私の勤めている会社は基本月曜から金曜までで、平日に祝日があれば土曜出勤となる。
というわけで、ひさびさの土曜出勤で私以外の家族が寝静まる中(休みの日はだいたい10時くらいまで誰も起きてこない)、仕事に行く準備をしていた。
するとひょっこりまやが起きてきて、だるそうに椅子に腰をかけた。
「おはよう、はやいねえ」
「んー、なんか起きてしまった……」
そんなやりとりをしてたと思う。
出勤時間になって、いつもの通り出かけようと靴を履いていると
「いってらっしゃい」
とまやから声がかかった。
当たり前だけど、当たり前じゃない日常だ。
もともと平日でも出勤・登校時間は家族の中で私が一番遅い。
(大学が二時限目からはじまるときのさらを除く)
なので「いってらっしゃい」と声をかけることはあっても、誰かから声がかかることはない。
その上誰もが出勤でない土曜日の、それも一人暮らしをしていて帰省中だったまやに「いってらっしゃい」といってもらえることにものすごく驚いて靴を見ていた顔を上げた。
「うん。いってきます」
かれた声が出た。
朝からものすごく胸にくる、そんな挨拶を、いつまで聞けることができるかな。
挨拶は、とても大切。