東京五輪と言っても2020年ではありません。
1964年に行われたオリンピックです。
この東京五輪で長井さんはアルバイトで通訳をされています。(大学二年の時)
それまでも学生集会でも通訳をしていたと言いますが、東京五輪でのアルバイトについて、次のように言っています。
東京五輪のアルバイトでは、当時、たとえば飲食店でウェイトレスをするのと比べれば約四倍ぐらいのお給料がもらえたと思います。
しかも、日の丸のついたブレザーからスカート、バッグまでユニフォームを一式支給されて、いいことずくめでした。
どこかで「通訳の仕事って儲かるんだなあ」と感じていたと思います。
もちろん、まだ通訳という仕事の何たるかなどわかっていません。
ただ右から左へ、機械的に言葉を変換すればいいと考えていたのです。
いま思えば、本当に浅薄でした。
「通訳の仕事って儲かるんだなあ」
“口译工作真好赚”
“ kǒuyì gōngzuò zhēn hǎo zhuàn ”
この後、
「通訳の仕事はオイシイ」
“口译满好赚的”
“ kǒuyì mǎn hǎozhuàn de ”
という表現も出てくるのですが、今はどうでしょう?
私の例では、数年前、工場での通訳業務ということで派遣されたときには@1,500円/時間でした。
交通費が出る場合も出ない場合もありました。
それが今派遣されているのは京都で、@1,000円/時間(交通費含む)、大阪で@1,100円/時間(交通費含む)です。
ある人が言うのにはこれは「最低賃金レベル」だということですが言われてみればそうなのですね。
それはさておき、
ただ右から左へ、機械的に言葉を変換すればいいと考えていたのです。
という表現があります。
長井さんご自身が「いま思えば、本当に浅薄でした。」とおっしゃっていますが、一般の方の通訳に対する認識は、
ただ右から左へ、機械的に言葉を変換すればいい
というものでしょう。
もちろん「ただ右から左へ、機械的に言葉を変換すればいい」ときもありますが、私が思う通訳者とは、話し手と聞き手の間に立ち、相互理解を深める役目を担っている。
「オレの言うことをそのまま訳せばいい」
と叱られることもある通訳ですが、縁の下の力持ち、黒子となり誰にも評価されなくても黙々と自分の役目を果たす。
そんなとても意義深い仕事。
それが通訳だと思います。
さて、そんな通訳を養成しているのがインタースクールやサイマルという会社なのですが、長井さんはサイマル・インターナショナルの通訳者になられます。
