「チェルビ」第十一話 恋愛連載小説 | 「おっちゃん王国」NTG(大人になりきれないおっちゃん)のブログ

「チェルビ」第十一話 恋愛連載小説

「チェルビ」第一話 (テーマ:チェルビ)はこちらから(クリック)

※「チェルビ」は、わたしが作った”語感”が気に入ってるだけの言葉です。

 意味は、今後の展開の中でわかるかもしれません。

※感想をコメントしづらい方。「読んだよ」の一言だけでもいただけると、嬉しいし励みになります♪






「できた。めちゃ、かわいい。どう?」


ストラップをぶら下げた白い携帯電話を見せてくれた。


「いいね。黒いほうで正解やったね」


「ありがと。めっちゃ、かわいい」


嬉しそうに喜ぶ姿は、やはり幼い雰囲気が抜け切れていない。


僕は、本当にユイが可愛かった。


来月にやってくるユイの誕生日。


この指輪を渡した時のユイを想像してみた。


余計なことまで考えてしまい、慌てて頭の中を切り替えた。


腕の時計を確認すると、昼ご飯を食べる時間は、まだ少し先だった。


「どうする?」


「わたし、朝あんまり食べてなかったから、おなか空いたかも」


「ちょっと早いけど、どっか行こっか。今やったら空いてるかも」


結局、僕が知っている店に行くことにした。


ここから歩いて十分ぐらいのところに、パスタとパンが美味しいカフェレストがある。


頭の中で、道順をなぞってみた。


「こっち」


店を目がけて、右方向を向いた瞬間。


左腕に引っ張られるような重たさを感じた。


「ありがと」


全身を使って必要以上の力で抱きついてくるユイが、僕の左肩越しにゆっくり笑っている。


「歩きにくいです」


右手で赤い髪を撫でながら、左腕をゆっくり引き離した。


左の手のなかに、ユイの白い右手を収めた。


進行方向を向いて、二人が横並びになった。


「なんか、緊張する・・・」


「わたしも・・・」


二人とも右足から踏み出した。


左手の微妙な力加減ができない。


頼りない固さを、強すぎるほど握りしめてしまった。


それに反応するように、柔らかく握り返してくる。


ぎこちなく歩きながら、初めて二人で歩いた時のことを思い出した。


あの時とは少し違う色のアスファルトの上を、今は手を繋いだ二人の短い影が重なって歩いている。


僕たちは、もう、恋人同士に見えるだろうか。


店の姿が見えるまで、二人とも無言だった。


時々握りしめてくる感触が、そこに意識を集中することを強要してくる。


知らない間に、息を吐くのをやめてしまう。


少し息苦しくなるたび、思い出したようにまとめて吐き出した。


何度か足を運んだことのある、真っ白な土壁の建物とその周りにある木の群生が見えてきた。


「あそこ。行ったことある?」


「ううん。はじめて」


開放された入口の右壁に、フリーハンドで大きくなぐり描かれた店の名前。


ヨーロッパのどこかの国の文字だろう。


墨のような黒い字の前に、綺麗な黒服を着こなした長身のハンサムな男性が立っている。


「いらっしゃいませ」


日焼けした笑顔に、思わず会釈してしまった。


中に入るとすぐに、綺麗な黒髪の女性スタッフが笑顔で出迎えてくれた。







↓久しぶりに見たら、予想通りランキング落ちてました♪

 ちゃんと書いてる方々が、やっぱり強いみたいです(笑)

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↓こっちも、落ちてた(笑)

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