
毎年クリスマスになると、この雰囲気になじめなかったリ、この雰囲気を楽しんだりと、いろいろ面白い体験ができます。
雰囲気になじめないというのは、大勢でクリスマスパーティをしたりするときです。
大勢が集まることには抵抗ないのですが、会社などのパーティで半ば強制されるものはダメで、やっぱり気の合った仲間や親類が何人かいての参加の方が良いです。
雰囲気が楽しめるクリスマスは、家族や恋人だけと過ごすクリスマスだったり、別に何の不満もなく独りクリスマス飾りで華やぐ街を歩いている時だったりします。
大人数のパーティなどでバカ騒ぎするクリスマスにどうして抵抗があるのだろうと思っていると、その心の一方で、クリスマスの雰囲気をひどく嫌う人々のことを気にしている自分に気づきました。
実際、今カウンセリングをしているクライアントさんの中には、「クリスマスなんてどうでもいい」と思いながら、クリスマスを明るく振る舞っている人々を嫌っているだろうと想像できる人もいます。
あるいは、クリスマスを楽しめない自分に自己嫌悪を感じて落ち込んでいる人もいるだろうと思われます。
そんな人々のことを考えていて、ふと思いました。
クリスマスって、パーティのようなものをしてバカ騒ぎしなくてはいけないの?
クリスマスって、みんな楽しく過ごさなくてはいけないの?
クリスマスって、普通に生活しながら、「ちょっとだけ普段と違うことをしてみようかな」ぐらいの過ごし方ではダメなの?
そして、気がついたのは、「クリスマスの本当の意味は何だろう?」の答えを探せば、これらの疑問は解けるということでした。
あなたはクリスマスの本当の意味を何だと思いますか?
この問いかけで、通説を訊きたいわけではありません。
通説的なものを一応踏まえた上で、あなた自身が、クリスマスをどう考えるかを訊きたいのです。
私は、「クリスマスは単にバカ騒ぎするお祭りで良い」という人も、「人がやたら楽しく過ごそうとするクリスマスは嫌い」という人も、誰にとっても意味のあるクリスマスというものを考えて、心にしまっておきたいと思っています。
まず、「クリスマスとは、イエス・キリストの生誕を祝うもの」という通説がありますね。
クリスマスがイエスの誕生日であるというのは、聖書などに書かれていることではないので、本当は違っているという説もありますが、ここではその真偽は大事なことではないと考えておきます。
一応、クリスマスをキリストの誕生日ということにしておきましょう。
キリスト教では昔から「教会暦」というものが使われていて、その暦では「日没」が一日の始まりとなります。
したがって、「日暮れとともに日付が変わる」のが教会暦なので、この歴では、キリストの誕生日は「12月24日の日没から12月25日の日没まで」となります。
そこに、今現在欧米や日本で使われている太陽暦が重なると、12月24日がクリスマス前夜のクリスマスイブ、12月25日がクリスマスとなるわけです。
要するに、教会暦ではクリスマスイブという日は存在してなくて、 太陽暦でいうクリスマスイブは、教会暦のクリスマスの中に含まれることになります。
ここで大事なのは、「クリスマスはイエスの誕生日ではなかった」とか「クリスマスイブは存在しなかった」とかいう事実の真偽ではなく、「どうしてクリスマスがイエスの誕生日になったのか」とか「クリスマスイブはどうしてできたのか」といった、先祖がつくった出来事の理由を考えてみることだと思います。
クリスマスは一種のお祭りです。
お祭りは、どんな祭りでも、「お祭りで伝えようとしている大事なものを忘れないための行事」という性格があります。
ならばクリスマスにも、そういう大事なものというのがあるでしょう。
それは何だと、あなたは考えますか?
ところで、英語でよく、Merry Christmas という言葉が使われます。
Merry というのは、「陽気な」、「笑い楽しむ」といった意味になります。
直訳すると、「楽しいクリスマスを!」ということになりますが、あくまで、Merry Christmas は1つの単語として扱われますので、「あなたにとって心地よいクリスマスになりますように!」といった意味を、短い単語の中に込めていることになります。
ここで面白いのは、「メリークリスマス」という言葉を、キリスト教のことをよく知らない日本人は当日しか使わないけれど、海外ではクリスマス前から使っているということです。
だから Merry Christmas とは、「明けましておめでとうございます」のように、当日になって「楽しいクリスマスですね」といった意味で使われる訳ではないのです。
そこには、どこか未来に向けた不安と希望と願いが込められているような雰囲気があります。
Merry Christmas は、I wish you a Merry Christmas! が略されたものです。
この文からその未来志向の思いが分かります。
キーワードはwish。
この単語は、「願う」といった意味ですが、hope(希望する) とはニュアンスが違います。
hopeは、「ちょっとした努力で叶えられるものの達成を希望する」といった意味になりますが、wishは「努力して困難かもしれないものの達成を願う」といった意味になります。
したがって、I wish you a Merry Christmas! というのは、「Merry Christmas になるのは難しいのかも知れませんが、そうなることを願っています」という意味になります。
それでは、クリスマスというのは、通説としてどのような意味になるのでしょうか?
