ここ最近、毎日のように観シュランガイド2009をお届けしておりますが、
どうぞ、飽きずにお付き合いくださいませ。
今週いっぱいの美術展が、多いのです。はい。
アートテラーとして、会期終了日と戦う日々なのです。
そんなこんなで、今日は、世田谷美術館へ。
“THE ハプスブルグ” と並んで、今年の秋の二大美術展と言われている…
“オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー” を観賞してまいりました。
オルセー美術館と言えば。
ルノワールの 《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》 に、ゴッホの 《自画像》 に、
アングルの 《泉》 に、ミレーの 《落穂拾い》 に、マネの 《草上の昼食》 に…
と、美術ファンでなくても、一度は目にしたことがあろう名画を数多く所蔵している美術館。
特に印象派のコレクションは世界一と言っても過言ではなく、
美術ファンにとっては、それはもう垂涎の的となっている美術館なのです。
“今回は、オルセー美術館から、
一体、何が日本に来たのかしら?”
と、いざ蓋を開けてみれば…
エミール・ガレの 《ゲーム・テーブル》 や、
ラウル・ラルシュの 《シャンデリア》
…など、印象派の作品は一枚もなし。
どうやら、今回のオルセー美術館展では、
印象派のコレクションではなく、アール・ヌーヴォーのコレクションが来日した模様です。
そのことを、ネットで初めて知った時は、
何とな~く軽くダマされた気がしました (笑)
オルセーのコレクションであることは間違いないですし、
僕自身アール・ヌーヴォーの作品も好きなのですが、何となく気分的に…。
『LUNA SEAのあの人が登場!』 と煽られて、
登場したのは、河村隆一ではなく、真矢だった…。
例えるなら、そんな感じです (笑)
さてさて、何度か登場したアール・ヌーヴォーという、この言葉。
今回の美術展の大事なカギとなりますので、ごく簡単に説明しておきましょう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アール・ヌーヴォー
19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパを中心に一世を風靡した装飾様式。
花や植物などの有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせによる従来の様式に囚われない装飾性や、
鉄やガラスといった当時の新素材の利用などが特徴(Wikipediaより)
ちなみに、“アール” は 『芸術』 、 “ヌーボー” は 『新しい』 の意味である。
おそらく、 “グータンヌーボ” の “ヌーボ” も 『新しい』 の意味で使っていると思われる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
まぁ、難しいことはさておき、
直線的でなく、曲線的な装飾が大きな特徴だということ。
しかも、植物がモチーフなので、妙な曲線。
先ほど画像で紹介したテーブルやシャンデリアにも、妙な曲線が見られます。
今回の美術展では、
そんなアール・ヌーヴォーの名品が、約150点ほど紹介されています。
しかも、それらは、
オルセー美術館が誇るアール・ヌーヴォー・コレクションの中から選りすぐられたものばかり。
印象派の絵画が無くたって、
それはそれは、十分スゴい美術展なのでした。
ではでは、ここからは、
今回のオススメ作品をご紹介しましょう!
印象派の絵画が無くたって、オススメはあるのです (←いい加減、しつこい!)
まずは、 こちらの 《天井灯》
何となく、藤の花を連想してしまった、
この不思議な美しさを持つ天井灯。
作者は、孤高の天才エクトール・ギマール。
アール・ヌーヴォー期の作家では、
僕の中で、2番目に好きなアーティストです (1番目は後ほど)
彼の代表作は、こちら↓
この変な建造物。
実は、これ、地下鉄への入口。
《メトロ12号線アベス駅入り口》 なのです。
クレイジーと美を共存させるセンスに関しては、
ギマールの右に出るものはいない気がします。
なかなか、美術館でフィーチャーされないギマールですが、
今回の美術展では、展示の1コーナーとなっていました。
上の 《天井灯》 以外にも、
ギマールのイスや鏡、デッサン画なんかもあって、
隠れギマールファンとしては、嬉しい限り。
ただ、HP上の表記がエクトル・ギマーレとなっていて、
隠れギマールファンとしては、何とも微妙な限り (苦笑)
それから、作者の名前は初めて知ったのですが、
その作品にメチャメチャ目を奪われたのが、こちらの扇子↓
ジョルジュ・バスタールの 《扇子 “孔雀” 》 です。
「美術品は、本物を観ないと、その良さが伝わらない」
と、常日頃思っていますが、この作品は、まさにその真骨頂。
この画像ですと、正直言って、全然大したことないですが、
本物のまばゆいばかりの綺麗さと言ったら…もう言葉には出来ません。
こんなにもセンスの光る扇・・・・・
あ、これ以上続けたら、センスのないヤツと思われるので、このくらいに。
もう一つあまり有名でない作家ながら、
目に留まったのがモーリス・ブヴァルの 《インク壺》 。
このモチーフはと言いますと、
水面から姿を現すオフィーリアなのだそうです。
オフィーリアと言えば…
この絵でお馴染みのオフィーリア。
・・・・・・・。
ということは、このインク壺は、
この水に流されていったオフィーリアが蘇り、
その上、睡蓮の花を抱えて、浮上しているのですね!
何か怖いっす。。。
しかも、花の上をよく見ると、ハエが止まっています。
何か汚いっす。。。
さて、ここまで、いろいろと紹介してきましたが、
今回もっとも心を奪われたのは、美術展の最後に出合ったこちら↓
ミュシャの 《ジスモンダ》 です。
やっぱり、アール・ヌーヴォーと言えば、ミュシャです。
ミュシャの作品が無いアール・ヌーヴォーの美術展なんて、
ただのアール・ヌーヴォーの美術展です。
これ以外にも、 2点のミュシャ作品が。
《サラ・ベルナール主演 『ラ・トスカ』 》 《椿姫》
これらのポスターを観て、
『やっぱりミュシャが好き』
そう、しみじみ実感した今日の美術展でした。
…あれっ?この展開、数日前にも??
“ロートレック・コネクション 愛すべき画家をめぐる物語” と、
全く同じ展開です (笑)。
いやぁ、まさか一週間で2回も 《ジスモンダ》 が観られるとは。
というわけで、ミュシャ好きの方には、こちらの美術展もオススメ。


2つ星。
もちろん、ミュシャがあるからというだけではありません。
サロン、ダイニングルーム、書斎、貴婦人の部屋と、
展覧会場を一つの邸宅に見立てて、
アール・ヌーヴォーの様々な工芸品を紹介するという手法が、良かったというのもあります。
昨日 に引き続き、
会期終了は、今週の日曜までです。
くれぐれも、ご注意を。
こちらのボタンの押し忘れ、それもご注意を(笑)









