お酌には自信があるんです!
 私が注いだお酒は、とっても美味しくなるんですよ♪

 あっ、もしかして、信じてないんですか?
 私、ちょっとしょぼんです。 
 私にお酒を注がれた神様は全員、
 美味しさのあまり、酔いつぶれるまで飲んじゃうんですよ!
 宴会の終わりには、皆さん、へべれけになってますもん。
 
 あ、そうそう。その 『へべれけ』 って言葉。
 私、“ヘベのお酌” を意味するギリシャ語、
 「Hebeerryke:ヘーベーエリュエケ」 から来てるんですよ。
 皆さん、知ってましたか??
 あっ、もしかして、また信じてないんですか?
 私、またまたしょぼんです。

 んー、でも、確かに、何でギリシャ語が、日本で定着したのかしら?
 でもでも、私が注いでいる神のお酒ネクタルが・・・・・

ネクター


 日本人の皆さまが大好きな不二家のネクターの語源になってるじゃないですか!
 ギリシャ語の 「Hebeerryke」 が、
 日本で 『へべれけ』 って言葉になったとしても、ちっとも変じゃないですよ。
 うん。変じゃない変じゃない!

 さ、気を取り直したところで、今日も元気にお酌しに行きましょう♪

 って言いたいところなのですが・・・。
 実は、私。
 先月の宴会で、お酒を運んでいる時に、
 『スッテーーン!!』 って派手に転んじゃったんです。
 お酒の瓶は全部割れちゃうし、
 お酒で服はビチョビチョになっちゃうし、
 転んだ私は、死んだゴキブリみたいな恰好になってるし。
 そんな私の姿を見て、酔っ払った神様たちは大爆笑!

 はわわわわわ。。。

 思い出しただけでも、恥ずかしくて死にそうです。
 もうお嫁に行けません。
 それで、パパは、もう二度と私にお酌をさせないって。
 しょぼーんです。
 で、私の代わりに、お酌係として働くことになったのが、ガニュメデスさん。
 彼って、すっごくイケメンさんなんです。

ガニュメデスの誘拐
ミケランジェロ・ブオナローティ 《ガニュメデスの略奪》


 ガニュメデスさんは、もともとはトロイアの王子だったんですって。
 パパは、その美しい姿に一目惚れ。
 パパったら、女の人でも男の人でも、
 美しい人を見つけたら、ほっておけないんです。

 はぁ~。。。
 そういうところは、私のパパながら、本っ当に情けないです。
 それで、鷲の姿に変身して、
 無理やり人間界から、天界に連れてきたんだそうです。
 これって、誘拐ですよね?!
 あ、でも、ガニュメデスさん、意外と嫌がってないみたい。

ガニュメデスと鷲
ベルテル・トルバルセン 《ガニュメデスとユピテルの鷲》


 嫌な顔一つせず、パパにお酒を注いであげています。
 ガニュメデスさんってば、すっごくイイ人♪
 ・・・・・って、パパはいつまで鷲の姿なのかしら?!

 まぁ、私も、自分がお酌するよりも、
 ガニュメデスさんの姿を見てる方が楽しいし。
 これにて、一件落着。めでたしめでたし。


 ・・・・・のはずだったのですが。
 なぜか、ママが大激怒!
 私の仕事を、ガニュメデスさんが奪ったのが気に入らないのです。

 「あのー、ママ、私はもう何も気にしてないよ」

 って、一応、言ってみたんだけど、
 怒ってる時のママに何を言ってもムダなのです。
 しかも、「あの人、殺しちゃおうかしら」 って、
 ボソッと呟いているのを、私は聞いてしまいました。
 ママ、すっごく怖いよ・・・。

 だから、私は急いでパパのもとへ行って、事情を説明したんです。
 慌てたパパは、ガニュメデスさんを星座に変えて、空に逃がしました。
 ふぅ~、間一髪です。
 人間界から勝手に連れてこられて、
 挙句の果てには、星座にさせられてしまったガニュメデスさん。

 私のせいで、本当にごめんなさい!

 私は、今、空を見上げて、
 あの水瓶座を目にするたびに、罪悪感でいっぱいになります。
 ん?水瓶座のすぐ近くにいるのは・・・あっ、わし座!あっ、パパじゃん!!」




「最後にランキングへのご協力をお願いしますね。
 これを忘れると、私、ママに怒られちゃうんです!」
Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