韓国映画『プリティ・クレイジー 悪魔が引っ越してきた』、タイトルからして軽いラブコメかと思っていたら、恋愛あり、コメディあり、ファンタジーあり、アクションありの韓国映画らしいサービス精神旺盛な一本でした。
あらすじ
休職中の青年ギルグは、階下に引っ越してきたパン職人のソンジに一目ぼれする。ところが彼女には秘密があった。昼間は優しく穏やかな女性なのに、午前2時になると悪魔が目覚めて別人のようになってしまうのだ。事情を知ったギルグは、ソンジの父から頼まれ、毎晩彼女を見守ることに。こうして昼と夜でまるで別人のようなソンジに振り回される日々が始まる。
オデットとオディール級の振れ幅
昼は清楚で優しいパン職人、夜は悪魔に取り憑かれてやりたい放題。そんな振れ幅の大きいソンジを演じるユナは実に楽しそう。どちらも演じ甲斐のある役柄だし、感情表現の振り切り方が魅力の韓国映画とも相性抜群です。その落差たるや『白鳥の湖』のオデットとオディール級。同じ人物なのにまるで別人を見ているようでした。アイドル出身女優というと綺麗に見せることを優先しがちですが、ユナは変顔も体当たりも全力。ここまで振り切ってくれると見ていて気持ちがいいです。
聞き上手という最強スキル
一方のギルグは、競争社会から少しドロップアウト気味の青年。韓国作品の男性は自己主張が強いタイプが多い印象ですが、彼はむしろ逆。自分を押し出すのではなく、人の話を聞くことができる人物です。だからこそ、誰にも本音を見せられなかったソンジが少しずつ心を開いていく過程に説得力がある。派手さはないけれど、こういうタイプの主人公は意外と貴重かもしれません。
韓国映画らしい全部盛り
韓国映画はジャンルを飛び越えていく作品が多いですが、本作もまさにそんな一本。ラブコメを見ていたと思ったらアクションになり、ファンタジーになり、家族ドラマにもなる。かなり盛りだくさんなのですが、それゆえに退屈しません。「せっかく映画館に来たんだから楽しんで帰ってね」という韓国映画らしいサービス精神を感じました。
今回もまんまとキュンキュン
正直、最初は気軽なラブコメだと思っていました。もちろん笑いどころはたくさんあるのですが、観終わって心に残ったのは「誰かを愛すること」と「誰かに愛されること」の尊さ。かなりベタなテーマではあるのだけれど、だからこそ真っすぐ胸に届くものがあります。頻繁にこういう作品でキュンキュンしている気がしますが、それでもやっぱり良いものは良い。悪魔憑きだろうが何だろうが、誰かが自分を理解しようとしてくれること、そしてそんな相手を大切に思うこと。その当たり前の幸せに、今回もしっかり心を掴まれてしまったのでした。
2025年製作/113分/G/韓国
原題または英題:Pretty Crazy
配給:ギャガ
劇場公開日:2026年6月19日
【スタッフ】
監督:イ・サングン
製作:ペク・ヒョニク
脚本:イ・サングン
撮影:キム・イルヨン
美術:チェ・ギョンスン
衣装:キム・ダジョン
編集:イ・ガンヒ
音楽:イ・ジス
【キャスト】
チョン・ソンジ:イム・ユナ
チョン・ソンジ(少女時代):イ・ヒョビ
ギルグ:アン・ボヒョン
チョン・ジャンス:ソン・ドンイル
チョン・アラ:チュ・ヒョニョン
ヒボム:コ・ゴンハン
ヨンシク:シン・ヒョンス
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