「自分探し」というのは
不思議なことばです。
今、ここで自分が生きているのは
まぎれもない事実なのに
違う自分を探そうとする。
でも
探そうとする自分も
また、「自分」である。
うーむ。哲学的ですね。
やっぱり人間はおもしろい。
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今回ご紹介する絵本は、こちら。
『わたしとわたし (かがくのとも絵本)』
五味太郎
福音館書店

朝だ!おはよう!
さっと起きてさっと着替えよう!
と思うわたし
いやいや
このままもう少し寝ていたい…
と思う
もう一人のわたし…
「こうしよう」「こうだよね」
と思うわたしと
「いやいや、それは…」
「でも、そんな…」
と思うわたし。
朝起きる場面から始まって
ご飯をたべているとき
お手伝いをしているとき
捨て猫を見つけたとき など
日常の様々な場面において
「わたし」と「もう一人のわたし」が
同時に存在しています。
どの場面を見ても、
思わず「あるある!」と
うなずいたりして。
おもしろいのは
友だちに「公園で遊ぼう」と誘われて
いいね、とは言ったものの
もう一人の私は
「本当は図書館に行きたかった。
でも、ま、いいか」
と思っていたのが
遊んでみたら
「けっこう楽しいね!」と
気持ちが変わっているところ。
そう。
「わたし」は
変化するものなのです。
わたしの中にいる
もう一人のわたしは
どちらかが本当でどちらかが嘘、
という訳ではなく
すべてひっくるめて、「わたし」。
ですから
こんなこと思っちゃダメ!
などと否定するのではなく
「ああ、こういうわたしもいるな」
と、気づいて
受けとめるだけでいい。
このようなテーマを
とてもシンプルに、かつ
読み手に解釈が委ねられる形で
作品になさっている、五味太郎さんが
私は大好きです。
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