語学に関係する人なら誰でも一回は見聞きしたと思います。
「象は 鼻が 長い」
この文の主語は何か?ということなのです。
中学校の頃、術後→述語に注目してそれから主語を見つけるという方法を教えてもらったと思いますがそれを使うと。
述語:長い。
何が長いのかというと→鼻。
ということで主語は「鼻」。
じゃあ、象は?ということで、日本語の主語って何だろうということで今でも色々議論されているようです。
「象は 鼻が 長い」
の中国語は:
“大象 鼻子 很 长。”
“大象”=「象」。
“鼻子”=「鼻」。
“很”=「とても」でも、ここでは「とても」という意味はあまりありません。
(白水社 中国語辞典の説明:
(2)形容詞が述語となっている肯定文の場合,‘很’の意味がそれほど顕著でないことも多く,その場合には‘很’は強く発音しない.
例えば,‘天气很好。’という文は「よいお天気です.」というくらいの意味で,「とてもよい」と訳すとむしろ原意にそぐわない.)
“长”=「長い(形容詞)」
英語では:
Elephants have long trunks.
英語の文型では“SVO”。(S=主語、V=動詞、O=目的語)
これを:
The nose of an elephant is long.
(象の鼻は 長い)
と訳すようではまだまだ修行が足りないというのが『「英語のしくみ」5日間で完全マスターする本』に書いてあるのですが、一般的な日本語の感覚では“The nose of ・・・”になると思います。
これに対して、中国語は日本語の通りですね。
文型でいうと“SC”(S=主語、C=補語)。
でも、「象は」は何?となるのですが、このことについて『「英語のしくみ」5日間で完全マスターする本』の主語の説明に以下があります。
「は」という助詞が表すのは主語ではなく、主題だと考えればよいでしょう。
たとえば「象は=象については」です。
p.23で説明したとおり、英文のS(主語)の働きは主題を提示すること。
つまり英語では「主語=主題」です(「主語」も「主題」も英訳は subject)。
(『「英語のしくみ」5日間で完全マスターする本』, p51)
具体的には“S is C.”の文型について次の説明があります。
「姉の歌は上手だ。」
の英訳として;
(a) My sister's song is good.
(b) My sister sings well.
(c) My sister is a good singer.
が考えられるのですが、
(a)が不適切なのは、「姉が作った歌はいい歌だ」と誤解されそうだからです。
(b)は情報構造的には問題ありませんが、(c)の方がベターです。
1つの理由は、「歌が上手な人という分類的特徴を表すには<形容詞+名詞>の形が適しているから。
とのことですが、この例から<S is C>は英語で特に好まれる文構造の1つです。
そして、
Sが前置き、Cが情報の焦点になります。
「主語」とは「主題」。
日本語や中国語の「主語」も「主題」だと思います。
上の「前置き」でもわかるように、これから何を話すかという「主題」「テーマ」だと思います。
そして、英語が<S is C>が特に好まれる文構造とのことですが、中国語でも、
S 是 C。
がよく使われます。
また、英語でよく使われる文構造として;
<SVO>
があるとのことですが、中国語も同じです。
ということで、中国語の基本中の基本の文構造(文型)として以下をご紹介しています。
①主語(テーマ)+動詞+動詞の対象物。
②主語(テーマ)+“是”+名詞(テーマについての説明)。
③主語(テーマ)+(動詞はなくて)+形容詞(テーマについての説明)。
英語では:
①=<SVO>。
②=<SVC>。
です。
なぜ、文構造(文型)について長々と説明したかというと、中国語を話したり書いたりするときに、この文の構造(文型)を意識した方がいいと思うからです。
私はよく、「(中国語は)動詞がポイント」と申し上げますが、これについて、以下のブログを見ていただくとわかりやすいと思います。
「する」の英語、「なる」の日本語の話です。
これは「状況主体の日本語、動作主体の英語」などとも表現される違いです。
とありますが、私は「名詞的、静的日本語、変化を表現する中国語(英語)」と申し上げていますが、これは日本語と中国語や英語は表現方法が違うからで、この「違い」を意識すると、話したり、聞いたり、書いたりするときに使いやすいと思うからです。
ブログでは天気予報の日本語を書き出して分析していますが、
「話の中心」を主語と呼ぶなら、これらは主語です。
でも、その場合も「主語」というより「主題」と言ったほうが良いでしょう。
日本語はたいてい、「<主題>はXXです」のパターンです。
日本語はたいてい、「<主題>はXXです」のパターンです。
これは私は気づきませんでした。
このブログの筆者の言う通りなら、
英語:SVC。
中国語:S“是”C。
のパターンが多いということです。
(英語の場合、SVOもSVCと同じように多いという説明もあります。)
そしてこの文構造は英語も中国語もよく使う。それなら問題ないと思うのですが、表現方法の違いがあるとのことです。
日本語話者にはこの、「AはBです」の形が染み付いています。
ですから英語にするときも「A is B」という文章を作りがちです。
ですから、発想を含めて、英語の「かたち」を頭に形成する必要があるわけです。
そうなのです。
中国語も、入門から初級と学んできて、中級になると、「(中国語的)発想」を理解し、中国語の「かたち」を頭に形成する必要があります。
そして、その「かたち」が文構造。つまり「文型」です。
ブログの著者はさらに続けて、
ではどうやって、この、日本語と英語の違いを克服するか
私は英語文法で習う「5文型」が非常に重要だと思っています。(5文型 とは、第1文型から第5文型までの五つの文型のことです)
英語の文型を頭に形作って、「・・・は・・・です」から離れた思考を作るためです。そうやって、「動作主体」の英語の頭を作る必要があります。
中国語も同じです。
日本語の発想で「・・・は・・・です」が頭のなかに浮かぶ。それを中国語にするには「動作主体」つまり「動詞は何を使うか」がポイントになります。
「姉の歌は上手だ。」
この表現を中国語に、それも中国語「らしい」表現にするのなら、動詞に注目します。
この表現なら“唱 歌(歌を歌う)”の“唱(歌う)”に注目して、
“我姐姐 唱歌 唱得很好。”
でしょうか。
このように外国語を学び、それを使うには文型というものが役に立ちます。
そして、この文型もまだ研究が続いているようです。
英語の5文型も、『「英語のしくみ」5日間で完全マスターする本』では8文型が紹介されていますし、中国語では28の文型に分けられるという報告(※注)もあります。
※注:关于汉语句型。中文信息学报第7卷 第1期 唐泓英 姚天顺 王宝库。
外国語を自由自在に使いたい。
そのためには単語もたくさん覚えなければならないのですが、この「発想法」を理解し、文構造をマスターし、覚えた単語をその中に当てはめる。
この使える文型が増えると、表現も豊かになり、また、聴き取りも聴き取りやすくなり、中級へ、そしてさらに上級へと駆け上る階段になると思います。
文型に注目したテキストとしては;
や、日本語版なら、
基本表現80で身につく中国語 (世界の言葉を話そう!マルチリンガルBOOK) 単行本 千島 英一 (著)
中国語会話厳選パターンフレーズ80 (CDブック) 単行本 国際語学社編集部
80パターンで話せる中国語会話(CD BOOK) 単行本 味園 由美 (著), 劉 暁君 (著)
があります。
