対話セラピスト 大野木睦子です。
以下は、2005年に書いた文章です。
その背景は、こちらをご覧ください。
⇒ 【私の物語①】「私」という物語
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私とは何か
私は、今まで自分がずっと眠っていたかのように感じる。
あるいは、ずっと目を閉じたままだったかのように感じる。
ただひたすら、世の中に順応して生きていくことばかりに気をとられ、まわりのことばかりを気にして、自分自身を気にしていなかった。
それは振り返ってみると、まるで他人の人生のようで、自分自身を生きていない日々だった。
そんなことさえもわからず、まわりに合わせることに必死で、でもそれもうまくできずに、世の中とも自分自身ともしっくりこないまま過ごしてきた。
いろんなことをして、いろんなことを考え、この違和感・息苦しさを解決しようとしてきた。
でもそれは、結局、誰かが助けに来てくれるのを、何かが救ってくれるのを待っていただけだった。
もちろん、待ち続けても、何もやってはこなかった。
そんな長い長い時間とあきらめのあとに、やっとたどりついた。
もう答えは「外」にはなく、自分の「内」にしかない。
どうにかこうにか、いやなことは見ないで、なんとか生きていけるのではないかと思ってきたけれど、どんなに逃げてもこの現実はやってくるのだと、私はもうこれと向き合うしかないのだと思った。
そしてやっと、「見たくない現実」を見る勇気を持った。
勇気と言うより、もう逃げられない、というあきらめに近い決心だったけれど。
恐る恐る、今までフタをしてきたもの、見ないようにしてきたものに、目を向けてみた。
少しずつ、少しずつフタを開け、光を入れようとし始めた。
そんなとき、とても不思議な夢を見た。
「夢」というより、それは「記憶」だった。
目が覚めていくときに、
「何で私はこんな記憶を持っているのだろう。」
「これはいつの記憶だった?もっと若いころ?この人は誰だった?この場所はどこだった?」
と一生懸命考えていたのだ。
夢の中で出会った人物に、「お前は宝だ。宝物だ。」と言われた。
とてもとても懐かしい人物で、平和で落ち着いた、穏やかな心だった。
「私は宝物なんだ。」
その言葉が、体の中に沁みこんでいったとき、今まで自分がいかに自分を粗末にしてきたのかを知った。
自分を大事にしてこなかったことを、自分を愛してこなかったことに気がついた。
「見たくない現実」とは、この私と正面から向き合うこと。
今まで、自分自身と向き合っているようでいて、実は自分自身がどうしたいのか、何をしたいのか、そんなことを考えたことがなかった。
常に他人の目・他人の評価を気にして、自分自身の判断基準を持っていなかった。
「自分がどうありたいか」ということを考える・感じる力がなかった。
「常識」や「普通」というとてもあいまいで不確かなもの、そんなものに縛られて、この私自身を大切にしてこなかった。
私を幸せにして、喜ばせてあげることをしてこなかった。
そんな現実とやっと向かいあうことができた。
私が私であること。
自分の価値観・判断基準を持つこと、それを大事にすること。
誰のためでもなく、自分自身のために、まずこの私が、今ここにいる「私」を大切にすること。
自分自身を許して、そして愛すること。
「自分を愛せない人間が、他人を愛することはできない。」
今まではなんとなく胡散臭く、耳障りに感じられた、こんな言葉がすんなりとからだの中に入っていった。
自分を大切にすることは、利己的でもなんでもなく、ましてや、他人をおろそかにすることや、遠ざけることでもない。
自分を愛して大切にして、はじめて、そしてあらためて、他人への愛・尊敬の思いが訪れるのだとわかった。
それは、『孤立』ではなく、「私」が『自立』していくことなのだとわかった。
そして、あらためて「問い」が立った。
私とは何か
つづきはこちら ⇒ 【私の物語③】私とは何か 2
【私の物語】目次はこちら
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