第四章 生かされるということ~壊死~
三月下旬。
切断部の包帯がほどけてしまった。
私は久しぶりに、その傷口を見ることになった。
そして愕然とした。
開いた部分が、壊死し始めていた。
病院は、そのことを私たちに伝えていなかった。
右足だけじゃない。
切断した側まで。
褥瘡の壊死もかなり進んでいた。
母の意識はしっかりしているのに。
脳はちゃんと働いているのに。
身体だけが、少しずつ死んでいく。
細胞が、どこまでも壊れていく。
こんな残酷なことがあるのだろうか。
いっそ認知症になって、何もわからなくなってほしい。
そう思ってしまう自分がいた。
(19/30)
