● 「がんばれない」のは寒さのせい。冬の無気力を物理で解き明かす、心の養生。
こんにちは、磯部恵美です。
新しい一年が始まり、寒さが一段と深まる一月の半ば。
なんだか身体が重くて、「がんばれない」と感じることはありませんか。
朝、布団から出るのがつらかったり、やるべきことに手がつかなかったり。
かつてのわたしも、この時期になると毎年のように、どうしてもやる気が出ない自分を「なんてダメなんだろう」と責めてしまうことがありました。
でも、安心してください。
もし今動けないとしても、意思が弱いからでも、怠けているからでもありません。
それは、冬の「寒さ」と「光の少なさ」が引き起こす、身体の物理的な仕組みによるものだったのです。
「動けない」のは、意思ではなく身体の仕組みです
冬になると心が沈みやすくなる理由のひとつに、脳の血流の変化があります。
寒さで血管がぎゅっと収縮すると、脳の司令塔である「前頭葉」への血流が低下しやすくなります。
ここは、意欲や感情をコントロールする場所です。
血のめぐりが滞れば、やる気が起きにくくなるのも無理はありません。
さらに、わたしたちの心を穏やかに保ってくれる「セロトニン」という物質も、冬はどうしても不足しがちになります。
この物質は日光を浴びることでつくられますが、冬は太陽の光が弱く、照らしてくれる時間も短くなります。
それに加えて、貴重なセロトニンは、寒さから身を守るための「体温調節」に優先的に使われてしまいます。
その結果、心に回す分が足りなくなり、不安定になったり、無気力を感じやすくなったりするのです。
実は、WHO(世界保健機関)でも、健康を守るために、冬の室温は「18度以上」に保つことが強く推奨されています。
18度を下回ると、自律神経が乱れ、心身へのリスクが高まる。そのための明確な基準が示されています。
冬が長く、太陽が顔を出す時間が極端に少ない北欧の人たちは、この仕組みをとてもよく理解しています。
朝起きて明るい光を浴びる光療法を取り入れたり、マリメッコやイケアのような、明るい色使いのインテリアを大切にしたり。
それは単なるおしゃれではありません。
物理的に「心のめぐり」を健やかに保つための、きちんと理由のある、知恵としての選択なのです。
自分を責めるのをやめて、まずは「めぐり」を整えることから
わたし自身、この「仕組み」を知ったとき、心の奥がふっと緩んだのを覚えています。
「がんばれないのは、自分のせいじゃなかったんだ」
そう思えただけで、気持ちが少し軽くなり、自分を責めるのをやめることができました。
原因が「物理的な仕組み」だとわかれば、対策も自然と具体的になっていきます。
気合や根性でどうにかしようとするのではなく、まずは冷えて滞った身体を、やさしくゆるめてあげればいい。
それだけのことなのです。
今は無理に動こうとせず、春に向けてエネルギーを蓄えるタイミング。
凍った土の下で、植物が静かに芽吹きの準備をしているように、わたしたちもまずは、内側の土壌を整えることから始めてみましょう。
そのために、むずかしいことは必要ありません。
冷えて固まった「めぐり」の道筋を、ほんの少しだけ、あたたかく、通りやすくしてあげる。
その小さな工夫ひとつで、淀んでいた空気はゆっくりと動き出し、心も身体も、少しずつ軽やかさを取り戻していきます。
あなたの身体がもともと持っている「整う力」を、もう一度、信じてみてもいいかもしれません。
次回の記事では、わたし自身が試行錯誤を重ねる中で辿り着いた、滞りを解いていくための「最短ルート」について、お話しします。
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