【魂が震えた!】
こういう体験ができるから、映画鑑賞はやめられない。
公開されたドキュメンタリー映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』。

全人類に観てもらいたい珠玉の作品だ。
タイトルを見た瞬間に「何か怖そう」「犬の可愛そうな姿は見たくない」と敬遠する人もいそうだ。
でも、だ。
その恐れと向き合った人は、必ずプライスレスな「宝物」を手にすることができる。
そんな映画である。
その宝物は、映画のチケット代の何十倍、何百倍もの価値がある。
だから、ダマされたと思って、劇場に足を運んでもらいたい。
少なくとも私は、この映画が、自分の今後の人生を変えるかもしれないほど大きなインパクトをもたらした。
観て良かった!!!
心からそう思える1本だ。
人間が起こした戦争に巻き込まれ翻弄される、犬や猫といった動物たち。
動物たちは、戦争の被害者でありながら、その「苦痛」や「嘆き」「死」に光が当たることはない。
山田あかね監督は、戦禍のウクライナへ向かい、「そんな動物たち」と「動物たちを助けるために命を捧げる人間たち」の一挙手一投足を追う。
ウクライナの地で、カメラは「戦い」ではなく「救い」にズームしていく。
人間の命と動物たちの命。
果たして、その重さに違いはあるのか?
命の危険が伴う地に、動物たちを救出しにいく人々の姿を見ながら、自身の生ぬるい(!)生き方を顧みずにはいられなかった。
突きつけられるのだ、生き方を。
声高に反戦を訴える映画ではない。
ていねいに取材を重ねながら、事実を淡々と映し出していく。
印象操作やミスリードもない。
人間と動物たちの平和を願い、極めて誠実に事実と向き合う。
この映画は、観る者に、「答え」を与えようとはしない。
その代わり、あらゆる角度から――
<あなたはどう考えますか?>
――と問いかけてくる。
上映後に、山田あかね監督と作家の和田裕美さんによるトークショーが行われた。

左が山田あかね監督。右が作家の和田裕美さん。
そこで、 和田裕美さんが、客席に核心を突く問いを投げかけた。
「自分の命とお金をかけて、やりたいと思えることを私たちはやっているのか?」
本当にそうだ。
この映画は社会派のドキュメンタリーでありながら、見る者が激しくモチベートされる、なんとも不思議な作品なのだ。
危険を覚悟で戦地におもむく山田監督や取材班はもちろん、一匹でも多くの動物を救出しようと奮闘する人たちを目の当たりにし、「ふだん自分は一体何をしているのか?」「今の私に何ができるのだろうか?」と強く、深く、考えさせられるのだ。
もちろん、一人ひとり答えは違うし、山田監督も「それで(違って)いい」と言う。
決して結論を押し付けない。
そんな山田監督だからこそ、ここまでフェアなドキュメンタリーを撮ることができたのだろう。
山田監督がこの作品を撮ってくれなかったら、私は、多くの無知を抱えたまま、この先も生きていたことだろう。
あるいは、人生で大事なことに気づかぬまま一生を終えていたかもしれない。
教えてくれて、気づかせてくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。
一人でも多くの人に、この映画を味わってほしい。
そして、動物や人間社会、なにより自分自身について、めいっぱい考えてもらいたい。
その全プロセスが、一生の財産になるはずだから。
この映画に出会えた人は、それだけで幸せだと思う。
◆山田あかね監督作品『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』
https://inu-sensou.jp/
◆山口も支援しました! 山田あかね監督が行っているクラウドファンディング「ウクライナ侵攻から3年――。いまだ続く戦地の犬猫救援活動にご支援を」
