■ あったかい...
《これまでのお話》
《前回のお話》
◆ 寄り添いながら夜を明かした日
※地震の状況などが書かれています。
辛い記憶が甦る可能性もあるため、不安な方は読むことをお控えください。
ネコたちがきちんといるか、
物置小屋の確認を始めた母。
『何してるの?』と私が聞くと、
『ネコたちを連れて逃げれるように確認したんだよ』
と言いました。
《平成5年7月12日午後10時17分12秒》
奥尻島沖で起きた、北海道南西沖地震。
目の前が海で津波警報も発令されたため、
自宅より高台にある店に、
急いで避難することになりました。
テレビには、奥尻島の壮絶な被害が写し出され、街が火の海に包まれていました...
急いで家族みんなを起こし、
荷物をまとめ、
ワゴンに乗り込みます。
大きな物置小屋に猫を探しに行くと
きちんと5匹の猫たちは、
母の『逃げるから入って!』の声に
順番にゲージに入ってくれたのです。
猫を置いていく選択肢は
我が家にはありませんでした。
店の小上がりに布団を敷き、
その日の夜は鳴り響くサイレンや
町内放送を聞きながら過ごしました。
ねこたちは現状を理解しているかのように、
寄り添いながら大人しくしていたのも
不思議な光景でした。
不安で仕方のなかった私に、
ミケはそっと擦り寄り、膝の上へ...
あったかい...
とてもホッとして、
家族とねこたちと寄り添いながら
夜を明かしました。
24年が経ちますが、今でも
とてもとてもつらい記憶のままです。
ですが、ねこたちもいてくれたことで
心が落ち着き、不安が紛れたのは確かでした。
動物たちは人が思う以上に
人の心を読み取り
行動に起こしてくれるのかもしれません。
そして、そんな動物たちの
気持ちをも察知し、
冷静に行動した母の姿が
今でもまぶしいほどに記憶に残っています。
母のように強くなりたい...
母はいつだって
私の一番の尊敬する女性です。
ずっとずっと...
〜つづく〜
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