今日カウンセリングを受けて下さったお母さんが
お子さんの担任の先生から
こんなふうに言われたそうです。
(許可をいただき掲載します)
「お子さんは、いつもイヤな事から逃げて、
困難を努力して克服していく経験がないから、
ぜんぜん自信がついていかないんですよ」
これを聞いて、
私はなんだか違和感を感じ
悲しい気持ちになりました。
(この先生が正しいとか間違っているとか
そういうことを言いたいわけではありません。
先生も一生懸命指導して下さっているのは承知の上で
私が感じた一つの意見としてお読みくださいね。)
HSCの子どもは、
苦手な所を努力して治そうとすればするほど、
さらに苦しくなっていきます。
なぜかというと、
その子の持って生まれた繊細さは
努力や根性で治るものではないからです。
HSCは能力が人より劣っているわけでも何でもなくて、
得意なことと、苦手なことがあるだけです。
これは、HSCだけでなくてどんな子も同じですよね。
苦手なことを無理にでも克服させるような環境は、
何のプラスにもなりません。
繊細さを持ったまま安心して適応できるように、
家庭や学校の周囲の環境を整えてあげれば、
彼らは高い能力を発揮できるんです。
私自身も、繊細な子だったんですが、
苦手なことを克服しようと努力しても、
喜びや感動を得られるよりも、
傷の方が深く残ってしまうことが
子ども時代はたくさんありました。
一般の子の場合は、
何かを努力して苦労して乗り越えて克服すると、
自信になる場合もあるかもしれませんが、
繊細な子の場合は、そうでない子も多いです。
たとえ、大人からすると善意や愛情によるものでも、
彼らを無理に頑張らせることが、
本人を傷つけ、苦しめていることが
多いということを知ってください。
例えば、
少し話が変わりますが、
自閉症のお子さんの教育に関して、
以前は、自閉症は、親のしつけが原因だと
言われていた時代がありました。
冷蔵庫のような冷たい心を持った母親が、
子どもを否定的に攻撃的な態度で育てたから、
子どもが自閉症になったんだと言われ、
他の子と同じ教育を受けさせたら、
治るものだと言われていました。
そんな周囲の偏見や誤解のせいで、
悲しい思いをした自閉症の親子が
世界中にきっとたくさんいたと思います。
これは、今のHSCの子どもたちが
抱えている状況と似ているような気がします。
細かなことをすぐ不安に感じてしまったり
大きな変化に対応できないHSCの子どもたちに対して
「母子分離ができてない」
「親の育て方のせいだ」
と周囲からいわれ
自分の子育てが間違っていたんだと
自分を責めてしまうお母さんたち。
「子どもの心が弱い」
「甘えてる」
「嫌なことから逃げている」
と否定的に見られて
苦しんでいる子どもたち。
HSCの子に対して
「気持ちの持ちようで何とかなる」
「みんな頑張ってるのになんでお前だけやれないんだ」
「気にしすぎるだけじゃない?」
という周囲の誤解や無理解によって
どれほど多くのHSCの子どもたちが
不適応の状態に追い込まれてしまっているのかと思うと
本当に悲しくなります。
自閉症の例では、
世界中の臨床者や研究者たちが
長い年月をかけて、
自閉症の人たちの神経心理的な仕組みを
徐々に解き明かしていきました。
そして、母親の養育の仕方が、
自閉症の原因になることは
何一つないことが分かりました。
今では、自閉症の子どもたちの教育は、
特性を治すという発想ではなくて、
そういう特性をもって生まれてきた子どもたちが、
その特性をもったまま健康で幸福に生きていくためには、
周囲の大人がその子の本質をよく理解して
その子に沿った支援が必要だ
という理解が浸透しています。
HSCの子どもたちも
良き理解者の中で
安心して過ごすことができたら
きちんと能力を発揮できる
素晴らしい力を持った子どもたちです。
彼らを取り巻く家族や先生達が
HSCの特性について
正しい理解をしてほしいと願います。
家庭か学校のどれかひとつでも
無理解のままだったら
子どもの生活は安心できないものになり
苦しみや困難に満ちたものになってしまいます。
HSCの子どもが
いきいきと安心して生活している場所には
必ずその子を心から受け入れてくれる
理解者の存在があります。
HSCの子どもたちが幸せに生きていけるように、
子どもたちのよき理解者が一人でも増えてほしいと
願います。
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