あるカウンセリングの風景 | ★こころノート★心の問題(心の悩み・心の傷・心の病)をいろいろな角度から考えるネットカウンセラーのブログ

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今日は、昔ツイッターに投稿したことのある「140字小説」の紹介です。

今はやっていませんが、私は、昔ツイッターに140字の短い小説を投稿するという趣味を持っていました。

それを今も Evernote に残していて、時々読み返してみたりするのですが、カウンセリングに関する創作がありました。



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(題)あるカウンセリング


少年は短く経緯を話した。

両親の離婚,家出,非行の数々。

話は約10分で終わった。

後は長い沈黙。

少年は俯く。

30分沈黙の後カウンセラーが言った。

「辛かったね。」

少年は薄笑いし涙目になった。

涙は凍った心が少しだけ解けたしずくだった。


(実際のカウンセリング現場であった話)


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カウンセリングの沈黙


カウンセリングの場面では,沈黙を2つに分けるようです。

1つは,「動きのある沈黙」,もう1つは「動きのない沈黙」です。

「動きのある沈黙」とは,心の中で来談者がいろいろなことを思い描いているときの沈黙です。

例えば,悩みをどのように表現しようかと考えているときの沈黙や,カウンセラーが述べたこと,あるいは自分が話したことをじっと心の中で味わっている場合の沈黙です。

この場合,カウンセラーはよけいな言葉を発することなく,来談者の沈黙につき合うことが大切です。

来談者が泣いていてじっと黙っている時は,平静に戻り話し始めるまで待つべきなのです。



「動きのない沈黙」とは,持つ意味のない沈黙で,それはカウンセリングの流れの中でそぐわない沈黙だと言えます。

この場合は,カウンセラーはその沈黙を解消する行動をとることになります。

いわば、黙秘権を行使しているような様子を見せたときの沈黙が「動きのない沈黙」で、このような場面は、状況から感じ取るしかありません。


小説は,プロのカウンセラーが書いたある本の中にあった事例を基に創作したものです。

本当に来談者はずっと沈黙を続け,カウンセラーも何も喋らずにいて,最後にカウンセラーが発した言葉で来談者の心が癒されたといったことがあったようです。

最も,この域に達するには,カウンセラーが相当の熟練者であることと,来談者とカウンセラーの間にかなりの信頼関係がなくてはできないことです。


私には、とてもできないことですが、沈黙とうまくつき合えるカウンセラーは本当にすごいと思います。



「沈黙を読む」というのは、相手が押し黙っている場面で、「相手のうごめく心」を読むということです。

相手が押し黙っている場面というのは、周囲の状況が騒がしくてもあり得ることです。


私は、本の中にあった事例を読んだとき、自分が小学校の時に体験したことを思い出しました。

クラスの中に、学校一問題児とされていた非行癖のある男の子がいました。

ある日、その子がやった非行が、学級会で取り上げられて、50分間延々とクラスの生徒からその子が非難をあびるということがありました。

その時、私は学級委員をしていたので、その非難の会の司会を務めなくてはいけませんでした。


私も辛かったですが、その子も辛そうに下を向いていました。

クラス会が終わって、皆が教室から出て行くとき、私はその子に一言だけ、「辛かったな」と声をかけました。


その子は薄く笑っただけで、何事もなかったように運動場に出て行きました。


数日して、担任の先生が、「その子は『“辛かったな”と言ってくれたことが、すごくうれしかった』と言っていた」と教えてくれました。

その子は、学級会があった翌日から1週間、誰に言われたわけでもないのに、独り目立たないように、自主的にトイレ掃除をしていたそうです。


沈黙を読んで、その沈黙の辛さに共感するということ・・・そんな心の理解が今もできるようなら、素晴らしいことだと思うのですが、今はできる自信がありません。


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