狩猟民族と農耕民族
最近、リフレックス(レメロン)の記事をよくアップしている。おそらくリフレックスは良い薬ではあるが、日本人にとって完全無欠の薬ではないことは確かなようだ。(参考)
少なくともSSRIが十分に飲めないような人たちは、リフレックスでもひと波乱ありそうである。実際このブログだけでも、服薬後にいろいろ辛い目にあったことを多くの読者の方がコメントしている。
最近、なぜそうなるのかを考えていた。
ちょっと不思議なのは、なぜか僕の患者さんではフィットする人が多かったこと。少なくとも、変な副作用のため立て続けに中止するような薬ではなかった。いつかのエビリファイのように。(参照)
これは処方患者さんにバイアスがあったこともあると思うが、それでもやや納得できない面はある。僕は安易にSSRIを処方しないのは、その副作用の性質に嫌悪感があるからで、これはつまり臨床経験から来ている(SSRIを処方したために、それまでになかったリストカットや希死念慮が出現するなんてダメすぎる)。(参考)
だから、僕がリフレックスを処方するから副作用が出にくいと言うのはややオカルト的な考え方だと思う。
外国人、特に西欧人はその体格や遺伝的背景から、SSRIを第1選択薬として良いほど、耐久性というか忍容性を持つようである。これは何万年の歴史であろうか、彼らが狩猟民族で、かつ陸続きのヨーロッパで生きてきたこと関係がありそうである(ペストを参照。日本は島国というのもある。「元寇」を参照)。
つまり、西欧人は日常、交感神経優位になる機会が多かったため、その状態に慣れているのである。(狩猟の際の研ぎ澄まされた状態は明らかに交感神経優位である。)こういう歴史があるからこそSSRIを服用しても耐えられるように思う。SSRIは覚醒度をアップさせ方向性が平行しているからである。
それに対し日本人は農耕民族なので、そこまで神経を研ぎ澄まさなくても生活できた。むしろ日本人は普段は副交感神経優位の状態の方が良く、日常、それが普通だったのである。日本文化はやはり副交感神経優位の状態と関係が深い。
SSRIはセロトニンを増やす薬なので、少なくとも副交感神経優位にはなりそうにない。脳のどこかを刺激するというか、カツを入れるような薬物だからである(過去ログ「附子」「悪性症候群の謎」参照)。
一般にはノルアドレナリンを増やすことで交感神経優位になる。だからSSRIよりSNRIはいっそう交感神経優位になる薬物だと思う。
つまり、日本人の場合、SSRIやSNRIを服用することは、長年続けてきた状態の全く逆、つまり方向を逆転させることであり、非日常の世界である。だから身体や脳への影響が思わぬほど大きいのであろう。
普通、ヒトは副交感神経優位になることで、いろいろな疾患が治癒する方角に向かう。温泉に入ると副交感神経優位になるので一般の身体疾患には治療的である(心臓病、結核などの禁忌疾患を除く)
我ながらO型的で大雑把な考察を進めている。(笑。最近、疲れ気味なので・・)
これが結局、西欧人と日本人の違法薬物の嗜好の差にも繋がっているような気がする。
西欧人は一般にダウン系薬物を好む傾向がある。その典型がヘロインである。これはふあふあとした夢うつつの非日常な快感が得られるが、全くまとまったことはできない。何もできない上、ゴロゴロと寝ているのに近いのでまさにダウン系である。かつてアヘン窟で1日中アヘンを吸っている人たちはまさにその世界にどっぷり漬かっていたと言えた(ヘロインはアヘンに含まれるモルヒネから作られる麻薬。多幸感が著しい)。
これはもちろん本来のヘロインの薬理作用ももちろんあるが、西欧人の長い歴史でそういう状態が日常になかったため、より快感が大きいんだと思う。
一方、日本人は農耕民族なので、西欧人ほど神経を張り詰めて生活してはいなかった。この辺りのことはアニメの「まんが日本昔ばなし」などを参照してほしい。だからこそ、日本人にはアップ系の薬が好まれるのである(このように書くと、SSRIが好まれそうにも見えるが、セロトニンは快感に繋がっていないのでそうならない(参考)。しかしリタリンのような交感神経作動薬は別)。
日本での違法薬物はやはり「覚醒剤」が多い。最近、増えてきた合成麻薬、MDMA(3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン)なども覚醒剤に分類される。
日本人は働き者というのもあるだろうが、寝ないで遊べるような薬物が好きなのである。ヘロインを使うとダウンして仕事にならないが、覚醒剤の場合、いろいろと動ける(働けるかどうかと言うとまた別。過覚醒という状態は集中や精密を要する仕事はできない)。これは働き者という以前に、そのようなハイテンションに無縁に近かった日本人にとって、極めて魅力を感じさせるものなのかもしれない。
これこそ、西欧人とは逆の非日常の世界である。
ただ、覚醒剤は欧米でもここ10~20年で人気が出てきたと言う話を聞く。こういう話はハワイの違法薬物でも同様である。ハワイのある通りの界隈には、夕刻になると売春婦のお姉さんたちがたくさん出てきて客引きをしている。ある日、その近くを偶然通った時、嫁さんが、
なぜあんなに綺麗な人なのに、ああいうことをしているんだろう?
