2025年の締めくくりに
「五方良し」、すなわち
「作り手良し、売り手良し、買い手良し、社会良し、未来良し」
これらを具体的にことばにしています。
今回は五方良しの二つ目、
「売り手良し」についてです。
*****
「売る」と聞くと、
あなたはどんなイメージを持ちますか。
もしかしたら
「買ってもらわなければいけない」
「数字で結果を出さなくては」
といった、
少し肩に力の入るイメージを
持たれているかもしれません。
ですが、
本来の「売り手良し」は
もっと軽やかで
誇りに満ちたものだと思うのです。
私の大好きな場所の一つに
小さな町の本屋さんがあります。
そこには様々なジャンルの本があり
いくつかのスペースでは
店員さんのおすすめしたい本が
一冊一冊、工夫をこらして
並べられています。
あるとき、店長さんに
「この絵本、素敵ですね」
と声をかけたら
店長さんの目がパッと輝きました。
「そうなの!
私、この本も大好きだし、
この出版社の作品がどれも素敵でね。
絶対に紹介したいと思って
コーナーを作ったの!」
そのとき、私は気づきました。
店長さんは、単に
「商品を売って利益を得ている」
だけではないのだと。
作り手の情熱を受けとり、
それを必要としている人の元へ届ける
「翻訳者」であり
「橋渡し役」なのだと感じたのです。

自分が扱う商品を
心から大切に思い、
自信をもって誰かに手渡せるとき
売り手の心はとても健やかで
満たされています。
これが「売り手良し」の状態です。
一方で
売り手が無理や安売りを強いられたり
休みなく働き続けて
疲弊したりしていたらどうでしょうか。
疲れた顔をしている店員さんから
商品を受けとるとき、
私たちは「心地よさ」を
感じられるでしょうか。
売り手が、
自分たちの技術や選ぶ目に
プライドを持ち、
心に余裕を持って
正当な報酬をいただく。
そうすることで初めて、
お客様に対するおもてなしや
プラスαの「心の栄養」を
届けることができます。
売り手が笑顔でいられることは
決してわがままではなく
巡り巡って
買い手である私たちの喜びにも
つながっているのです。
「売り手良し」を意識すると
お買い物はもっと楽しくなります。
◆「なぜこれがおススメなんですか」と、
その奥にある想いを聞いてみる
◆よい接客を受けたときに
「ありがとう、助かりました」と
一言添える
◆そのお店が長く続いてほしいから、
適正な価格で喜んで購入する
これらはすべて
売り手の皆さんの「良し」を支える
エネルギーになります。
私たちが何かを購入するとき、
そこには必ず
「届けてくれた人」存在があります。
その人が、自分の仕事に誇りを持ち、
「この仕事をしていてよかった」
と思える瞬間を、
私たちも一緒に作っていけたら
素敵だなあと思っています。
作り手から受けとったバトンを
大切に、そして軽やかに
次の人へ手渡す。
そんな「売り手」の笑顔が
私たちの日々の暮らしを明るくしている。
私は、そう感じています。
今日、訪れたお店やネットショップで
その商品を選び、並べ、届けてくれた
「売り手」のかたの存在を
少しだけ意識してみてください。
もし可能なら
お会計のときに
いつもより少しだけ心をこめて
「ありがとうございます」と
伝えてみませんか。
次回は、バトンを受けとる側、
「買い手良し」について
お話します。
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