①20年越しのリベンジ【NewFace!ひろこの居酒屋奮闘記】
②20年越しのリベンジ【NewFace!ひろこの居酒屋奮闘記】
つづきです。
勤務3日目。
その日は関東に「台風がくるぞ〜!」という日でしたが、特に雨風が強いわけでもなく、なんていうことのない天気の一日になりました。夕方6時以降の外は晴れ。給料日後ということもあり、お客さんがたくさん来るだろうと予測していた私の意に反して、その日は猛烈にヒマな一日となってしまいました。ヒマすぎるので、そこら中をダスターで拭きまくる。おかげで汚かったところがキレイになったのはいいけれど、あまりにヒマなので「大将、私帰りましょうか?」と自ら申告し、30分早く帰宅しました。
勤務4日目。
昨日につづきまたヒマなのか?恐る恐る店に入ると、夕方6時の店内には大将と焼き物担当の男性しかいませんでした。あーあ、またヒマなのかと思ったら、男性の一人客が次々来店し始めました。
スーツ姿の男性たち。彼らはお酒を飲みながら焼き物や小鉢などの料理をつつき、スマホをいじったり店内のテレビを見たり、遠くを見たりしながらおのおのくつろいでいらっしゃいます。一杯か二杯飲んだら帰っちゃうのかなと思いきや、三杯も四杯も飲むんですね。つまみも次々注文。何を考えながら飲んでいるのだろう?そんなことを考えていたら、男性二人組のお客様が来店されました。
カウンターではなくテーブル席にご案内。席に着くなり「生2つ」席にお持ちすると、二人は乾杯をして半分ほど一気にビールを飲み干します。料理のメニューを見る気配がないのでしばらく観察していると、あっという間に一杯目を飲み干し、二杯目を注文されました。仕事帰りでのどが乾いていたのでしょう。美味しそうにジョッキを傾ける姿がほほえましい。思わず私も飲みたくなってしまいました。
二杯目を半分ほど飲んだ後、やっと料理のメニューを手にするお二人。タイミングを見計らって二人に近づき、「ご注文はお決まりですか?」と笑顔で応対。料理の注文を受け、厨房にオーダーを通します。と、大将から「ハラミは塩じゃなくて、ワサビかタレだから聞いてきて」間違えてしまいました。再び席に行き、「お客様、ハラミの味は、ワサビかタレのどちらかになりますが、どちらがよろしいですか?」「じゃ、ワサビで」「はい、わかりました」そう言って厨房に戻りました。
しばらくすると、サラダが出来上がってきました。大将に呼ばれ、「ドレッシングの味、聞いてきて」またまた聞き忘れがあったようです。再度席に行き、お客様にお聞きしました。「お客様、サラダはドレッシングが選べるのですが、和風とシーザーサラダ、どちらがよろしいですか?」ここで片方の男性からこんな言葉をいただきました。「接客がすばらしいね」私は聞き忘れたことをお聞きしただけなのですが、お客様はそう捉えていないようです。「わざわざドレッシングのことを聞きに来てくれた」そう思われたのでしょうか。災い転じて福となす。やはりこの店での勤務は幸先がいいようです。
しばらくすると、手前に座っている男性に呼ばれました。「広島ってお酒があるんだよ」「広島ですか」「赤霧島、ボトルで置いてあるんだよね、広島って名前で」「あ、広島様ですね。お酒は赤霧島。今お持ちします。飲み方はどうされますか?」「水割りセットでいいよ」「わかりました」広島というお酒があるのだと思いましたが、お酒の名前は赤霧島でした。話は全部聞かないとわからないものですね。
赤霧島のボトルを探し、水割りセットを用意。順に席にお持ちして、「こちらに置いてよろしいですか?」質問しながらお酒を配置。最後にあいたお皿を下げようとした時、今度はもう一人の男性からこう言われました。「すごく接客がいいんだけど、今日はどうしたの?」お客様にお会いするのは初めてです。「いつもこうですよ」お互い笑い合って軽口を叩き、お皿を下げて厨房に運びました。
これって褒め言葉?勤務4日目で看板娘決定か⁈
嬉しすぎるので店長に報告しようと思いましたが、「お客様の口から聞く方がいいだろう」と判断し、すんでのところで思い留まりました。
次回の勤務は9月7日水曜日。
あの男性二人がまた来てくれると嬉しいな。でも違うお客様にも同じように言ってもらえる対応をすればいいんですよね。ひろこファンを100人つくる勢いで、次回の勤務に臨みます。