SC神戸中国語スクールの森川寛代表による中国語発音クリニック。
反転授業の教材でもある動画の第3弾が公開されました。
中国語発音クリニック 上級編 序章 “n・ng”を中心に
から、
中国語発音クリニック 上級編 本編 1/3 どの発音から直すか
そして、
中国語発音クリニック 上級編 本編 2/3 力強さの秘密
今回は、
中国語発音クリニック 上級編 本編 3/3 "-ou・-iu"と第2声
"-ou・-iu"について、中国のピンイン(という発音をする際に参考にするもの)は、英語的に表記するためや、できるだけ実際の音に近づけるためなのか省略などされていて、日本語のローマ字に慣れていると面食らうかも知れません。
国際表音記号のように書かれているものをそのまま発音するというものではなく、体裁を整えたり(“i”が先頭なら“y”と表記されます)、消えたり(“iou”が“iu”と表記されたり、“uei”“ui”に表記されたり)するのでそのルールを覚えるのがひと苦労だと感じると思いますが、それ以外に、「視覚情報」である「文字」中心の学習になるため、子供が自然に覚えるような「聴覚情報」のわずかな変化が見過ごされる傾向にあります。
また、中国語や英語は「屋外で思いや情報を正確に伝える」ための言語。
ですから「息」は日本語より多く使用しますし、各「音」は大きく、激しく、鮮烈(はっきりくっきり)発音されます。
それには筋肉が必要なのですが、日本語は「のんべんだらり」と表現されているように、まろやかな発音で、筋肉も中国語ほど使わないため、中国語を発音する筋肉の量や強さが足りません。
そのことを考慮せず、説明されたまま発音し、自分でネイティブ・スピーカーの「音」と聴き比べることをしなければ、自分がもともと持っている筋肉を使い、少ない「息」でまろやかに発音することになります。
(これは私は「日本語離れしていない」と表現しています。)
当たり前ですが、中国語は外国語で、似ている発音はありますが、本来なら全て違う「音」のはず。
ですから、自分の「音」とネイティブ・スピーカーの「音」を聴き比べ、ほんのわずかな「音の差」を聴き分け、自分で矯正していかなければなりません。
そして、筋肉については新たに中国語を話すための筋肉を作らなければなりません。
これは声帯や口腔、鼻腔など発声器官だけではなく、身体全体だと思っている方がいいと思います。
動画の中で“时候 shíhou”の“候 hou”が出てきます。
最後の“u”は唇を丸くし、口の中、特に奥を広げ気味にして“o”に近い「音」で、各筋肉をかなり緊張させる「音」ですが、会話ではそこまで緊張させることはなく、また、最近の中国語は緊張の度合いが少しゆるくなっている傾向があるようですが、それでも、場合によってはこれを正確に発音することもあるので、中国語のネイティブ・スピーカーは当然ながら筋肉はできています。
そのネイティブ・スピーカーの会話であまり筋肉を緊張させていないからと言って、それが「自然な音」だと思ってしまうと誤解する可能性があります。
ちょうど、マラソンランナーが、いとも簡単に、軽やかに走っているのを見て、自分も同じようにできると思ってしまうように。
でも、実際に走るとぜんぜん違うことに気づく。
走ることなら全身運動なので違いがよくわかりますが「発音」となるとその差はわずかなので気づきにくい。
ですから、日本語が母語の人が中国語の発音を学び、身につけようとすると、ピンインという「文字情報」と、ネイティブ・スピーカーの「音」から「その奥にあるもの」を考えず、表面的なモノマネになる可能性が大きいのです。
本来なら「音」を身につけるのなら、中津燎子さんが身につけた方法。
つまり、向こうを向いて座っているネイティブ・スピーカー(できたら日本語ができない方がいい)に数メートル離れたところからアルファベットを順番に発音し、ネイティブ・スピーカーが少しでも違う。と判断したら“NO”と言ってもらい、家に帰ってひたすら「音」を聴き、一週間後にリベンジする。
それで合格が出たら次のアルファベットに移る。
という方法がいいのでしょうが、今、そんなことをしても誰もついてこれないでしょう。
もう一つの第2声について、森川代表は適切な矯正方法を示しています。
これは「2段階」を意識するということと、第2声+第4声の単語、しかも第2声の単語は単母音でなく複母音か“-ng”がいい。
これにより正しい第2声を体感しやすくなるのですが、ここで「なぜ、2段階を意識すると効果的なのか」という疑問が出てきませんか?
本来学びというのは楽しいもの。
その楽しさは何か疑問に思い、その疑問の答え。つまり知らなかったことがわかるという喜びなのですが、それには「なぜ?」が欠かせません。
なぜ、第2声をマスターし、それを定着させるためには「2段階」を意識した方がいいのか。
この答えは私の推測なのですが、
・中国語の「音」の高低差は日本語の「音」の高低差より高く、低く、つまり、高低差が広い。ことが原因だと考えます。
第2声は、日本語が母語の人にとってハードルの高い声調です。
それは尻上がりの「音」というのは「はぁ?」のように相手を攻撃する意味を含んでいるから。
ですから、第2声と第3声の区別がつかなくなるという日本語が母語の方が多いのですが、このことに加えて、音の高低差が日本語より大きい。
つまり、日本語で「ここまで上げたら(高くしたら)いいだろう」と思ってからさらに上げる必要があるということです。
この図では水色の幅が日本語の高低差。
第2声を2段階上げるというのは、第1段階で自分が思っている(日本語の)高さまで上げる。
そしてその限界を越えて上げるのが第2段階。
この第2段階が上げにくいし出しにくいので、第3声のようになってしまう。
と、思いました。
間違っているかも知れませんが、今後、この事を引き続き検証していきたいと思います。
そして、みなさんも何かを学ぶということは教えてもらうだけではなく、それを自分が消化し、自分なりの理解をすることだと思って下さい。
そうすることで脳を使い、脳が喜びます。
さて、また長くなっちゃいました。
森川代表なら、「説明しすぎ」と指摘されるでしょう。
さて、この中国語発音カウンセリングですが、これで今回の全ての動画が公開されました。
この動画をご覧になられた方を対象に、Zoomでのイベントを予定しています。
・8月24日(土)10:00~11:00。
・イベント名:中国語発音クリニック動画撮影のその後
・内容:
森川代表と今回受講されたちゃーちゃんさんの対談を中心に、今回の発音クリニックでは十分に質問できなかったことや説明が足りなかったことなどについて伺いたいと思います。
そして、動画をご覧いただいた方にもご参加いただき、森川代表やちゃーちゃんさんへ直接質問していただけたらいいと思っています。
まずは動画などを見て学習する。
それをもとにレッスンを受ける。
これが反転授業なのですが、今回はそれを体感していただきたいと思います。
ご参加いただける方は以下からお申し込みください。
https://kokucheese.com/event/index/575603/
そして最後になりましたが、第3弾の動画です。
