似鳥会長は二度、会社を乗っ取られそうになり、それぞれ一年ぐらい悶々としていたといいます。
詳細は本を読んでいただきたいのですが、最近、似鳥会長はよくテレビ出演されているので何かの番組で見た方もおられるでしょう。
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「乗っ取る」
最近はアカウントを乗っ取られるという問題が発生していますが、「乗っ取る」とは中国語でどう表現するのでしょう?
中国語版では次のようになっています。
即使面临被架空也坚守信念
即使 面临 被 架空 也 坚守 信念
Jíshǐ miànlín bèi jiàkōng yě jiānshǒu xìnniàn
“即使”は「たとえ…(も)」。
“面临”は「~に面する」。
“被”は「被害」の「被る」で「~される」。
“架空”は;
動詞
1. (家屋・器物などに支えられ)地面から離れている.
用例
架空索道=ロープウェー.
2. 宙ぶらりんになっている,根拠がない.
用例
计划必须要有相应 yìng 的措施,才不会架空。=計画は相応の措置がとられて初めて架空のものでなくなる.
3. 棚上げにする,骨抜きにする.
用例
他这次提升,明明是被架空了。〔‘被’+〕=彼の今回の昇進は,明らかに棚上げにされたのだ.
(Weblio 白水社 中国語辞典より)
“也”は「(たとえ)…も」。
“坚守 信念”は「信念をしっかり守る」。
“架空”が「乗っ取る」の中国語表現として使われていますが、ここでは「架空の話」の「架空」ではなく、「骨抜きにする」という意味が「乗っ取る」として使われているようです。
ちなみに「乗っ取る」の中国語表現には以下があります。
(Glosve「乗っ取る」より)
Type: verb;
・劫持 { verb }
・劫机 { verb }
・劫機 { verb }
・拦路抢劫 { verb }
・攔路搶劫 { verb }
・占领 { verb }
・吃 { verb }
・吃掉 { verb }
・夺取 { verb }
・征服 { verb }
・打 { verb }
・打下 { verb }
・抓取 { verb }
・捕获 { verb }
・获得 { verb }
アカウントを「乗っ取る」とか会社を「乗っ取る」は“夺取”がいいように思うのですが、このあたり、センスの問題なのでしょうね。
さて、「会社を乗っ取られそうになっても…」という日本語らしい日本語に対し、中国語ではやはり具体的に、
即使面临被架空也坚守信念
「(会社を)乗っ取られそうになっても信念をしっかり守る」
日本語表現では「…」ではっきりとは言わず表現しているのですが、中国語ははっきりと伝えています。
でも、日本語の意味は「…」で表現することで色んな意味を含んでいることは日本語が母語の方ならわかると思います。
その表現を中国語にするとなるとその含んでいる色んな意味を具体的に表現しなければ中国語らしくない。
そこで訳者は「信念をしっかり守る」を選んだのでしょう。
このあたりも、翻訳・通訳が機械的に文字や表現を置き換えるだけではない、とても人間らしい「技」であることがわかると思います。
外国語の入門から初級、そして中級。
その次はこういった文字や表現など見たり聞いたりすることができるもの以外、その後ろや奥にあるモノをつかむ作業になる。
人間にしかできない、深く、楽しい作業ですね。
