浜口陽三生誕100年記念展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

本日は、水天宮にあるミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションに行ってきました。
浜口陽三の作品を収蔵・常設展示する唯一の美術館です。

ここを訪れるのは、今日が初めて。
今まで行かなかったことが悔やまれるくらいに、
何とも雰囲気・居心地のいい、素敵な美術館でした♪


さて、

“てか、浜口陽三って誰??”

という人のために、ごく簡単にプロフィールをご紹介。


浜口陽三(1909-2000)
日本を代表する国際的な銅版画家。
彼の代表作の一つが、こちらの 《西瓜》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-西瓜


これは、浜口が開拓したカラーメゾチントという技法で創られた作品。
普通は黒一色で摺るメゾチントという技法を、
彼は、赤・青・黄の3色をプラスすることで、カラー版にしてしまったのです。
今でこそ、4色刷りというのは、プリンターのおかげで当たり前のような気がしますが、
彼は、プリンターなどなかった時代に、独自の研究でこの4色刷りシステムに辿りついたのだとか!

ス…スゴイです!

しかも。
このカラーメゾチントという技法を、独自に開発したことから、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-エンサイクロペディア・ブリタニカ


あのエンサイクロペディア・ブリタニカの 「メゾチント」 の項目に、
“カラーメゾチントの新しい技法を開拓した作家” として、浜口陽三の名前と作品が紹介されているのだとか!

ス…スゴすぎです!!



ちなみに。
美術館の名前にあるヤマサとは…

“♪こんこんこん こんこんこんこんこん昆布つゆ昆布をぎょうさん つこてるの”

で、お馴染みのあのヤマサ醤油
浜口陽三は、そのヤマサ醤油の創業者から数えて10代目の浜口儀兵衛の三男にあたるのだとか!

これも、ある意味でスゴイです (笑) !



さてさて、これで浜口陽三に関しては、
何となくご理解頂けたことでしょうから、話を先に進めます。

現在、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで開催されている美術展は、
“浜口陽三生誕100年記念展 ―未公開の油彩作品群と、きらめく銅版画―”
(会期は、7月20日まで)

1階の会場では、浜口陽三のカラーメゾチントの代表作が、数多く展示されています。
先ほど紹介した 《西瓜》 や、
こちらの 《パリの屋根》 などを観ることが出来ます。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-パリの屋根



しかし、何と言っても。
浜口陽三と言えば、もちろん…




さくらんぼ


彼の代表作中の代表作 《22のさくらんぼ》 や、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-22のさくらんぼ


《びんとさくらんぼ》 は、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-びんとさくらんぼ


残念ながら、展示されていませんでしたが…
下の 《17のさくらんぼ》 をはじめ、
さくらんぼをモチーフにした作品が、数多く出展されていました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-17のさくらんぼ


特に、 《17のさくらんぼ》 は、あまりにも良い作品だったので、
美術展を全て見終えた後に、 “♪もう一回!” 観てしまいました。

で、もう一回観た時に、さくらんぼの配置が、妙に気になりました。
ちょっと不自然なような…

“ハッ!これは、もしや、点字になっているのでは?!”

閃いてしまいました!
もしかしたら、これはダヴィンチ・コードならぬ、陽三コードなのでは?

早速、家に帰ってから、点字と照らし合わせてみました。
すると、現れた単語は…


『カーニーヤワーナ』


どこの国の言葉でしょう(笑)??
どうやら、陽三コードでは、なかったようです。


僕としては1階の展示だけでも、十分満足だったのですが、
続く地下1階では、彼の未発表作品が数多く出展されていました。

そのほとんどは、カラーメゾチント作品ではなく、
彼の小学生時代のスケッチだったり、フェルトペンや色鉛筆で描いた作品だったり、
と、どちらかと言うと、あまり観応えのない作品 (笑)
面白かったと言えば、それなりには面白かったですが、
出来ることならば、カラーメゾチントの作品を、もっと観たかったです。
星星
2つ星。


しかし、ある意味で面白かったのは、彼が20歳の時に描いた油彩画。
絵自体は、 “梅原龍三郎っぽいなぁ” という何とも無難なモノでしたが、
その絵に描かれていたサインを見て、仰天!
ローマ字の表記が大変なことになっていたのです!

“ハマグチ” のローマ字表記と言えば…

以前、めちゃイケの学力テスト企画で、よゐこの濱口優が、
英語のテストの自分の名前を書く欄に 「hamaguche」と書いてしまい、“ハマグチェ” と笑われていました。

が、同じ“ハマグチ”さんである浜口陽三は、
自分のサインをローマ字で、何と…

「hamagoutchi」

と書いてしまっていました。
これでは、“ハマゴウッチ” です…。
浜口さんは、統計的にローマ字表記を間違えやすい名前なのでしょうか…。


晩年の作品では、ちゃんとサインが、
「hamaguchi」 になっていたので、一安心しました(笑)