台湾でバスに乗る。偉そうなタイトルだが、もちろんバスの乗り方の説明ではない。ただの思い出話。
台北のMRTは10年前はまだ今の半分くらいの路線しかなかった。いや、それ以下かも。基本は淡水線と板南線と木柵線だけで、板南線にしたって永寧方面は板橋までも通じておらず新埔どまり。木柵線も松山機場まで通ってなかったのだ(中山国中まで)。
なのでちょっと遠くに行くときはバスを使うしかなかった。輔仁大学に行くにも新埔駅までMRTに乗り、そこから802番のバスに乗って。ほかにも淡水線の七張からバスに乗ったり、ああ、東呉大学に行くときは夜市で有名な士林駅からバスに乗ったね。
悠遊卡を持つようになってからはバスもこれでOKなのでものすごくラクちんだが、持ってないときは大変だった。乗るとき払うのか降りるとき払うのか、バス賃はいくらなのかその都度要確認。
台東駅から市街地までのバスは小さなリムジンバスだった。乗客も私以外に3、4人。台東から太麻里に行ったときは、日本で言うと高速バスみたいなバスに乗った(高速道路は通ってないけど)。台東市内の中央市場の後にある鼎東客運のバスターミナルから。海沿いの国道9号線を走るバスである。
花蓮から台東までの花東公路は有名だが、台東から南下する道路は南迴公路。南にもどる道。どちらもきれいな名前。そして海を見ながらのドライブ、最高だったのだけれど、バスのフロントガラスが思いっきりひび割れていてちょっと怖かった。何かにぶつかった、或いは石かなにかぶつけられたか。いずれにしても日本では絶対ありえない状態のバス、思わず写真にとりました。
旅で使用した地図を見れば、その時の思い出が一気によみがえる。現地で地図を手に入れ、それを見ながら四苦八苦して行きたい場所を探し出す。苦労した分記憶に残る。街のにおいや空の色まで思い出す。
この前高雄で路線バスに乗った。台北の悠遊卡は使えない。久しぶりに緊張の一瞬。乗るときに払うパターンだったが、12元、何とさいふに小銭がない。「どうしよう?」と運転手さんに言うと、「とりあえず座れ」と言われる。最悪、100元札を入れちゃうか、とか思っていたが、席についてじっくりバッグの中を点検すると、5元玉が2枚と1元玉2枚、見つかった。キセキの12元。目的地のバス停で、「ありましたー」と言いながら料金を入れ堂々とバスを降りる。よかったあ。