と阿呆のように僕に聞いた。あれは薬物中毒の人たちが結構多いのである。とにかくその日のクスリを買うお金のため、何だってする。そういう風になってしまっているのである。違法薬物で「人間やめますか?」の話は過去ログに断片的に出てくる。(参考)
この欧米人でさえ、覚醒剤を以前より使用するようになっているというのは非常に興味深い。(参考)
このようなことを考えていくと、リフレックスに限らず、西欧人を中心に統計を取られた新しいタイプの抗うつ剤の世界ランキングが、日本人にそのまま当てはまるかどうかは不明である。あの統計にはドグマチールや大半の4環系、あるいは3環系抗うつ剤が含まれていない。それだけでも日本的ではないと思う。(参考)
旧来の抗うつ剤はダウン系の要素があり、日本人の従来の生活に平行した面があるため、SSRIに比べ違った意味でフィットする可能性があるのである。
世界で評価されているほど、日本人に対しSSRIは有効に作用していない。(つまり当初から服用できないとか、有害作用でどうにもならない人がずっと多いと言う意味)少なくとも、うつ状態に対しSSRI第1選択という方法は、日本人には適していない。
サル真似ではなく、有名な論文に惑わされず、日本人にとって最も良い治療方法を選ぶべきである。
バカのひとつ覚えのように外国の論文を持ってきて、同じような治療アルゴリズムを誇らしげに作る想像力の欠如には呆れる。
参考
野茂英雄
リフレックスを中止する人は・・
パキシルとアンプリット
希死念慮の謎
悪性症候群の謎
広汎性発達障害のように見える統合失調症は存在する
リフレックス発売準備中
FM-NHKとクラシック
少なくともSSRIが十分に飲めないような人たちは、リフレックスでもひと波乱ありそうである。実際このブログだけでも、服薬後にいろいろ辛い目にあったことを多くの読者の方がコメントしている。
最近、なぜそうなるのかを考えていた。
ちょっと不思議なのは、なぜか僕の患者さんではフィットする人が多かったこと。少なくとも、変な副作用のため立て続けに中止するような薬ではなかった。いつかのエビリファイのように。(参照)
これは処方患者さんにバイアスがあったこともあると思うが、それでもやや納得できない面はある。僕は安易にSSRIを処方しないのは、その副作用の性質に嫌悪感があるからで、これはつまり臨床経験から来ている(SSRIを処方したために、それまでになかったリストカットや希死念慮が出現するなんてダメすぎる)。(参考)
だから、僕がリフレックスを処方するから副作用が出にくいと言うのはややオカルト的な考え方だと思う。
外国人、特に西欧人はその体格や遺伝的背景から、SSRIを第1選択薬として良いほど、耐久性というか忍容性を持つようである。これは何万年の歴史であろうか、彼らが狩猟民族で、かつ陸続きのヨーロッパで生きてきたこと関係がありそうである(ペストを参照。日本は島国というのもある。「元寇」を参照)。
つまり、西欧人は日常、交感神経優位になる機会が多かったため、その状態に慣れているのである。(狩猟の際の研ぎ澄まされた状態は明らかに交感神経優位である。)こういう歴史があるからこそSSRIを服用しても耐えられるように思う。SSRIは覚醒度をアップさせ方向性が平行しているからである。
それに対し日本人は農耕民族なので、そこまで神経を研ぎ澄まさなくても生活できた。むしろ日本人は普段は副交感神経優位の状態の方が良く、日常、それが普通だったのである。日本文化はやはり副交感神経優位の状態と関係が深い。
SSRIはセロトニンを増やす薬なので、少なくとも副交感神経優位にはなりそうにない。脳のどこかを刺激するというか、カツを入れるような薬物だからである(過去ログ「附子」「悪性症候群の謎」参照)。
一般にはノルアドレナリンを増やすことで交感神経優位になる。だからSSRIよりSNRIはいっそう交感神経優位になる薬物だと思う。
つまり、日本人の場合、SSRIやSNRIを服用することは、長年続けてきた状態の全く逆、つまり方向を逆転させることであり、非日常の世界である。だから身体や脳への影響が思わぬほど大きいのであろう。
