「チェルビ」第二話 恋愛連載小説
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「こんなとこで、何してるの?」
かなり不自然な言い方をしてしまった。
さっきの不審なものを見る視線が、また僕を捉える。
「それって、ナンパ?」
この声。
幼すぎる雰囲気を完全に裏切っている。
「ナンパしていいの?」
これがこの時の、僕の精一杯の抵抗だった。
「いいよ」
また、あの声。
今度は、少女っぽさも少しだけ混じっている。
僕の中で、急速に何かが積み上げられていく。
そうすることで、溢れ出そうとする緊張を必死に食い止める。
落ち着いた。
頭の中で暴れていたものが、とりあえず息を潜めてくれた。
「おなか、すいてない?」
「実は、すいてる」
「なんか、食べに行く?」
「うん」
かろうじて流れが出来かけているのに、なんの準備もできていない自分が、ひどく頼りない。
”僕たち”は近くのファミレスに行くことにした。
不自然な間隔。不自然な速度。ぎこちない横並び。
僕は、自分の歩き方を忘れてしまっている。
少しだけ早い心臓の音がうっとおしい。
黒さを半分なくしたアスファルトが、やけにくっきり見えてくる。
店に着いて、案内された席に座った。
平日の夜ということもあって、客はそれほど多くなかった。
「サラダ、頼んでいい?」
メニューに視線を落としたまま、彼女が訊ねてきた。
「どうぞ。なんでも頼んでいいよ。
・・・・・。
タバコ。吸ってもよろしいでしょうか?」
「いいよ」
「タバコ。吸わないの?」
「吸わない。タバコ、キライ」
彼女はメニューを見たまま答えた。
僕は、取り出した一本を元に戻し、メンソールのフタを閉めた。
使い捨ての青いライターと一緒にテーブルの隅に置いた。
「吸わないの?」
「やめる。タバコ、やめます。禁煙します」
「えーっ!?別にいいのに」
店内の明るさの中に、白い笑顔が不自然に溶け込んだ。
二人にとって初めての約束。
しかし、すぐに破られる予定が決まりそうだ。
ほとんど会話しないまま、二人で料理を食べ続けた。
二人の間に流れる空気は、止まったままだった。
ほぼ正常になりつつある僕の思考力は、この状況を冷静に判断しはじめている。
多分、店を出たら、そこで終わる。
「出よっか」
終わるなら早いほうがいい。
はじまってもいないものを終わらせる。
自分でも不思議なほど、サバサバした決心ができた。
店を出ながら、最後になるであろうセリフを考えた。
彼女のほうを振り返った。
両手を口に当てた少女の白い横顔。
赤いサラサラした髪が、街灯の光をキレイに反射している。
真剣な眼差しの先。
派手な赤い光の二台のパトカーが、薄暗さの中、静かにいるのが不気味だった。
やっぱり、チェルビを書きたくなっちゃいました。
頭の中でストーリーがどんどんできあがってきちゃって、「早く書きたい!」っていう気持ちが勝っちゃいました。
ひとくぎりするまで、続けるかも・・・。
って言いながら、おっちゃんの話になったり、全然別のことをしたりするのが、気まぐれモノガタリストNTGおっちゃんです。
※「チェルビ」は、わたしが作った語感が気に入ってる言葉です。意味は、今後の展開の中でわかるかも?