①20年越しのリベンジ【NewFace!ひろこの居酒屋奮闘記】

つづきです。

 

 

 

翌日、土曜日15時。

お店を訪ね、アルバイトの面接を受けました。用紙を渡されたので、住所や氏名、電話番号を記入します。用紙の下半分には「あなたの夢」「なぜここで働きたいと思ったのですか?」というような欄がありました。私はそこに正直に思っていることを書き、店長に直接伝えることもしました。3度目にお店に来た時、あまりに忙しそうなので思わず手伝いたくなってしまったこと、今の仕事はネット上のつながりが多いので、リアルで自分のファンを作る方法を模索したい(看板娘になりたい)こと。店長は神妙な顔で聞いてくれました。

 

 

これは20年前から変わらないことなのですが、私には「面接に落ちる」という考えがありません。面接は「受かるために受けるもの」いつもそのスタンスで臨みます。今回ももちろんそのスタンスでいると、店長の口からこんな言葉が発せられました。「採用不採用というか、ぜひお願いしたいのですが」そのままシフトの相談に話が進んでいきました。

 

 

シフトの相談の時、これまた正直に今の状況を話してみました。「本業のじゃまにならないよう、週2日3時間程度の勤務を考えています。」「用事のない日は出れますので、他のバイトの方がいない日などに私のシフトを入れてもらって構いません」そう話すと、「天使みたいな人ですね」と褒められました。本業が文章コンサルタントであることを話すと、「立派な人だということがわかりました」とも言われました。なかなか面白い店長ですよね。実は私とこの店長、誕生日がいっしょなんです。2月26日。こんな偶然あります?これはもうご縁としか思えません。

 

 

こうして当然のごとく面接に合格し、会う人会う人にこの話をしたら、勤務初日に二人の女友達が来てくれることになりました。「初めてのお客様が自分の友達」という、なんとも稀有な体験をし、店長や他のバイトの女性には「初日から友達を連れてきた人は初めて」と言われました。嬉しいやらなんやら、とにかく楽しい初日を迎えられたことだけは確かです。幸先いいですよね。

 

 

前回も書きましたが、『呑米酒場ありの』には、女性だけで訪れると料理の値段が2割引になる「女性割」という制度があります。来てくれた友達は二人とも女性なのでそのことを伝えると、二人はたいそう喜んでくれました。こんなに喜んでもらえると自分も嬉しくなるものです。次に女性だけのお客様が来たら絶対にこのことを伝えよう、私はそう決心しました。

 

 

なぜそんなことを決心したのかというと、理由は「女性割」のことが店内のどこにも書かれていないからです。女性客がそのことを知るのは、お会計の時だけなのです。それってもったいないと思いませんか?女性は「お得なこと」が大好きですから、先に教えてあげたらテンションが上がっていつもより多く注文すると思うのです。この実験がしたくて、私はじっと女性客が訪れるのを待つのでした。

 

 

勤務2日目、その時は訪れました。

一見して「保険屋さん」と思しき妙齢の女性お二人。ハイボールとビールの注文を受け、お通しとともに席にお持ちしました。その後料理の注文も受け、厨房にオーダーを通します。その時、店長に聞いてみました。「大将、女性だけのお客様がいらしたので、女性割の話を先にしてみてもいいですか?」「いいですよ」許可がおりたので、早速お客様のところへ行きました。

 

 

「失礼します」飲み物をお持ちするタイミングで声をかけ、こう言ってみました。「お客様、女性だけのお客様には、料理の値段が2割引きになる女性割というのがあるんですよ」「え、そうなの?」「じゃあ何か注文しようか」「何がオススメかしら?」いい雰囲気になってきました。「よく出るのは長芋フライですね^^」「そうなの、じゃあそれ!他には?」「ハラミ串は美味しいとよく言われます」「そうなの?じゃあそれも!」おもしろいくらい私の意見が通るんです。やはり女性の「お得なことが好き」な心をくすぐると、売上に貢献できそうです。

 

 

相手に喜んでもらえて、お店の売上も上がる。これは居酒屋だけの話ではないですよね。女性二人の楽しそうな姿を見て、「体感する」ことの大切さも感じました。

 

 

こりゃ、看板娘への道も近いか?

 

 

次回も私の嬉しい体験、お伝えしますね。