現代人は恐れに振り回されると、ついお金を手放してしまう習性があるようです。
ですから、豊かさを手に入れたければ、恐れを理解する必要もあるというわけなのです。
そもそもなぜ、恐れによってお金を手放してしまうのか。
それは、知らず知らずのうちに、恐れをお金によって解決するという習慣が染み付いているからなんですね。
ビジネスということについて考えたとき、お金を得るには大きく分けて2つの方法があります。
ひとつは人の喜ぶことをして、感謝の代金を得る方法。
もうひとつは、それ以外の方法で得ること。
多くのビジネスはそれ以外の方法を採用しているように思います。
たとえば証券や金融取引は、マネーゲームと言われるように、お金の取り合いですし、必要のないものを買ってもらおうとするビジネスは、必要のないニーズを感じてもらうことから始まるわけですから、セールスマンは相手の状態を否定するところから始めなければなりません。
たとえばテレビのコマーシャルを見ていて、とくにあからさまに不安をあおっているなあと感じるのが、洗剤のCM。
汚い、ばい菌、不健康、だから除菌....みたいな。
あとは限定品。この期間だけ安いから、この期間しか売ってないからと、商品が無くなることの不安を感じさせようとするもの。見かけのディスカウントもそうです。もともと安いものを少し高い価格に設定しておいてから、3割引とかにして売れば、限定品と同じ効果がでますね。
美容品などは、もっと美しくなれるという言葉の裏に、そのままでは美しくないというメッセージが隠れていたりします。
すべてのビジネスがそうだとは限りませんが、純粋に喜ばれることや楽しむこと、ただ必要だという以外のことにおいては、大なり小なりなんらかの不安をあおられていたりするものです。
もちろん、ことさらに売り手側から不安をあおるようなことはされていなくても、買い手側が勝手にそう思っている場合もあります。
しかしながら、そのようなビジネス関係が成り立つ背景には、売り手側も買い手側の不安をたよってきたということがあるからでしょう。
そういうわけで、知らず知らずのうちに、不安を解消するために商品を手に入れるという構図が構築されてしまったのではないかと思います。
そうなると、人は無意識のうちに不安を解消するための消費行動をとるようになります。
いわゆる無駄遣いというものです。
無駄遣い、わたしもついついしてしまいますが、なんとなくある不足感を補おうとして不必要なものを買ってしまうことです。
特に私は次から次へと本を買ってしまうという癖があります。
本を読むのが好きというのもありますが、自分はバカじゃないかという恐れですね。
妻からは図書館に行きなさいと怒られるのですが、それでは満足しないんですね。
本棚に詰まった本を見て、それだけ頭がよくなったと感じていたかったりするからです。
ただの錯覚なんですが、こまった話です。
恐れでお金が出ていく例として顕著なのが降り込め詐欺。
これだけ注意を呼び掛けているにもかかわらず、被害額は毎年増え続けています。
降り込め詐欺にあった人は、お金を振り込まないと気が済まないそうで、銀行員の制止を振り切ってまでも振り込もうとする人もいるそうです。
人の恐れを巧みに利用した例ですね。
恐れには漠然とした不安や心配といったものから、死ぬほどの恐怖に至るまで、さまざまなレベルがあります。
自分の中にどんな恐れがどのようにあるのかを理解していないと、無意識のうちに生じる小さな恐れによって、お金がどんどん出て行くという結果になってしまうというわけですね。