普通、ヒトは副交感神経優位になることで、いろいろな疾患が治癒する方角に向かう。温泉に入ると副交感神経優位になるので一般の身体疾患には治療的である(心臓病、結核などの禁忌疾患を除く)
我ながらO型的で大雑把な考察を進めている。(笑。最近、疲れ気味なので・・)
これが結局、西欧人と日本人の違法薬物の嗜好の差にも繋がっているような気がする。
西欧人は一般にダウン系薬物を好む傾向がある。その典型がヘロインである。これはふあふあとした夢うつつの非日常な快感が得られるが、全くまとまったことはできない。何もできない上、ゴロゴロと寝ているのに近いのでまさにダウン系である。かつてアヘン窟で1日中アヘンを吸っている人たちはまさにその世界にどっぷり漬かっていたと言えた(ヘロインはアヘンに含まれるモルヒネから作られる麻薬。多幸感が著しい)。
これはもちろん本来のヘロインの薬理作用ももちろんあるが、西欧人の長い歴史でそういう状態が日常になかったため、より快感が大きいんだと思う。
一方、日本人は農耕民族なので、西欧人ほど神経を張り詰めて生活してはいなかった。この辺りのことはアニメの「まんが日本昔ばなし」などを参照してほしい。だからこそ、日本人にはアップ系の薬が好まれるのである(このように書くと、SSRIが好まれそうにも見えるが、セロトニンは快感に繋がっていないのでそうならない(参考)。しかしリタリンのような交感神経作動薬は別)。
日本での違法薬物はやはり「覚醒剤」が多い。最近、増えてきた合成麻薬、MDMA(3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン)なども覚醒剤に分類される。
日本人は働き者というのもあるだろうが、寝ないで遊べるような薬物が好きなのである。ヘロインを使うとダウンして仕事にならないが、覚醒剤の場合、いろいろと動ける(働けるかどうかと言うとまた別。過覚醒という状態は集中や精密を要する仕事はできない)。これは働き者という以前に、そのようなハイテンションに無縁に近かった日本人にとって、極めて魅力を感じさせるものなのかもしれない。
これこそ、西欧人とは逆の非日常の世界である。
ただ、覚醒剤は欧米でもここ10~20年で人気が出てきたと言う話を聞く。こういう話はハワイの違法薬物でも同様である。ハワイのある通りの界隈には、夕刻になると売春婦のお姉さんたちがたくさん出てきて客引きをしている。ある日、その近くを偶然通った時、嫁さんが、
なぜあんなに綺麗な人なのに、ああいうことをしているんだろう?
と阿呆のように僕に聞いた。あれは薬物中毒の人たちが結構多いのである。とにかくその日のクスリを買うお金のため、何だってする。そういう風になってしまっているのである。違法薬物で「人間やめますか?」の話は過去ログに断片的に出てくる。(参考)
この欧米人でさえ、覚醒剤を以前より使用するようになっているというのは非常に興味深い。(参考)
このようなことを考えていくと、リフレックスに限らず、西欧人を中心に統計を取られた新しいタイプの抗うつ剤の世界ランキングが、日本人にそのまま当てはまるかどうかは不明である。あの統計にはドグマチールや大半の4環系、あるいは3環系抗うつ剤が含まれていない。それだけでも日本的ではないと思う。(参考)
旧来の抗うつ剤はダウン系の要素があり、日本人の従来の生活に平行した面があるため、SSRIに比べ違った意味でフィットする可能性があるのである。
世界で評価されているほど、日本人に対しSSRIは有効に作用していない。(つまり当初から服用できないとか、有害作用でどうにもならない人がずっと多いと言う意味)少なくとも、うつ状態に対しSSRI第1選択という方法は、日本人には適していない。
サル真似ではなく、有名な論文に惑わされず、日本人にとって最も良い治療方法を選ぶべきである。
バカのひとつ覚えのように外国の論文を持ってきて、同じような治療アルゴリズムを誇らしげに作る想像力の欠如には呆れる。
参考
野茂英雄
リフレックスを中止する人は・・
パキシルとアンプリット
希死念慮の謎
悪性症候群の謎
広汎性発達障害のように見える統合失調症は存在する
リフレックス発売準備中
FM-NHKとクラシック