救い主であり神同等に崇めなければならないイエス・キリストの教えの中には、人類があらゆる苦難を乗り越えるためのエッセンスが込められているらしいです。
そのイエス・キリストの誕生を祝福し、キリストの意に適(かな)ったことをするというのがクリスマスの意義だとされています。
「キリストの意に適ったこと」とは何かというと、絶対的平和、非暴力、欲やエゴを捨てること、そして愛と慈(いつく)しみを持つことなどです。
特に私たちがしなければならないこととは、他者に対する慈しみだとされます。
「病気で苦しんでいる人、職に就けない人、飢える人、親に捨てられた子、孤独な老人といった人々に慈しみと愛をもつことをもう一度思い出す日にしましょう」というのが、クリスマスという日の意義なのだと思います。
といっても、何も慈善団体に参加して、ボランティア活動をしましょうというのではありません。
自分の周りに目を向けてみることが大事でしょう。
家庭内での慈しみと愛を確認することは、クリスマスの中で一番大事なことではないでしょうか?
普段反目し合っている家族同士が和解しあうことこそ、クリスマスにとって最も重要なことだといえるかも知れません。
それなのに、会社の付き合いだからといって、クリスマスパーティのドンチャン騒ぎに出かけて行っていいのですか?
特別なことをする必要はないと思います。
これまでのクリスマスの慣習通り、家庭内でクリスマスを楽しみ祝い、お互いプレゼントを交換し合い、愛のあるひと時を過ごすので良いでしょう。
それでも、大勢で騒ぐ方が良いという人は、そういう所に出向いても良いでしょう。
でも、家族への慈しみも忘れないようにしてください。
「クリスマスなのに、パーッとにぎやかにやらないなんて、胡散(うさん)臭いよ!」などと、バカげた非難はしないようにしてください。
おそらく、クリスマスを「バカ騒ぎして憂さ晴らしする日」のように考える人が多いのは、日本人とアメリカ人くらいのもので、本場のヨーロッパなどはクリスマスを厳(おごそ)かに
過ごすことが多いようです。
それは上でお伝えしたような、クリスマスの本来的意義というのをきちんと理解しているからですね。
家の外でパーティをして騒ぐのも良いでしょう。
しかし、その時間を切り詰めて、家族と過ごす時間もとりましょう。
外に出たついでに、病院で寝た切りになっている老親を、クリスマスを一緒に祝う名目でお見舞いに行きませんか?
家族に慈しみと愛をもたらすというのは、そういうことで良いのだと思います。
余力のある人は、家族以外の人々へも思いを馳せられたら良いですね。
絶対的平和、非暴力、欲やエゴを捨てること、愛と慈しみを持つことなど、キリストの意に適ったことをするというのは、とても凡人にできることではないですね。
だから Merry Christmas は wish なのでしょう。
Merry Christmas を人に与えることも困難な願いなら、人から愛のこもった Merry Christmas を与えられることも難しい願いです。
でも、自分の身辺に目を向けて、小さなことから始めることを心がければ、「自分なりのクリスマスの考え」、「自分なりにクリスマスにやること」が見えてくるのではないでしょうか?
「自分なりのクリスマスの考え」とか、「自分なりにクリスマスにやること」が分からないというとき、とっておきの質問をあなた自身にしてみましょう。
それは、≪あなたの小さなお子様に、「ねえ、サンタクロースって本当にいるの?」と尋ねられた時、どうやって答えるか?≫という質問です。
あなたならどう答えますか?
今までお子様から似たような質問をされたことがある人もない人も考えてみてください。
「サンタクロースは本当にいるか?」という疑問は、子どもだけでなく、大人に対しても、まともな答えを考えるのは至難の業です。
大人に対しては、「そんなもの架空の人物だからいるわけないじゃないか」と存在を否定して答えにすることは簡単です。
でも、「サンタクロースの存在」というのは、そういう意味ではないですよね。
「架空の人物だからいるわけないのは分かっているけれど、毎年なぜクリスマスの時期になるとサンタクロースが現れるのだ」とつっこまれると、答えに窮します。
サンタクロースの存在を否定する答えがあっても、人々の心の中にそれが存在する限り、「サンタクロースはこの世にいないもの」とする訳にはいかないのです。
こうして、「サンタクロースは本当にいるか?」という質問の答えをつきつめていくと、自分なりのクリスマスの意義が見えてくるかも知れませんね。
子どものいない私は、子どもからこのような質問をされることはありませんが、妻から時々「今年はサンタさん来るかな?」と、さりげない質問を投げかけられます。
人差し指を伸ばしてそれを見つめながら、指に光るものを想像してそうつぶやいた年などは、ヒヤリとしたこともありました。
大人には、夢と現実を妥協させたところで、サンタさんの存在を証明しないといけないのかも知れませんね。
お子様には、サンタクロースがいることを説明するのに、夢と希望を前面に打ち出した答えが必要かも知れません。
そしてその後、あなたにとって答えを見つけるのに至難の質問が、お子様から飛び出すかも知れませんよ。
それは、あなたが渡したプレゼントを見た後、
「ちぇ、こんなのつまらない!もっといいものなかったの?」
というお子様の問い掛けです。
あなたはどう答えを返すでしょうか?
怒ってはいけませんよ。
あなたはどうやってお子様を諭しますか?
今年のプレゼントはもうお済でしょうから、これからこういうことがあった場合を想定して、答えを用意しておいた方が良いかも知れませんね。
お子様に、欲やエゴを捨てること、現実と夢、我慢と希望といったことを含蓄した答えが返せますか?
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