謎の症状性疾患
「季節性嘔吐症?」の続き。
1年ぶりに再診した彼は前回とは少しだけ症状が異なっていた。嘔気、嘔吐に加え、無気力、不活発、慢性倦怠などがみられたからである。はっきり言えることは、約1年間近く服薬なしでも問題なかったこと。彼は季節性疾患で良い時は服薬さえ必要なかった。
彼に入院を薦めたところ、個室なら入院しても良い、というようなことを言った。たまたま個室が空いていたので、入院させたのであった。
僕は前回のベゲタミンBによる寛解の様子から、コントミンよりむしろ抗てんかん薬(つまり気分安定化薬)の方がうまくいくかもしれないと思い始めていた。嘔気、嘔吐発作時に今度はフェノバールを筋注してみた。ところが、コントミンに近いほどの効果が得られるが、コントミン筋注のような中途半端さで、完治しないのである。
その後、内服で抗てんかん薬をいろいろ用いてみたが、結局、ベゲタミンBほど気の効いた薬はなかった。こういうところが、ベゲタミンBの「神の薬」たる所以である。
今回の無気力、不活発、慢性倦怠感には何か抗うつ剤を使いたいが、なにしろ主訴が激しい嘔吐なので、SSRIは相当に使い辛い。かといって、一般の抗うつ剤で更に倦怠感が悪化する可能性もあり、それも使い辛いのである。だいたい、彼にはうつ病っぽい微小念慮など全然なかった。認知面では、そこまでうつ病ぽくはないのである。これは慢性倦怠の人たちもそういう面があり、その点で似ていた。彼は何か謎の症状性疾患だと思っていた。
結局、抗うつ剤ではまだマイルドなアンプリットを併用した。やはり嘔吐とはいえ、上部消化管の疼痛的色彩の強い疾患なのでリボトリールも併用している。そうこうしているうちに、以下の処方で寛解し退院していった。退院時には元気なものだった。
ベゲタミンB 2T
アンプリット 50㎎
リボトリール 2㎎
ユーロジン 2㎎
ハルシオン 0.25㎎
結局、謎を残したまま、約1~2ヶ月ほどで彼は来なくなった。その約1年後の同じ季節に再会するのである。
(注;ベゲタミン系薬物は健康に近い人が飲むとヘロヘロになるので、すべての人でうまくいくわけではない。統合失調症や躁うつ病の人たちは服用できる事が多いが、神経症の人は服用できる人とそうでない人にわかれる。発達障害系でも薬に弱い人は副作用が出るだけと言うのが多い。この薬のポイントはやはりコントミンだと思う。コントミンがすっと飲めない人には無理なのである。)
1年ぶりに再診した彼は前回とは少しだけ症状が異なっていた。嘔気、嘔吐に加え、無気力、不活発、慢性倦怠などがみられたからである。はっきり言えることは、約1年間近く服薬なしでも問題なかったこと。彼は季節性疾患で良い時は服薬さえ必要なかった。
彼に入院を薦めたところ、個室なら入院しても良い、というようなことを言った。たまたま個室が空いていたので、入院させたのであった。
僕は前回のベゲタミンBによる寛解の様子から、コントミンよりむしろ抗てんかん薬(つまり気分安定化薬)の方がうまくいくかもしれないと思い始めていた。嘔気、嘔吐発作時に今度はフェノバールを筋注してみた。ところが、コントミンに近いほどの効果が得られるが、コントミン筋注のような中途半端さで、完治しないのである。
その後、内服で抗てんかん薬をいろいろ用いてみたが、結局、ベゲタミンBほど気の効いた薬はなかった。こういうところが、ベゲタミンBの「神の薬」たる所以である。
今回の無気力、不活発、慢性倦怠感には何か抗うつ剤を使いたいが、なにしろ主訴が激しい嘔吐なので、SSRIは相当に使い辛い。かといって、一般の抗うつ剤で更に倦怠感が悪化する可能性もあり、それも使い辛いのである。だいたい、彼にはうつ病っぽい微小念慮など全然なかった。認知面では、そこまでうつ病ぽくはないのである。これは慢性倦怠の人たちもそういう面があり、その点で似ていた。彼は何か謎の症状性疾患だと思っていた。
結局、抗うつ剤ではまだマイルドなアンプリットを併用した。やはり嘔吐とはいえ、上部消化管の疼痛的色彩の強い疾患なのでリボトリールも併用している。そうこうしているうちに、以下の処方で寛解し退院していった。退院時には元気なものだった。
ベゲタミンB 2T
アンプリット 50㎎
リボトリール 2㎎
ユーロジン 2㎎
ハルシオン 0.25㎎
結局、謎を残したまま、約1~2ヶ月ほどで彼は来なくなった。その約1年後の同じ季節に再会するのである。
(注;ベゲタミン系薬物は健康に近い人が飲むとヘロヘロになるので、すべての人でうまくいくわけではない。統合失調症や躁うつ病の人たちは服用できる事が多いが、神経症の人は服用できる人とそうでない人にわかれる。発達障害系でも薬に弱い人は副作用が出るだけと言うのが多い。この薬のポイントはやはりコントミンだと思う。コントミンがすっと飲めない人には無理なのである。)