ギャンブル小説外伝「思い出の映画」--清兵衛、朋江編-- |         きんぱこ(^^)v  

        きんぱこ(^^)v  

  きんぱこ教室、事件簿、小説、評論そして備忘録
      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ

この映画にも純粋に心に残るシーンがある。

清兵衛の幼馴染み朋江(宮沢りえ)が、
藩命で人を切りにゆく清兵衛を送り出すシーン。

清兵衛は友人の朋江の兄から朋江を嫁に取るように誘われたが、
(こんな貧乏で武士だか百姓だか分からず、剣も売り払い、50石しかないような所に・・)
恐らく好きだからこそ苦労させたくない心半分と意地け半分の気持ちが、本音を殺したのだろう、縁談を断ってしまった。

朋江はそう言われてしまうと、やむなく会津の藩士の縁談を受けてしまう。

清兵衛は断った事を後悔していたが、ある日藩命で人を斬ることになり自分が死ぬかもしれない運命に立たされた。

余談だか、
清兵衛は戸田流の師範代。
戸田流といえば小太刀の剣。
武士は長剣と短剣の二本を腰に差すことが多い。
小太刀とは短剣の方を差す。
小太刀は相手に投げつけたり接近戦や屋内での戦いで使われる。
だから清兵衛は長剣は売っても小太刀は売らなかった。
対する余吾善衛門は一刀流。
ルーツは殺人鬼の伊藤一刀斉。
その師は鐘巻自斉。
その流派は戸田流。
くしくも同じ源流となる。

話を元にもどす。

清兵衛は生きるか死ぬかの瀬戸際で、ようやく、自分の純粋な心を朋江に打ち明ける。

朋江は、嬉しかった。

しかし、縁談を受けてしまっていた。

結婚は本人だけでなく、相手の親や親戚まで、助けてもらう反面、迷惑もおよぼしてしまう。

特にこの時代は大変だったろう。

そのあとに、朋江は、声をかすらせて事実を言う・・

「・・」

清兵衛は、そういう事実を知り、自分が言ったことに恥ずかしくなり、自虐的になりつつ、髪を整える手伝いに来てくれた朋江に礼を言い、対決に行こうとする。

このときに朋江が、自分の気持ちを一杯に込めて清兵衛に言う。

「あの、・・・・・・
私は・・・、
ここで、おかえりを、
お待ちできましねども・・・・、
どうか・・・・
どうかご無事で・・

こ武運を・・心から
・・お祈りしています・・・・」

声をかすらせながら伝える朋江。

たそがれ清兵衛の名シーンではあるが、この純粋な心のやりとりを、私自信も忘れずに持ち続けたいと思った。

相手を想う純粋な心を持つ、伝える、というところは、フィクション、ノンフィクション、現在、過去に関わらず、なかなか出来そうで出来ないことではないだろうか。


清兵衛と朋江のその後は・・。

あと一つ続く。