臨床心理士&公認心理師の
中村友一(なかむらゆういち)です。
いつもお読みいただきありがとうございます。
地震や災害のニュースが続くと、胸がぎゅっと苦しくなったり、眠れなくなったり、子どもの前で不安な顔をしてしまったり…。
そんな経験はありませんか。
それは、「映像による2次被害(メディアによる二次受傷)」と呼ばれる、誰にでも起こりうる心の反応です。
今日は、子育てを頑張るあなたが、災害報道とどう距離を取ればいいのか。
そして、家族を守りながら自分の心も守るための方法を、わかりやすくお伝えします。
1. なぜ映像を見るだけで心が苦しくなるのか
― 脳の仕組みを知ると「自分を責めなくていい」とわかる
災害の映像は、私たちの脳の「感情をつかさどる部分(扁桃体)」を一気に刺激します。
文字情報と違い、映像は“その場にいるような感覚”をつくり出してしまうのです。
● 映像は脳に“ダイレクト”に届く
-
破壊された建物
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泣き叫ぶ人
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救助の現場
こうした映像は、脳に「危険だ」と強く訴えかけます。
● 過去の記憶がよみがえることも
過去に災害を経験した人は、映像がスイッチとなり、当時の感覚がよみがえる「フラッシュバック」が起きることもあります。
● 研究でも明らかになっている
アメリカの研究では、“現場にいた人より、ニュースを長時間見続けた人のほうがストレス反応が強かった”という結果も出ています。
つまり、映像でつらくなるのは「心が弱いから」ではなく、脳が正常に反応しているだけ。
ここを知るだけで、少し気持ちが楽になります。
2. 特に気をつけたいのは、こんな人
あなたや家族に当てはまるものはありますか。
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過去に災害や事故を経験した
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感受性が強い(HSP気質)
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子どもが不安になりやすい
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支援したい気持ちが強く、罪悪感を抱きやすい
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小さな子どもがいる家庭
子どもは特に、映像と現実の区別がつきにくく、「何度も災害が起きている」と誤解してしまうことがあります。
3. 今日からできる「心の情報ダイエット」
― 自分の心を守ることは、家族を守ること
ここからは、実際にできる対策をお伝えします。
① 映像から離れ、文字情報に切り替える
テレビやSNSの動画は、心への刺激がとても強いもの。
必要な情報は、
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文字ニュース
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ラジオ
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自治体の公式サイト
など、自分のペースで読めるものに切り替えましょう。
② SNSの設定を変えて「不意打ち映像」を防ぐ
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動画の自動再生をオフ
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「地震」「津波」などのキーワードを一時ミュート
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タイムラインを見ず、必要な時だけ公式情報を確認
これだけで、心の負担は大きく減ります。
③ 不安が強くなったら「グラウンディング」
映像を見てしまって動悸がしたり、涙が出たりしたら、“今ここ”に意識を戻すワークが役立ちます。
● 5-4-3-2-1法
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見えるものを5つ
-
触れられるものを4つ
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聞こえる音を3つ
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匂いを2つ
-
味を1つ
これを順番に意識するだけで、脳の暴走が落ち着きます。
④ 「元気でいることも支援の一つ」と知る
「被災地が大変なのに、自分だけ普通に生活していいの?」
そんな罪悪感を抱く方はとても多いです。
でも、心理学の世界では“支援者が健康でいることは義務”とされています。
あなたが元気でいることは、家族を守るためにも、長く支援を続けるためにも、とても大切なことなのです。
4. 子どもを不安にさせないために
子どもは大人以上に映像の影響を受けます。
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テレビをつけっぱなしにしない
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「これは前の映像だよ」と説明する
-
いつもの生活リズムを守る
この3つだけでも、子どもの安心感は大きく変わります。
5. 最後に ― あなたの心は、守られるべきもの
災害のニュースを見ると、「何かしなきゃ」と思う優しい人ほど、心が疲れやすくなります。
でも、あなたが倒れてしまったら、助けられる人も助けられなくなる。
だからこそ、映像から距離を取ることは“冷たい行動”ではなく、自分と家族を守るための、賢い選択です。
どうか、必要以上に自分を責めないでください。
そして、あなたの心が少しでも軽くなるように、今日からできることを一つだけ始めてみてください。
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