通訳。
世の中にはいろんな通訳があります。
今、私が関わっている司法通訳もいろんな通訳の中の一つです。
どのような通訳にしても、二ヶ国語を操るのですが、一体どうやっているのでしょう?
通訳学校に行き、通訳のやり方を学び、トレーニングを受けたのなら別なのでしょうが、多くの方は、二ヶ国語ができるからということで
「通訳して」と頼まれることから始まるのではないでしょうか?
私の場合、大学で中国語を学び、卒業後は商社マンとして中国に行き、中国語を使って仕事をすることが目標でしたから、社会に出てすぐに中国語を使う仕事。中国語通訳を含むアテンド要員として働き出しました。
通訳スクールには行ったことがないのでいろんな本(英語関連が多いのですが)を読み独学しました。
最近はまた「中国語のプロ」としての翻訳・通訳として活動しているので、「通訳とは何か?」「翻訳とは何か?」について考え、そして中国語と日本語能力に磨きをかけているのですが、通訳についてある方の考えについてご紹介します。
『通訳者のしごと』の著者、近藤正臣氏のモデルです。
(通訳の原理に関する省察(上)P124)
詳しい説明は、
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の「通訳者は何をしている?――通訳理論」に詳しいのですが、ざっくりと説明すると以下です。
1.C1。
これは発言者(話者)の「言いたいこと・伝えたいこと」です。
2.C2。
話者はC1を表現するのですが、思いをそのまま伝えることはできず、言葉を使って表現します。
これがE1です。
通訳はこのE1を聴いて、話者が何を考えているか=C1を推測します。
つまり話者の表現E1を聴いて、C2をつかむのです。
3.C3。
通訳者は話者の表現(E1)から「はは~ん、話者はこんなことを思っているんだな」(C1)をつかみそれを聞き手が理解することのできる言語で表現(E2)します。
聞き手はそれを聴いて、話者の伝えたいこと(C1)を推測して、「はは~ん、話者の伝えたいことはC3なんだな」と理解する。
通訳者はE1を聴いて、C1を推測し、E2で聞き手に伝え、聞き手は話者のC1を推測しC3だと理解する。
もう少しシンプルにすると、
1.話者の思い(100)がある。
2.話者はそれを言葉で表現する(80)。
3.通訳者は(80)を聴き、そこから話者の思い(100)を推測する。
4.通訳者は推測した(100)を聞き手が理解する言葉で表現する(80)。
5.聞き手は(80)を聴いて話者の思い(100)を推測する。
※以上は、思っていることを言葉で表現すると100%から80%にしましたが、これは欧米人や中国人のように小さい頃から自分の主張を表現する訓練をしっかりしている場合で、日本語が母語の場合には50%かそれよりもっと少ないかもしれませんね。
思いをそのまま伝えることができれば100%思いが伝わるのでしょうが、言葉を使うし、外国語も介在するので思いを100%伝えることができません。
ですから、「言葉」から「思い」を推測することが必要です。
その際、できるだけ正確に「思い」を推測するには、「言葉」以外の要素、たとえば、通訳者としては話者が普段何を考え、ある「思い」をどのように表現しているかという「背景情報」をできるだけたくさん得ている必要があります。
でも、実際のところ、通訳の現場では、話者の背景についての知識はあまり期待できません。
ではどうするか。
わずかなヒントである「言葉」から話者の「思い」を推測するしかないのです。
この作業には「思いやり」や「相手の気持になる」ということが不可欠。
だから、通訳は女性の方が向いているのかもしれないとも思いますし、ある通訳者が言う、
「通訳とはイタコ(※注)」
という表現が適切なのかもしれないとも思います。
※注:イタコ。
イタコは、日本の北東北(東北地方の北部)で口寄せを行う巫女のことであり、巫の一種。
シャーマニズムに基づく信仰習俗上の職である。
(Wikipediaイタコより)
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「俺の言う通り訳したらいいんだ!」
たまにそのように言われる通訳者。
言う通りに訳しても意味が通じない時があるのです。
そう、通訳者は「思い」を伝えるのかもしれません。


