【第9地区】
エイリアンというものは勿論見たことはありませんが、映画に出てくるエイリアンはほとんどが手が2本と足が2本あって、人間と一緒じゃないか・・・なんて思ってしまいますが、そうしないと映画を見る人間には親近感が湧かないのだろうなと思って見ています。
余りにも人間の格好からかけ離れると、なんだかバカバカしい気持ちが先にたってしまうからでしょうか。
だからといって手足が2本づつというのも気に入らないことは確かで、ここは妥協すべきところかなと感じたり、地球に住む生物のほとんどが手足2本なのも、考えてみれば不思議でして、この形が生命体としては完璧な構造なのかもしれませんよね。
そのあたりを微妙に隠していたのはシガニーウィーバーの「エイリアン」。
やはり私の好きなエイリアンは「エイリアン」「プレデター」「ET」、トランスフォーマーのエイリアンはロボットだけどこれも結構好きですね。
第9地区のエイリアンは通称「エビ」と呼ばれていて、やはり手足が2本づつ。
しかも攻撃的なエイリアンではなくて、繁殖能力が高い。
巨大な宇宙船が南アフリカの上空で浮いたまま動かなくなり、百万を超えるエイリアンが地上に下ろされて宇宙船の真下に難民キャンプが作られた。
この時点で、誰もが思い浮かべるのはアパルトヘイト。
あーそれで南アフリカが舞台なんだと思った時点で、映画を見る意識に人種差別ならぬ地球外生命体差別を意識せずにはおれません。
スラム化した難民キャンプはまさに昔のアパルトヘイト。
もし、地球人が宇宙を縦横無尽に渡り歩けるようになって、たくさんの人間を乗せた宇宙船が故障かなにかでどこかの星に不時着したとしたら、この映画のようになってしまうのでしょうか。
昔あった「猿の惑星」のアパルトヘイトされた人間もそうでした。
最初は醜く嫌悪感すら感じたエイリアンを、物語が進むに連れて、何とか無事に自分の星に帰って欲しいと応援している私がありました。
(地球で生まれた子供のエイリアン(手前)が自分の星がどんなだろうと父親に尋ねる)
絶望に近い世界で生きているエイリアン。人間のエゴイズムに耐えながら、わずかな可能性を求めて自分の星に戻ろうとするエイリアンの姿は、南アフリカのアパルトヘイトから自由を求めて行った黒人の姿とダブってきました。
こう書くと人種差別の映画かとおもいますが、そうではなくて、ストーリーの影に風刺がまざったSF映画になっていますね。
宇宙人というものは、人間のようにエゴをもっているのでしょうか。
そんな部分が気になった映画でした。
監督 ニール・ブロムカンプ
脚本 ニール・ブロムカンプ テリー・タッチェル
製作 ピーター・ジャクソン
キャロリン・カニンガム
製作総指揮 ケン・カミンズ ビル・ブロック
出演者 シャールト・コプリー
音楽 クリントン・ショーター
撮影 トレント・オパロッチ
編集 ジュリアン・クラーク

