お龍の声-その1- 桐野がお龍に夜這い? |         きんぱこ(^^)v  

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 【お龍へのインタビュー「反魂香」を読む】 


 -その1-


 龍馬の妻と言われているお龍さんのことは、私も以前に「--楢崎龍(龍馬の妻)--」で書きました。


砂坂を這う蟻    現在は・・時代ブログモ~ド~~ (^^)v-r

 その記事では借金の為に妹を取り返しに大阪のヤクザの所に一人乗り込むお龍さんの事を書いた龍馬の手紙の事を書きました。


 彼女はとても勝気な所がある女性であることがわかるもう一つの面白い話があります。


 これは、明治32年に書かれた「反魂香」という記事で、その時まだ生きていたお龍さんのインタビューが載っています、それを少しアレンジして読みやすくして見ました。


 薩摩藩に西郷隆盛の参謀として西南戦争の最後まで西郷の側にいた桐野利秋と言う人が、お龍に夜這いをしに来た時の話しです。


 お龍がまだ寺田屋に居た時のことですが、ある日の夕方、薩摩の桐野利秋らが寺田屋に泊まりました。寺田屋は薩摩藩のお抱えの宿ではありますが桐野らは気性が荒く、女中は彼らに近づきませんでした。誰も酌に来ないので桐野は機嫌が悪くて皿を投げる始末。お登勢ももてあそんでいる所へお春(お龍)が帰ってきました。

「どうしはったんえ、お二階が騒々しい」

 お春は足元の埃を払いながら女中に聞きました。

「あっお春さん、お帰りやす。夕時に薩摩の桐野はんという方が泊まりに来はって、もう怖いしキショイ(気色悪い)し…だれも上がらんかったら怒り出しはって皿投げたはるんです…女将さんも困り果てて」

「まあ…それなら私が上がって静めて来ましょう」

 お春はそう言うと、二階にズカズカと上がって行きました。

 彼女は桐野が誰であるかを直ぐに察してその傍に座るや手元にあった盃を取り上げて無言で5.6盃立て続けに飲み干して無言で桐野の前に盃を突き出しました。

 流石の桐野も驚いて彼女を見れば、19か20歳程の美人が(本当は24歳)恨めしそうに自分の顔を見て不意に盃を差し出されたのですから、先んずれば人を制すとやら、気を飲まれて唖然としていると、やがて彼女は喋り出した。

「あなた先ずはお召し上がりなさい。暴れたって仕方がないじゃありませんか、詰まるところあなたの器量を下げるだけですよ、今夜は私がお相手をしますから、十分召し上がってください」

 そう言って飲み明かして桐野らが酔い瞑れた後に後片付けをして自分の寝室で寝ていますと、夜中になって襖の外に人の気配。

(何事か…)

 と気をつけていると、突然入って来たのは桐野でした。

「こら貴様は今宵は俺の寝室に来て一緒に寝ろ」

 と桐野は脅しをかけて連れて行こうとしました。

 お春はそれに逆らって、

「冗談言っちゃいけませんよ。寺田屋のお春ですよ。宿場女郎とは違いますからね。人を見て言ってくださいよ」

 ときっぱり言い切って桐野の手を振りほどきました。その時、寝る間も肌身離さずに持っていた短刀が畳の上に落ちました。

 それを見た桐野は、すばやく見つけて短刀を奪い取り、

「こら、貴様は女の癖に短刀を持っているのは怪しい。よくよく取り調べる必要があるから俺と一緒に来い」

 と、お春の手を引き自分の部屋に連れてきて、一緒に来た大山実次郎を起こして、

「こらお春、どう言う訳で短刀なんぞ持っているか。女に刀はいらぬものだ。ははーん、察する所貴様は伏見の回し者だな、最前の挙動と言い、わし等を恐れぬ所なぞどうしても怪しい。かくさずに言ってみろ」

 と法官が罪人に対する様に睨み付けました。

 しかしお春も負けてはおりません。

「女に短刀はいりませんか。私は伏見の回し物ではありませんが、その短刀は今夜のような暴れ者が私の部屋にでも入り込むと困りますから、そんな奴を見たら叩き斬ってしまおうと持っていたのです。怪しいなら何処へでも突き出してくださいっ」

 そういって桐野の顔を睨みつけると、桐野は言い込められて返す言葉がありませんでした。

 側にいた大山がその短刀を見て、

「おう、冗談じゃないぞ、ありゃ土州の坂本の妻だぞ。この刀に見覚えがある。これは越前国弘の作だ。坂本はこれをかくし妻に渡していると聞いたが、この女がそうだぜ、お前はとんでもないことをしたな」

 それを聞いた桐野は驚愕して、謝り倒し、翌日にお龍を中ノ島に連れ出してご馳走し、

「どうか昨日の事は坂本氏に内緒にしてください」


 とほうほうの体で薩摩に帰ったそうです。


 やっぱり気が強い。(笑)


 みなさん想像してみてください。やくざに対しても、気性の荒い薩摩人に対しても全く怯まずに切り返すお龍。相手を気後れさせる程ですから相当な気迫だったのでしょうね。


 こんな話も・・・。


 新撰組の近藤勇もお龍には気があったらしくて、櫛を買ってきたり色々と関心を買おうとしていたそうですが、龍馬の妻と聞いて「なるほど、道理で強情なやつだと思った」と言ったそうです。


 後ろに龍馬が居るから・・・と思うかもしれませんが、やくざの話は龍馬と付き合う前の話ですから。


 この、勝気な性格を考慮して考えてみようと思います。


 お龍の談話を続けます。


(続く)