午前中の配達を終え会社に戻る。

 東工場長がボクを呼んだ。

 誰彼容易にボクを見つけると、声をかけてくる。

 小柄で地黒な50代の工場長は、熊本の人間だった。

 自然と親近感を持ち、仲良くなった。

 ボクが工場に入ると、初めて見る小柄な3人が立っていた。

 1人は金髪の女性だった。

 工場長はボクに3人を紹介した。

 アダルト、イヴァン、マリア。

 アダルトとイヴァンは日系2世で、ブラジル人のマリアはアダルトの奥さんだった。

 日系といっても、大陸のアジア人みたいな顔の2人。

 ブラジル人といっても、身長155センチもない色白で細いマリア。

 大柄で褐色の肌という印象は、どこにも感じられなかった。

 もっと気になったのは、アダルトとマリアが夫婦だということだった。

 小柄で子供っぽくっ見えるとかではなく、なぜマリアがアダルトを選んだかだった。

 3人とも、ボクより歳上の20代後半。

 歴史の教科書で見たチンギス・ハーンが笑顔でボクに握手を求めてきた。