美術館に行こう!-ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方- (前編) | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

今回は、北浦和にある埼玉県立近代美術館へ行ってきました。

こちらで、5月17日まで行われているのが、

“美術館に行こう!-ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方-”



アートテラーの僕が、不定期に開催しているイベントは、 “美術展へ行こう!”

一方、こちらは、 “美術展に行こう!”

一文字違いではありますが、


「何か通じるものがあるかもしれない!」


そんな予感があって、

観シュランガイド初となる埼玉県へと足を運んだのです。




ディック・ブルーナ (1927~)


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ブルーナ


彼の名前を、すでにご存じの方もいらっしゃるかとは思いますが、

一応説明しておきますと、オランダを代表するグラフィック・デザイナーです。

とは言え、日本で知られているのは、

おそらく、グラフィック・デザイナーというより、絵本作家としてのブルーナ。

そう、あの大人気キャラの生みの親としての。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ミッフィー

ミッフィーです!

(またの名を、うさこちゃん)


ブルーナは、ミッフィーを主人公にした絵本を、実に数多く発表していますが、

その中の一冊に、こんな絵本があります。



アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-うさこちゃん びじゅつかんへいく

 

 

『うさこちゃん びじゅつかんへいく』

これは、ミッフィーがお父さんとお母さんとともに、

生まれて初めて美術館に行くというお話。



で、この絵本の内容に沿って、

埼玉県立近代美術館のコレクションが紹介されているのが、今回の “美術展へ行こう!” 展。


絵本の中のミッフィーが、リアリズムの作品を観賞すれば、

美術展を観賞している僕らも、リアリズムの作品を鑑賞する。

…といった具合に。


コレクション展というと、どこか退屈なイメージがありますが…。

ミッフィーと一緒に観賞するのですから、

これが、楽しくないわけがありません!



しかも。

一旦、ミッフィーのことは、横に置いておいても。

埼玉県立近代美術館のコレクションそのものが、十分に楽しい作品ばかりでした!

今まで一度も埼玉県立近代美術館に来たことがなかったことが、悔やまれるほどに。




では、いつものように、

いくつか気になった作品をピックアップいたしましょう!



まずは、 「ほんもの そっくり」 というコーナーで出会った作品。

絵本の中のミッフィーは、本物そっくりのリンゴの絵に驚いていましたが、

僕が驚いたのは、本物そっくりのゼリーの絵。

上田薫の 《ジェリーにスプーン C》 です。


これは、ゼリーを、スプーンで一口分すくっている絵。

タイトルそのままですね。

上田薫は、スーパーリアリズム(意味としては、めちゃめちゃリアルな描写) の第一人者。

それだけに、そのリアルさはハンパじゃありません!

ゼリーとスプーンの質感。

さらには、ゼリーとスプーンに映り込む室内の描写までもが、完璧すぎて。

近くで観ても、絵とは思えませんでした。

アホのように口を開けながら、観賞してました(笑)


残念ながら、その画像はありませんでした。

なので、どうぞ想像してみて下さい(笑)


…というのは、さすがに気が引けるので。

展示はされていませんが、参考までに、

上田薫の代表作 《なま玉子》 を、ご紹介しておきましょう。
 
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-なま玉子
  
  

皆様、信じられないかもしれませんが、これは絵です。

卵の殻がリアルな作品は、過去の作品でもありましたが (ダリとかマグリットとか) 。

こんなにも白身がリアルな作品は、

美術史を遡ってみても、一枚もないことでしょう。

このジェル感の見事さと言ったら、ありません。


《ジェリーにスプーン C》 のクオリティも、

もちろんこのレベルに達しています。いや、むしろ超えてるかも。

僕がアホのように口を開けながら、

観賞してしまったというのも、納得して頂けたのではないでしょうか。

 
 
 

続いては、 「いきもの いろいろ」 というコーナーで出会った作品。

ミッフィーは、美術館でクマか何かに出会ったのですが (←もはや記憶があいまい) 、

僕は、埼玉ゆかりの彫刻家・木村直道が生み出したユニークな動物たちに出会いました。

 

恥ずかしながら、

木村直道という彫刻家は、全く聞いたことがありませんでした。

何でも、彼は、 スクラプチャーの第一人者なのだとか。

 

“…ん、スクラプチャー?スクラプちゃ~??”



アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-たむけん


(注:写真は、僕の脳内イメージです)


調べてみたところ、

廃品の 「scrap (スクラップ) 」 と彫刻の 「sculpture (スカルプチャー) 」 をあわせた造語とのこと。

そして、これは、木村直道が自分で命名したものなのだとか。

うん。それは、間違いなく第一人者ですよね…


さて。

スクラプチャーとは、こんな感じの作品↓


《シンバルを叩く男(バックミラー楽団)》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-シンバルを叩く男(バックミラー楽団
 

 

上の作品は展示されていませんが、

今回の美術展では、スクラプチャー動物が12点も展示されています。

 

どれもこれも味があって、楽しいものばかりなのですが、

その中での一番のオススメは、 《ペンギン》


“まさか、あれをペンギンに見立てるとは(笑)!!”


素晴らしいアイディアでした。

これは、必見です。



そして、最後に 「かたちの くみあわせ」 というコーナーでは、

僕の好きなリキテンシュタインの作品に出会いました!

(参考記事:http://ameblo.mom/artony/entry-10196347508.html


《積みわら7》 という作品です。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-積みわら7

 

 

リキテンシュタインお得意のドットで描かれています。

ちなみに、この元ネタは、モネの 《積みわら》

 
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-積みわら
 

 

この名画が、ドット風のスタイルになるだけで、

こんなにも印象が変わってしまうのですね。

いやぁ、何とも楽しいリメイク作品です。



他にも、デュシャンの機械じかけの作品や、

熊谷守一や元永定正の温かくてユーモラスな色使いの作品。

“イスの美術館” の異名を持つ埼玉県立近代美術館らしい、

倉俣史朗作の 《ミス・ブランチ》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ミス・ブランチ
 

 

・・・などなど。

語りたい作品は、まだまだあるのですが、

確実に長くなりますので、この辺りで割愛しておきます。

 

いや、と言いますか。
それでも、これはまだ美術展の第1部のみのレビュー。

美術展は、この後、第2部、第3部へと続いていくのです。。。


 
 

というわけで、観シュランガイド2009初となる後編へ続く→