リフレックスはドパミンを増やすのか?
この答えは、「増やす」である。
ということは、リフレックスはノルアドレナリン、セロトニン、ドパミンの全てを増加させることになる。このドパミンを増やすメカニズムだが、ちょっと難しいのでこのブログ風に簡略化して説明したい。
リフレックスのドパミンを増加させるメカニズムには、5-HT1A受容体、α2受容体、5-HT2C受容体の3つが重要である。
リフレックスのドパミンを増加させる作用はセロクエル(クエチアピン)に似ている。セロクエルもα2受容体の遮断作用を持つからである(セロクエルがうつ状態に効果的な根拠の1つ)

過去ログでは、α2受容体の遮断作用はノルアドレナリンの放出を促すメカニズムとして紹介している。実は、α2受容体はドパミン神経にも存在している。
過去ログから(参考1、参考2)
テトラミドは、従来型の抗うつ剤とちょっと変わったメカニズムで抗うつ効果を発揮する。テトラミドは、モノアミンの再取り込み作用を持たず、シナプス前α2受容体遮断作用を持つ。一般に、シナプスα2受容体はオート・レセプターと呼ばれ、これは神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制しているため、その受容体を遮断することによりノルアドレナリン放出を促すのである。つまり再取り込みとは違った方法で、ノルアドレナリンを増加させる。
リフレックスはこれと同じパターンで、結果的にα2受容体の遮断作用を通してドパミンの遊離を促すのである(つまりノルアドレナリンとドパミンをダブルで増加させる)
また、過去ログではリフレックスが5-HT1Aに結合しないことを通して、セロトニンが5-HT1A受容体に結合し抗うつ作用をもたらすと書いているが、この作用もドパミン遊離を増加させるらしい。
動物実験では、ラットの前頭前野において、リフレックスはドパミンを増加させているようなのである。それは5-HT1A受容体のアンタゴニストにより抑制されると言う。
5-HT2C受容体を介するドパミン増加作用は最も複雑である。腹側被蓋野における5-HT2C受容体遮断作用を介してGABA神経の活性化を抑制し、その結果、ドパミン神経を活性化し、前頭前野のドパミンを増加させると言う。(GABA神経はグルタミン神経を抑制し、その結果、腹側被蓋野ドパミン神経は抑制される)
このようにトリプルで伝達物質を増加させるものの、ドパミンに関しては直接的な再取り込み阻害作用ではないので、ブプロピオンほど強力ではないと思われる。
しかしながら、リフレックスのドパミン増加作用はさほど大きなものではないとは言え、この抗うつ剤の特徴として、スパイス的に効いているのは間違いない。
この穏和な?ドパミン増加作用は、リフレックスの欠点を緩和しているように思われるが、次第に腰折れしあたかもSSRIを服用しているように見える人を説明できるものなのかは自信がない。
しかし、ブプロピオンの腰折れ現象を見るに、リフレックスの効果の推移にドパミンへの作用の量的変化が関与しているようにも見える。なぜなら、リフレックスが合わない人の何割かは、あたかもSSRI的に失敗しているように見えるからである。(最初は順調だったのに・・)
セロクエルの穏和な抗うつ作用についてはα2の遮断作用が大きいが、他にも抗うつ作用を説明できるメカニズムを持つ。セロクエルの代謝物、ノルクエチアピンはノルアドレナリントランスポーターを阻害し結果的にノルアドレナリンの再取り込みを阻害するらしい(ノルアドレナリンを増加させる)。
これで、「リフレックスの腰折れ現象についての考察」からの一連のエントリは終わりです。
一連のエントリとは、
①リフレックスの腰折れ現象についての考察
②ブプロピオン
③治療に対する前向きな姿勢について
④エビリファイはなぜうつに効くのか?(前半)
⑤エビリファイはなぜうつに効くのか?(後半)
⑥リフレックスはドパミンを増やすのか?
ということは、リフレックスはノルアドレナリン、セロトニン、ドパミンの全てを増加させることになる。このドパミンを増やすメカニズムだが、ちょっと難しいのでこのブログ風に簡略化して説明したい。
リフレックスのドパミンを増加させるメカニズムには、5-HT1A受容体、α2受容体、5-HT2C受容体の3つが重要である。
リフレックスのドパミンを増加させる作用はセロクエル(クエチアピン)に似ている。セロクエルもα2受容体の遮断作用を持つからである(セロクエルがうつ状態に効果的な根拠の1つ)

過去ログでは、α2受容体の遮断作用はノルアドレナリンの放出を促すメカニズムとして紹介している。実は、α2受容体はドパミン神経にも存在している。
過去ログから(参考1、参考2)
テトラミドは、従来型の抗うつ剤とちょっと変わったメカニズムで抗うつ効果を発揮する。テトラミドは、モノアミンの再取り込み作用を持たず、シナプス前α2受容体遮断作用を持つ。一般に、シナプスα2受容体はオート・レセプターと呼ばれ、これは神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制しているため、その受容体を遮断することによりノルアドレナリン放出を促すのである。つまり再取り込みとは違った方法で、ノルアドレナリンを増加させる。
リフレックスはこれと同じパターンで、結果的にα2受容体の遮断作用を通してドパミンの遊離を促すのである(つまりノルアドレナリンとドパミンをダブルで増加させる)
また、過去ログではリフレックスが5-HT1Aに結合しないことを通して、セロトニンが5-HT1A受容体に結合し抗うつ作用をもたらすと書いているが、この作用もドパミン遊離を増加させるらしい。
動物実験では、ラットの前頭前野において、リフレックスはドパミンを増加させているようなのである。それは5-HT1A受容体のアンタゴニストにより抑制されると言う。
5-HT2C受容体を介するドパミン増加作用は最も複雑である。腹側被蓋野における5-HT2C受容体遮断作用を介してGABA神経の活性化を抑制し、その結果、ドパミン神経を活性化し、前頭前野のドパミンを増加させると言う。(GABA神経はグルタミン神経を抑制し、その結果、腹側被蓋野ドパミン神経は抑制される)
このようにトリプルで伝達物質を増加させるものの、ドパミンに関しては直接的な再取り込み阻害作用ではないので、ブプロピオンほど強力ではないと思われる。
しかしながら、リフレックスのドパミン増加作用はさほど大きなものではないとは言え、この抗うつ剤の特徴として、スパイス的に効いているのは間違いない。
この穏和な?ドパミン増加作用は、リフレックスの欠点を緩和しているように思われるが、次第に腰折れしあたかもSSRIを服用しているように見える人を説明できるものなのかは自信がない。
しかし、ブプロピオンの腰折れ現象を見るに、リフレックスの効果の推移にドパミンへの作用の量的変化が関与しているようにも見える。なぜなら、リフレックスが合わない人の何割かは、あたかもSSRI的に失敗しているように見えるからである。(最初は順調だったのに・・)
セロクエルの穏和な抗うつ作用についてはα2の遮断作用が大きいが、他にも抗うつ作用を説明できるメカニズムを持つ。セロクエルの代謝物、ノルクエチアピンはノルアドレナリントランスポーターを阻害し結果的にノルアドレナリンの再取り込みを阻害するらしい(ノルアドレナリンを増加させる)。
これで、「リフレックスの腰折れ現象についての考察」からの一連のエントリは終わりです。
一連のエントリとは、
①リフレックスの腰折れ現象についての考察
②ブプロピオン
③治療に対する前向きな姿勢について
④エビリファイはなぜうつに効くのか?(前半)
⑤エビリファイはなぜうつに効くのか?(後半)
⑥リフレックスはドパミンを増やすのか?