※2013年、2016年の記事に加筆しています。
「見ちゃだめ」を“不行看”というあなた、台湾に住んでましたね。普通話の教科書的な使い方だと、この“不行”は「ダメ、許されない」という意味の形容詞。単独でしか使わず、後ろに動詞を取ることはできません。
でも、台湾では“不行看”(見ちゃだめ)、フツーに言います。“不能”と同じような助動詞的使い方をするのです。起源は台湾語“毋通(m̄-thang )”の影響説が有力。“毋通”は“不通”とも書き、例えば
你毋通傷晏轉來。
Lí m̄-thang siunn uànn tńg--lâi.
あんまり遅く帰ってきてはいけないよ。
というような使い方をします。台湾語の“毋通”は助動詞なので、後ろに動詞が来てもOKなのです。
2022年話題の台湾ドラマ『正義的算法(正義の法則)』第16集。残り25分くらいのところ。法廷に入る前に徐達恩がポップコーンはどこに売ってるんだ?ときくので、劉浪が中では何も食べちゃいけないんだぞ。と答えます。ここはそんなにダサいのかよ?と文句をたれる徐達恩に劉浪が冗談で、なら「滷味」でも買ってくるか?と言います。「好啊(いいねえ)」と喜ぶ徐達恩に対し劉浪が一言、
不行吃啦!
(食えねえっつってるだろ!)
と叫ぶ、という場面です。
2009年の台湾ドラマ『桃花小妹』(桃花タイフーン!!)でも。第9話の真ん中ぐらいで出てきます。柔道部への入部テストでヘトヘトに疲れた桃花。「体中痛いからもう寝るわ」と部屋に引き上げようとする彼女に兄ちゃんたちが声をかけます。
兄A(ケンチュウでも高以翔でもない人)が
哥哥幫妳按摩
(兄ちゃんがマッサージしてやるよ)
過來讓我幫妳按摩
(おいでマッサージしてやるからさ)
それを聞いて、兄Bの高以翔が助動詞「不行」をブチかますのです。
你不行按啦!
(お前はマッサージなんかできねえだろ)
近年は中国でも使われるようになっているかもしれませんが、教科書的にはまだブッブー。なので、テストのときは使わないようにしてください♡