ソプラノ歌手の植田ゆか子です。
ご来訪いただき、
ありがとうございます。
 
2月15日、
アマデウス音楽院の
カレッジオブスマイルvol.9のご報告の
続きをさせていただきます。
第1部は、「大和橘」という絶滅危惧種になっている、
柑橘植物の素晴らしいご紹介からでした。
 
この度は、久保田有様に
ご講演内容を送っていただき、
全文掲載をお許しいただいておりますので、
以下、是非ご覧くださいませ。
 
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「山の辺の道周辺の歴史的遺産と大和橘」

なら橘プロジェクト推進協議会副会長 久保田有

 

私は、四国の四万十川上流に当たる

田舎で育ちました。すぐ近くの小川にウナギが

たくさんいましたので、子供のころはみんなと

ウナギ取りなどで遊んでいました。

本日は、なぜ山の辺の道周辺で大和橘を植え始めたのか、山の辺の道周辺の自然環境と歴史的遺産に触れながら話してみます。

私の伯父の家で、自宅で栽培した温州ミカンを食べ、その味が忘れられなくなったのが奈良での柑橘との出会いです。愛媛のミカンよりもこくがあって美味しかったのです。なぜ、奈良盆地で美味しいミカンが作れるのか?伯父は、山の辺の道周辺は盆地の底よりも気温が高くなり、ミカン栽培に適しているとのことでした。山の辺の道が通っている場所は標高が約90mです。大昔は、奈良は海の底でした。その証拠に貝の化石が入った砂岩がとれます。その後、阪神淡路大震災や東日本大震災の原因になったプレートの動きで、500mから1000m隆起し今の地形になりました。そして、足元を活断層が走っていることも分かってきました。奈良で大きな地震が起きても不思議ではないのです。

この地殻の動きで二上山が噴火したことがあります。その時噴火した石が古墳にも使われています。また、ガーネットやサファイヤという宝石も噴出しました。川の砂を手に取ると赤い砂がいっぱいです。この宝石がみがき砂やサンドペーパーとして地場産業になりました。

山の辺の道で畑作業をしていると弥生式時代の土器のかけらや古墳に使った石が出てきました。そして、すぐ近くの纏向遺跡はヤマト王権が生まれた地でもあります。温かい穏やかな自然が歴史を支えてきたのかもしれません。3世紀から4世紀、日本の各地から多くの人が集まり、10代崇神天皇、11代垂仁天皇、12代景行天皇の宮が造られたくさんの古墳が造られました。

しかし、奈良盆地には約2800個のため池があります。雨が少ないためですが、そのせいで江戸時代には減反政策がとられたということです。山の辺の道周辺では耕作地の半分は畑作を強制されました。その結果、綿花の栽培や桑を植えて絹の産地にもなりました。天理に紡績工場もできました。

そんな中、戦後、天理市から明日香村にかけて温州ミカンの栽培が奨励されて美味しいミカンの栽培地となりました。もともと、桜井市の穴師では橘が栽培されてきたという伝承もあります。山の辺周辺の歴史的風土特別保存地区内の放棄地を奈良県が買い上げるという政策を行っています。その買い上げ地を使って大和橘を栽培することになりました。さすがに、ミカンの適地だけあって大和橘もすくすく育ち、すぐにたくさんの実を着けるまでになってきました。

この実を使って大和橘を使った商品の開発を行っています。和菓子からお茶、そして橘のジンと広がってきました。葉っぱを使った橘の草木染も良い色が出てきました。歌舞伎役者の橘屋市村家橘さんと縁ができ、橘の草木染が、昨年の秋には文化功労者への祝いの品としてお役に立つことができました。

初夏になると山の辺の道周辺には白い大和橘の花が咲き芳しい香りを放ちます。そして、師走になると鮮やかな黄色に色づいた実がたわわに実ります。道行く人々が声をあげながら楽しむ風景ができてきました。これからも、山の辺の道周辺の景観保全とともに、不老長寿の薬効があるという大和橘を育てていきたいと思います。

しかし、この作業は一人や二人の力では維持できません。最近は、山の辺の道ファンクラブの皆さんと共に山の辺の道周辺の景観保全活動をしています。将来、ますます放棄地が広がることと思います。多くの来訪者が山の辺の道を喜んでいただくには、どうすればよいのか、大きな課題となっています。一方、天理駅前には世界的に活躍されている佐藤オオキ氏デザインによる「コフフンができ多くの人でにぎあうようになりました。天理市でも新しい歩み始まりました。そして、ティーウスクリノキの皆さんとなりのトレイルセンターの皆さんの頑張りは心強く思います。今後とも、山の辺を世界に誇れる素敵な場所にするために、皆さんもいっしょに活動しませんか。ご支援とご理解をお願いいたします。本日はありがとうございました。

 

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以上、久保田有さんのお話でした。

どうもありがとうございました。

 

山辺の道周辺に、

沢山の大和橘が植えられて、

 

白い花が咲いたり、

可愛らしい実がたわわに実ったり、

蝶々が戯れたりと、

 

そんな日本の原風景が、

広がるのを夢に見ます。

 

さあ、いよいよ次回は、

カレッジオブスマイルvol.9

第2部のコンサートのご報告を

させていただけそうです。

 

どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

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