この記事は暗くて長いです。気が向かない方はスルーしちゃってください。
愛犬「まるこ」の話。
まることの出会いは数年前の冬。何気なく寄ったペットショップにいた。
たいがいマルチーズは目の周りが赤く汚くなるけど、彼女は真っ白。そしてべっぴん。
欲しい。完全に一目惚れ。
見た目のほかに もうひとつ気になったのは誕生日。
あたしの息子と一緒だ。
あたしには離れて暮らす息子がいる。
なんか縁を感じ
そのマルチーズを飼うことにした。
家に着いてもしばらく箱を開けないようにと言われ
彼女は小さな段ボールに入ってウチにきた。
メスのマルチーズだから「まるこ」。

まるこは初めからトイレの躾をすることなく
ちゃんとシートにする。
一度すると綺麗なシートに替えろと言わんばかりに
隅に押しやったり
畳んだりする。
ヒマさえあれば毛繕い。
エサを食べおわると皿を片付けろと低く吠える。
綺麗好きで几帳面なまるこ。
そんなまるこが今年のゴールデンウィークころ
病気になった。
今まで病気ひとつしなかったのに
いきなり治らない病気になった。
心臓肥大。
肩で息をするから体力の消耗が激しい。
暑さのせいもありエサを食べる量も減り
みるみる痩せてきた。
老犬用のエサにしたり
お湯でやわらかくしたり…
この頃にはもう薬も止めた。苦痛すぎるだろ。
そしてちょっとずつ あたしは覚悟をした。
まるこがジッとあたしを見ることが増えた。
まるこの前では泣かないと決めてたあたしは
笑顔で見つめ返す。
記憶に残したいらしい。
それならとあたしは思い出作りを始めた。
夕陽を見せた。
海を見せた。
ブルームーンも見せた。
たくさん写真も撮った。
なるべく多くまるこの記事を書いた。
ついにエサを食べなくなり人間の食べ物に替えた。
茹でた野菜とか…
医者に相談すると
ここまできたらそうしてあげろ、と言われた。
そのうち歩けなくなり
あたしは介助をするためリビングで寝た。
この頃からあたしには
ひとつの予想があった。
ひょっとして まるこは あたしの誕生日に逝く気なんじゃないかと。
だからその日が来るまで頑張ってるんじゃないかと。
そのうち水しか飲まなくなり
あたしは「覚悟」から「心の準備」に変えた。
水を飲ませると皿の中に血が滲む。
ついにあたしの誕生日がきた。
朝、いつものように口元に水をやるけど飲まない。
あたしは出勤の支度を始めた。すると小さな「ゴン」という音がする。
見ると動けないはずのまるこが
こっちを見てる。
「お!寝返り打てたな!やるじゃん!」
そう声を掛けつつ化粧を続けた。
化粧を済ませ「もう1回水飲んでみようぜ~昼休み戻って来るけどさぁ」そう言って口元に水を持っていくと
まるこは死んでた。
あれは寝返りじゃなく
最後の力を振り絞ってあたしを見たんだ。
息子と同じ誕生日に生まれ
あたしの誕生日に旅立つことを選んだ。
それをあたしは彼女の感謝だと受け取ってる。
でもその分、彼女に対する後悔が山ほど湧く。
ペットを飼ってる方、どうか彼らの要求に可能な限り応えてあげてください。
あたしのような後悔をしないように。
そう思ってこの記事を書きました。
そしてもう1つ。
まるこらしい几帳面な、そして粋な幕引きを
一人でも多くの方に知って欲しいあたしのエゴで
こんな暗い記事を書いてしまいました。
小さな段ボールに入ってウチにやって来たまるこは
今は小さな桐の箱の中で眠ってる。
ハッピーバースデー。
そして
ありがとう。
また どこかで。
