シェリング・プラウとレメロン | kyupinの日記 気が向けば更新

シェリング・プラウとレメロン

アメリカの製薬会社、シェリング・プラウは1971年、シェリング社とプラウ社が合併したことによりこの名前になった。前者のシェリング社は1851年創業ドイツのシェーリング社を前身とし150年以上の歴史を持つ。

ミルタザピンという抗うつ剤はこれまでも数回エントリとしてアップしている。既にオルガノンによりレメロンという商品名でアメリカで発売されている。(過去ログ参照)

オルガノンという会社は、過去にテトラミドを発売している。このオルガノンはテトラミドから派生した4環系抗うつ剤、ミルタザピン(レメロン)を開発したのだが、この薬は実は大変な薬で、現在「効果」のカテゴリーで世界ランキング1位である。(有効性という指標で、最も良い治療である可能性が高い、と言う意味)

シェリング・プラウはミルタザピン欲しさに吸収合併した面も相当にあると思われる。ごく最近であるが、このシェリング・プラウをメルクが買収すると発表されている。その額は411億ドル! 大変な金額である。しかし、この買収はJ&Jの関係もあり順調にいかないかもしれない。(J&Jはリスパダールの会社)

これまで日本でのミルタザピンは、明治ホールディングス(旧明治製菓)により「リフレックス」という商品名で単独で発売される可能性があった。しかし、シェリング・プラウにオルガノンが吸収されたので、併売になるのは必至であろう。これはシェリング・プラウがオルガノンを吸収合併した理由を考えればわかる。

明治ホールディングスはリフレックスを2009年9月くらいに発売を目指していたらしい。しかし、併売になったことでシェリング・プラウの思惑もあるため、少なくとも9月より遅れることはあっても早まることはないと思われる。

メルクは2700人のMRを持つのに対し、明治ホールディングスは800人程度なので販売力にはやや差がある。しかし既にデプロメールやメイラックスを売っているので、この人数の差ほど販売力の差はないかもしれない。(このあたりはよくわからない)

副作用は眠さと肥満。しかし脱落率はそれほどではないという。1割くらい脱落する程度とも言われるが詳細については知らない。47%は眠さを訴えるらしい。2人に1人は眠さを訴えるというのである。だから、忍容性の指標ではそれほど評価が高くはない。効果、忍容性の2面で評価した場合、世界ランキング1位はどうみても、レクサプロ(エスシタロプラム)であろう。(エスシタロプラムはシタロプラム光学異性体のうちの1つ)

このように効果、忍容性で評価した場合、ジェイゾロフトは相当に高いランキングに来る。たぶん、ジェイゾロフトは世界ランキング3位か4位である(効果、忍容性でともにかなり上位にランキングされておりバランスが良い)。プロザックやパキシルは全然であることが既に判明している。

なお、これらのランキングは海外の研究調査の結果なので、日本の場合は少し異なるランキングになると確信する。しかし、ジェイゾロフトは日本で予想以上のペースで伸びているので、まだ日本人には服用しやすい抗うつ剤なんだと思う。

なお、ミルタザピンはSSRIのように吐き気がない。効果の発現が断然早い。パキシルに比べ1週間は違うといわれる。